シリコーンゴムを基軸とする熱対策部品などを製造・販売している、富士高分子工業様。その製品は、自動車、民生・産業、通信機器など私たちの身の回りのあらゆる分野で活躍しています。
そんな同社の高品質のものづくりをサポートしているのが、スノーピークビジネスソリューションズの原料管理システム。今や現場になくてはならないシステムとして定着し、さらなる体制の強化やBCP対策を見据えた準備も進められています。
お客様:富士高分子工業株式会社様
愛知工場 製造部 生産2課 課長 野村様、リーダー 安藤様、総務部 情報システム課 課長 鬼頭 様
(担当:スノーピークビジネスソリューションズGIS事業部 塚本将太郎)
多様な分野を支える高品質の熱対策部品を世界中に
---富士高分子工業さんの事業概要を教えてください。
富士高分子工業は1978年の設立以来、主力製品「SARCON(サーコン)」をはじめ、主にシリコーンゴムを軸とした熱対策部品の製造・販売を手掛けてきました。ほかにも、電気接続部品、押出成形品、複合材料のハイブリッド製品など多彩な製品を世に送り出しています。
当社の製品は、民生機器から産業機器、通信、自動車まで幅広い分野で活用されており、便利で快適な社会を支えています。例えば、 パソコンやゲーム機などのデジタルデバイスに搭載されているICチップは、稼働時に高温の熱を発生させます。この熱を原因としたICチップの性能低下や不具合の発生を防ぐのが、私たちの熱対策部品の役割です。
自動車の自動化や通信機器の進化といった技術革新に伴い、年々、製品ニーズが高まり、グローバルに成長を続けています。現在は名古屋市に本社を、豊田市に工場を置きつつ、東京・大阪の営業所に加えてアメリカ、ヨーロッパ、アジアなど世界12か所に拠点を拡大。昨今はオランダにも新拠点を開設し、EU市場への進出にも力を入れています。また、各拠点でISO 9001や自動車産業向けIATF 16949認証を取得し、世界規模で品質向上と生産能力拡大に努めています。
ヒューマンエラー防止と記録管理の効率化を目指して
---システムの導入を検討された背景を教えてください。
弊社の製品製造では、原材料を定められたレシピに基づき練り上げる工程があります。従来は従業員がレシピを確認し、目視で原材料を計量し、釜に投入した上で、その記録を紙に手書きしてきました。しかし、この方法では、投入量や原材料の取り違えといったヒューマンエラー発生の可能性が避けられず、製品の品質に影響を及ぼすリスクを抱えていました。
さらに、手書きの記録の管理では品質疑義が発生した際に膨大な紙ファイルから原因を探し出す必要があり、調査に時間を要していました。一方で、従業員は常に目視確認と記録の負担を抱え、大きなプレッシャーの中で業務にあたらざるを得ませんでした。
こうした課題を解決するため、システムを導入することで、自動チェックによる作業ミスの防止、記録のデジタル化による業務効率の向上、そして従業員の負担軽減を図りたいと考えるようになったわけです。
現場環境に適したハンディターミナルの提案が決め手
---なぜ弊社のシステムを選ばれたのでしょうか?
システム導入を検討した際、最終的に2社の案に候補を絞りました。その中からスノーピークビジネスソリューションズ(以下SPBS)さんのシステムを選んだ理由としては、現場のニーズに合った「ハンディターミナル」を使用したシステム構築の提案をいただいたからです。
やはり、システムを実際に使用するのは現場の人間です。作業をしながら煩雑なことはできませんので、手軽で扱いやすいハンディターミナルは従業員にとって最適なデバイスだろうと判断しました。
また、当社の製造現場では粉状の原材料を多く扱うため、精密機器である一般的なパソコンを持ち込むと故障のリスクがありました。そのため、堅牢性の高いハンディターミナルが現場の環境にも適していました。
こうした判断のもと、2016年、SPBSさんのiSTARTER Kenpin STARTER (原料管理システム)を導入。通信状態の問題や機種の変更など、何かあればすぐにご対応いただき、現在まで大きな故障や不具合もなく、快適に使用させていただいています。
原材料の調合工程に欠かせないシステムとして定着
---現場でのシステムの使用方法と、導入後の効果を教えてください。
システムは、主に熱対策製品「SARCON」の原材料を調合する最初の工程で使用しています。具体的には、調合レシピが記載された指示書と原材料のバーコードを読み取り、指示内容と原材料を自動照合。もし違いがあればエラー表示で事前に誤投入を防ぐ仕組みになっています。また、原材料の分量も従業員の計量とシステムの判定による二重のチェックで、計り間違いを防ぐことができます。
導入前は誤投入の可能性が残されていましたが、導入後は、それがなくなりました。同時に、計量時の計算もシステムが自動で行うため、計算ミスも解消。手書きだった作業記録がデジタルデータとして自動保存されるようになり、問題の発生時も必要な情報をすぐに抽出できるようになりました。
また、従業員の負担軽減も大きな効果です。これまでは「間違えてはいけない」というプレッシャーの中で作業をしてきましたが、システムがチェックを担うことで精神的なストレスが大幅に軽減されました。例えるなら「シートベルトのように、使わないと不安。使うのが当たり前」と感じられるほど、今、このシステムは従業員の安心感を支える現場に不可欠の存在になっています。
事業継続性を見据えたシステム強化の取り組みを
---今後の課題と展望について教えてください。
まず、今後の課題として挙げられるのが、デジタルデータの保全です。作業記録のデジタルデータが何らかの理由で消失してしまうと、業務に支障をきたすリスクがあります。そのため、現在は30分~1時間ごとにバックアップを行っていますが、さらなる時間短縮や別サーバーへの移行なども検討しています。これにより、万一の際にも迅速に復旧できる体制を目指しています。
また、システム稼働に欠かせないPCやハンディターミナルの経年劣化による故障リスクに備え、ハードウェアの二重化や予備機の導入を進めています。当社はサプライチェーンの一端を担っているからこそ、BCP(事業継続計画)の観点からも、故障時のタイムロスをいかに短縮するかが重要な課題です。そのため万一メインの機器が故障しても、すぐに予備機に切り替えて生産を継続できる体制を構築しなければなりません。
これらの課題への取り組みは、既にSPBSさんとの間で一部が進行中ですが、今後もシステムの安定性を高め、より安心して業務に取り組める環境を構築していきたいと考えています。
---富士高分子工業様、取材のご協力ありがとうございました!

