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【スノーピークDX】
リユース事業のスタートに向けて在庫管理システムを導入

【スノーピークDX】
リユース事業のスタートに向けて在庫管理システムを導入

2023年4月、スノーピークは自社製品のリユース事業を新たに立ち上げ、「株式会社スノーピークサーキュレーションコア(以下、SPCC)」を設立しました。ユーザーから買取した製品に適切なメンテナンスを施し、次のユーザーへとつなぐ。スノーピークは持続可能な社会に向けたさまざまな取り組みを行なっていますが、リユース事業はその一端を担う新たな挑戦です。

 

私たちスノーピークビジネスソリューションズ(以下、SPBS)は、リユース事業のサービススタートに向けて、在庫管理システムの開発・導入を担いました。本コラムでは、そのプロジェクトについてご紹介します。

リユースサービス向けの在庫管理システムを開発

リユースサービス向けの在庫管理システムを開発

Excel管理を見直し、将来を見据えたシステムを構築

スノーピークの公式事業としてリユースサービスを始めるには、スノーピークの会員情報などが紐付けされたデータプラットフォームとの連携が必須であり、新たなシステムの構築が必要でした。

 

SPBSが担う在庫管理システムにおいては、買取、販売システムとの連携、リユース製品の管理に必要な項目の洗い出し、さらには将来の事業ビジョンを想定したシステムづくりなどが求められていました。

 

新会社SPCCの設立が発表されたのは2023年3月中旬。発表とほぼ同時に在庫管理システムの開発プロジェクトは動き出しました。買取サービスがスタートする同年8月にはシステムを運用させる必要があり、納期までは半年もありませんでした。

サービススタートに合わせた短納期を実現

サービススタートに合わせた短納期を実現

成功のカギはチームの連携とスモールスタート

リユース事業の在庫管理システム構築は、開発スタートから本番稼働まで半年弱というスピードが要求されるプロジェクトでした。タイトなスケジュールで進行し、当初の予定通り稼働を開始することができた要因は、開発メンバーが意識したチームの連携、そしてスモールスタートにありました。

 

■チームの連携

在庫管理システム構築には、スノーピークをはじめ、SPCC、SPBSの3社が関わっていました。3社がともにSPCCの将来像、事業拡大をイメージしながら、目の前に迫る買取サービススタートに向けて必要なことを整理する必要があり、その両軸でビジョンや課題を共有することが重要でした。開発メンバーは関係者と密に連携を図り、情報収集・情報提供をしながらプロジェクトを推進しました。

 

■スモールスタート

タイトなスケジュールで意識したのは、なるべくシンプルな設計。サービス開始当初から大がかりで作り込んだシステムを導入するのは、開発サイドだけでなく、システムを使う現場にも負担がかかります。まずはシンプルなシステムでサービスをスタートし、スタート後に見えてきた課題や今後の事業拡大に合わせて後から柔軟に機能追加できる、SPBSのスモールスタートの考え方でシステムを提案し、SPCCにもその考え方に共感してもらいました。

 

短納期に対応するSPBS独自の開発手法

短納期に対応するSPBS独自の開発手法

ベースシステムの活用と3ステップ方式

在庫管理システムを短納期で導入できた要因として、SPBSの開発手法にもポイントがあります。まず一つは独自のベースシステム「iSTARTER®︎」をもっていること。そして、「iSTARTER®︎」をベースに、3ステップ方式で着実にシステムを構築したことです。

 

■独自のベースシステム

製造現場などに必要不可欠な基本機能を厳選した独自のベースシステム「iSTARTER®︎」を12種類ラインナップ。今回は、在庫管理に適した「ZaiKo STARTER」を活用しました。

 

■3ステップ方式

足飛びにシステム導入をするのではなく、ゴールから逆算してマイルストーンを設定します。完成度ごとに「会議室版」「評価版」「現場調整版」と称した3つのステップを踏み着実にゴールを目指します。

 

ステップ1. 会議室版(50%)

資料にシステムの画面イメージ、操作性、運用面などを落とし込み、ときにはプロトタイプを用意して、それをベースにイメージのすり合わせをします。

 

ステップ2. 評価版(60%)

会議室版でのすり合わせに基づいて開発を進め、60%ほど進捗した段階で評価版を用意。評価版を現場で一定期間トライアルしていただき、現場の声をその後の開発に反映します。

 

ステップ3. 現場調整版(100%)

出来上がったシステムを現場で調整します。現場と段階的にステップを共有しながらつくりあげることで、完成後のギャップを最小限に抑えることができます。

 

今回のプロジェクトは、タイトなスケジュールの中でも3つのステップを飛ばすことなく着実に行なったことで、現場調整版での手戻りはほとんどなく、結果的に短い納期でシステムを開発・導入することができました。

実際に使用したSPCC社員の声

実際に使用したSPCC社員の声

現場のことを分かっているシステム開発・サポートがありがたい

サービス開始時のシステムはなるべくシンプルにして、スケジュール通り進めたいという希望がありました。開発を進めていくとどうしても機能を追加したくなるものですが、SPBSが得意とするスモールスタートを貫いていただき、コミュニケーションを密にとりながら、スケジュールを重視して開発を進めていただけたので安心感がありました。

 

評価版の段階で細かな調整をお願いしましたが、私たちの現場を分かってくれているからこそのスムーズな対応がありがたかったです。システム稼働後も何かと気にかけていただき、フォローしてもらっています。

 

今後は、販売システムや他のシステムとの連携も想定しています。システム同士をシームレスに融合して効率化できるよう一緒に取り組んでいきたいと思っています。

リユース事業はまだスタートしたばかりです。在庫管理システムは今後さまざまなシステムとの連携、細かなシステム改修、機能追加などを積み重ね、現場によりフィットするシステムへとアップデートしていきます。

 

スノーピークがリユースサービスで目指すのは、循環型経済の実現。「製品」と「製品への想い」をユーザーから次のユーザーへとより良くつないでいく。人とモノの豊かな循環が生まれるサービスをスノーピークとともにつくっていきたいと思います。

 

ZaiKo STARTER(在庫管理システム)​ 

現場におけるさまざまなデータ管理パターンを、​用途や目的別の基本機能に絞ってiSTARTER®としてシリーズ化。​必要最低限の機能だけを備えたシステムで、​お客様の現場運用に合わせた機能を拡張可能。​「まずはシンプルに始める」を実現させるシステムです。​ 

>>ZaiKo STARTER(在庫管理システム)について詳しくはこちら​ 

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