省エネ、環境対策専門のエンジニアリング事業を展開するTESSグループ。事務所の統合をきっかけにキャンピングオフィスを取り入れていただきました。フロアの中心に配置されたアウトドア空間に込めた想いをお聞きしました。
お客様:
テスホールディングス株式会社 執行役員 南 龍郎 様
テスホールディングス株式会社 広報・IRチーム 水田 雛乃 様
取 材:
スノーピークビジネスソリューションズ 早川 恵里
スノーピークビジネスソリューションズ 勝間 翔平
「エネルギーのあらゆる課題に目を向け、脱炭素化を目指す」
Q:テスホールディングスさんの会社概要を教えてください。
TESSグループはエネルギーの事業に長年従事しており、「再生エネルギーの主力電源化」「省エネルギーの徹底」「エネルギーのスマート化」という3つの事業領域で展開しています。
今、世界的にも注目を浴びている脱炭素化に向けての取り組みを行っており、「SDGsの実現に貢献していこう」と大きく目標を掲げています。TESSグループでは、さらなる発展を目指して、2021年4月に東証一部上場も果たしました。
具体的な事業内容としては、省エネルギーや再生可能エネルギーの設備をお客様の工場に導入させていただくエンジニアリング事業と、その設備のアフターサービスや自社で再生可能エネルギー開発・保有・運営をするエネルギーサプライ事業を行っています。再生可能エネルギー発電所は2021年6月末時点で、全国に67件(約205MW)保有しています。
「会社の大きな変革と同時にオフィスをリニューアル」
Q:今回のオフィス改革を実行された背景を教えてください。
リニューアル前のオフィスは長い廊下を隔てて南北に事務所が分かれており、フロアが異なると心理的な距離も生じるため、ちょっとした相談をすることが難しく、連携がうまく行かないなどの声があがっていました。
そのような中、社員みんなが一つの部屋で執務をすることでコミュニケーションの活性化を図ることができないか?という話になりました。
株式上場を目指すこのタイミングで、TESSグループが一丸となることが重要と考え、そこからオフィスリニューアルに踏み出しました。
「新しい仕事環境はフリーアドレス×キャンピングオフィス」1
Q:キャンピングオフィスとはどのようにして出会ったのですか?
今回のリニューアルで最も重要な目的は「コミュニケーションの活性化」でした。以前のオフィスは机が整然と並んだ昔ながらの“ザ・日本企業”という雰囲気でした。外回りの社員が多く、普段から空席が目立っていたので、この機にフリーアドレス化を進めてスペースを有効活用しながら、他部署との交流を促したいと考えたのです。
リニューアルにあたってはプロジェクトチームを結成し、十社以上のオフィスを見学させていただきました。その中にオカムラさんのショールームがあり、そこではスノーピークのテントがビジネスユースとして展示されていました。その時の印象としては、オフィスにテントなんてあり得ない…と思いましたが、その後PHONE APPLIさんのオフィス「CaMP」を訪れた時に、テントを設置したキャンプ空間が仕事環境に見事に溶け込んでいることに驚きました。実際に見て触れることで具体的なイメージが湧き、新しい内装デザインにはテントを設置することにしました。
「目的に応じて選択できる職場空間が、これからの会社には必要だと気づいた」
Q:何社かの内装提案からフロンティアコンサルティングさんのデザインを採用された理由は何ですか?
フロンティアコンサルティングさんから頂いたデザイン案には、目玉にしたいと思っていたキャンプエリアがレイアウトの真ん中に配置されており、その周りに8の字型の動線が作られ、自然に人と人との交流が生まれる形になっています。このデザイン案は他社にはなく工夫されていて面白いと思い、フロンティアコンサルティングさんを採用しました。
固く見られがちな「建設業」という業界において、フリーアドレスを採用して集中したいとき、リラックスしたいとき、グループワークしたいときなど、目的に応じた空間を一人ひとりが自由に選択して働けるというのは、見学に来られたお客様からも驚かれるとともに、高い評価を頂いております。エントランスからは大型の通電ガラス越しにオフィスの中を見て頂けるうえ、真正面に設置したテントはとてもインパクトがあるので、ご覧になった方の印象に残るオフィスになっているかと思います。
また、鳥の声や川のせせらぎが聞こえ、アロマで森の香りを感じ、遊び心があってリラックスできるスペースを設けて、いつもとは違う雰囲気で働ける環境を用意しました。
これから10年後20年後を見据えたときに、どういう人たちが中心となってこの先このオフィスで仕事をするのかを考えた結果、今の若い人たちが柔軟な発想で楽しく仕事が出来るようにと思い、このようなレイアウトを考えました。
「他の部署との垣根がなくなり、コミュニケーションが増えた」
Q:リニューアル後、オフィスはどのように活用されていますか?
当初の目的である「コミュニケーションの活性化」については十分達成出来たと思います。また、今回オフィス全体をリニューアルしたことにより、業務によって場所の使い分けができるようになりました。日々の業務は執務エリアにある個別ブースで行い、気軽に話したいという時にはキャンプエリア「BASE CAMP」を利用するケースが見られます。
始めこそBASE CAMPの使い方に戸惑っている様子も見られましたが、仲間とコミュニケーションがとりやすいのでランチなどでよく使われており、そのうちお昼以外の時間帯でも利用頻度が上がってきました。時間帯によって照明のトーンを変えて、リラックスした雰囲気を作るなどいろいろな仕掛けを取り入れています。
また、テントの中で仕事をしていると、そのまま流れで打合せが始まることもあります。個室感があるので話も弾み、議論も白熱しやすいのですが、布一枚なので会話が外に漏れていることには気をつけないといけません(笑)。
「新入社員研修でキャンピングオフィスの効果を実感」
Q:BASE CAMPが活用されたエピソードはありますか?
今年から新入社員研修でBASE CAMPを使っています。
今までは別フロアにある大きな会議室で研修を行っており、入社すぐは先輩社員とすれ違ったり会話したり関わる機会がほとんどありませんでした。そのため、新入社員は研修が終わって実務につき始めるまで働くイメージが湧きにくかったのです。
今年は、オフィスのど真ん中にあるBASE CAMPで研修を実施しました。ここは壁などの隔たりがないので、周りで働いている先輩社員が興味津々に覗きに来る様子が見られました。この空間はリラックスした雰囲気づくりもできますし、アウトドア用品は持ち運び前提で設計されているため、机や椅子の配置換えも簡単にできるので、グループワークもしやすく、とても活発な研修になりました。入社してから先輩の顔も早く覚えられ、自然と色々な部門の人と挨拶ができるようになっていました。
「次世代へのバトンをつなぐオフィスづくり」
Q:今後の展望などあればお聞かせください。
現在、TESSグループは更なる働き方改革を進めており、オフィスリニューアルだけでなく、他社さんの事例なども参考にしながら働き方そのものを見直しているところです。
一般的にテレワークが導入されると、おのずと出社人数は減り事務所を縮小していく企業は多いかと思います。そんな中でも、私たちは「出社したくなるオフィス」をコンセプトにオフィスをリニューアルしました。
これから活躍していく次世代の若い社員の意見やフレッシュな視点などを柔軟に受け入れつつ、今回のレイアウト変更にも表れていますが「何事にも挑戦していく風土」を大事にしながら、これからも益々成長していきたいと思います。
ー テスホールディングス様、取材のご協力ありがとうございました!