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Microsoft 365の利活用に必要な組織の土壌 Vol.3

Microsoft 365の利活用に必要な組織の土壌 Vol.3

私たちスノーピークビジネスソリューションズ(以下、SPBS)は、マイクロソフト認定パートナーとしてこれまでに200社以上の企業へMicrosoft 365の導入・定着支援を行なってきました。たくさんの企業を見てきた中で、Microsoft 365の利活用がうまくいく企業とそうでない企業があり、うまくいく企業には共通項があることが分かってきました。

 

その共通項として、3つの成功法則をご紹介します。それは、Microsoft 365の利活用に限らず、あらゆるプロジェクトがうまくいく組織になる普遍的な成功法則ともいえます。

Microsoft 365の利活用に必要な組織の土壌とは?

Microsoft 365の利活用に必要な組織の土壌とは?

よい組織風土をつくる3つの成功法則

Microsoft 365は、社内の情報システムをシームレスに運用でき、DXの加速、働き方のアップデートができる優れたクラウド型サービスです。ただし、導入した企業が最適に活用しなければ価値を最大化することはできません。それでは、Microsoft 365の利活用を進めるには何が必要なのでしょうか?

 

そこには3つの成功法則があると考えています。

 

(1)WHYの合意形成

社内施策を実行するときに、「WHYの合意形成」ができていることが重要です。

つまり、なぜプロジェクトを行うのか、その目的を明確にして組織全体で共通認識をもつことです。組織がMicrosoft 365を導入したりプロジェクトを行ったりする場合、その目的は効率アップであったり働きやすさの向上であったり、組織をよりよくすることにあるでしょう。ひいては組織のメンバー一人ひとりに恩恵が還元されるものです。

しかし、目的が浸透していなければプロジェクトはうまく進みません。成し遂げた先に何があるのか共通認識をもつことで、みんなが同じ方向を向いて進んでいけます。

 

(2)プロセスの共有

決定事項がトップダウンで降りてきた場合、人はどうしても受け身になります。自ら動くマインドになりづらく、よいプロジェクトであっても従来のやり方を変えることに抵抗や反発を感じます。そして、うまくいかない場合は誰かのせいにしたくなります。しかし、決定までのプロセスをみんなで共有し、ステップを積み重ねながら進めていった場合はどうでしょうか? 自分もプロジェクトの一員であると感じ、プロジェクトを成功させたいと考えるのではないでしょうか。そうすると、うまくいかない場合は「どうしたらいいだろうか」とアイデアを考えるようになります。短期的にはトップダウンの方が物事をスピーディーに進められるかもしれません。しかし長期的に見ると、みんなでプロセスを共有し、小さなステップを重ねていくことがプロジェクトの成功、定着につながります。

 

(3)良好な人間関係

「WHYの合意形成」と「プロセスの共有」を加速させ、継続させるのに何より重要なのは「良好な人間関係」です。

お互いに信頼がなく疑心暗鬼になっていると、人は本来の力を発揮できず、物事を批判的に捉えるようになります。

しかし、お互いをリスペクトし合い、同じ方向を向いていれば各々が力を十二分に発揮できます。「良好な人間関係」が構築された組織では、人は幸せに、心豊かに働くことができるのです。

組織のよい土壌づくりのための施策例

組織のよい土壌づくりのための施策例

SPBSが実践している施策や考え方

「WHYの合意形成」「プロセスの共有」ができて、「良好な人間関係」が構築された組織は、プロジェクトがうまくいく土壌があるといえます。組織の土壌づくりはとても重要ですが、難しくもあり、よい組織をつくるには施策が必要です。私たちは、“自然と、仕事が、うまくいく。”組織を目指し、これまで数々の取り組みを行なってきました。

 

ここではSPBSの社内施策の一部をご紹介します。

 

Vision Sharing Day (ビジョン シェアリング デイ)

「Vision Sharing Day」を年に1回、そして四半期ごとに「Short Vision Sharing Day」として報告会を開催しています。社長含め全社員が集まって会社のビジョンを共有するとともに、各事業部が事業報告やこれからの活動を発表するイベントです。会社のビジョンを共有する時間を設けることで、会社や各事業部がなぜそれをやるのか理解し、WHYの合意形成をすることができます。それにより、各々が抱えている業務と会社のビジョンがつながっていることを理解でき、目の前の業務やプロジェクトを自分ごと化することができます。

 

昼礼での気づきの共有

みんなが集まり、気づきやノウハウを共有する昼礼を毎日行なっています。

その中で「Microsoft 365コーナー」を設け、Microsoft 365を使っていて気づいたこと、もしくは困りごとなどをメンバー間で共有します。Microsoft 365を会社が導入しているからと、なんとなく利用するのではなく、どうしたらよりよく活用できるかを考え、アイデアを出し合っているのです。そうやってプロセスの共有をすることで、少しずつMicrosoft 365を浸透させてきました。

 

Communication Philosophy (コミュニケーション フィロソフィー)

良好な人間関係を築くには、社内のコミュニケーションが重要です。

私たちはさまざまなコミュニケーション手法を試す中で、コミュニケーションを円滑にするのに大切なフィロソフィーを確立してきました。それには3つのステップがあります。

(1)お互いの抱えている問題や事情といった背景を理解すること

(2)背景を理解した上でお互いの意見やアイデアを目の前に出し合うこと

(3)出し合った意見やアイディアの中から最適な選択を一緒に行うこと

 

決定までのプロセスを明確にして共有することでお互いを尊重でき、良好な人間関係が構築されていきます。これは、コミュニケーションの根幹にある考え方として、社員同士であってもお客さまに対しても大切にしているフィロソフィーです。

Microsoft 365の利活用が進まない失敗例

Microsoft 365の利活用が進まない失敗例

Microsoft365の利活用はボトムアップで進めよう

一方で、Microsoft365の利活用がうまく進まないケースも多く見てきました。その原因は進め方に問題があります。

 

例えば、メールやファイル共有といった業務に必要不可欠なツールを導入する場合、トップダウンで一気に切り替えることでスピード感をもって導入・定着を進めることができます。一方で、チャットやオンライン会議、社内SNS、アンケートフォームといった“働き方をよりよくするためのコミュニケーションツール”においては、使わなくても目の前の業務が進んでいくため、トップダウンで活用を指示してもなかなか定着しません。どう活用していきたいか全員がアイデアを出し合うボトムアップで進めることで定着率は高くなり、実際の業務改善に役立たせることができるようになります。

 

ボトムアップ型のプロジェクトを大事にする考え方は、コンサルティング手法にも反映されています。

SPBSがMicrosoft365の定着支援で大事にしているのは、お客さまの納得感、ワクワク感です。利活用の方法をこちらから一方的にお伝えするのではなく、お客さまと対話し、Microsoft365をなぜ導入するのか、どう活用していくのかを主体的に考えていただきます。その結果、コンサルティング終了時には利活用がうまく進む、自走できる組織になっているのです。

いかがだったでしょうか。

 

よいシステムとよい企業風土はかけ算が成り立ちます。いくらシステムが素晴らしくても活用する企業の風土や考え方が健全でなければ、よさを発揮できません。逆によい企業風土をもつ組織がよいシステムを利活用すれば、組織力を飛躍的に強化することができます。

 

私たちは、Microsoft365の導入支援だけでなく、Microsoft365の利活用が進む、仕事がうまくいく組織づくりをサポートしています。

清水 崇弘(しみず・たかひろ)
Profile

清水 崇弘(しみず・たかひろ)

WIS事業部 部長

入社後、日本マイクロソフトの業務従事者に抜擢され、クラウドパートナーの販売強化支援業務に従事。Microsoft365 および クラウドセキュリティのコンサルタントとして多数の支援実績がある。

清水 崇弘(しみず・たかひろ)
Profile 清水 崇弘(しみず・たかひろ)

WIS事業部 部長

入社後、日本マイクロソフトの業務従事者に抜擢され、クラウドパートナーの販売強化支援業務に従事。Microsoft365 および クラウドセキュリティのコンサルタントとして多数の支援実績がある。

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