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省力化から棚卸精度の向上へ、現場に寄り添いながらシステムを育てていく

三井金属ダイカスト株式会社様

省力化から棚卸精度の向上へ、現場に寄り添いながらシステムを育てていく

COMPANY INFORMATION

三井金属ダイカスト株式会社 icon_link

⼭梨県韮崎市⼤草町下條⻄割1200番地

自動車産業をはじめ多様な分野を支えているダイカスト製品。三井金属ダイカスト様は、70年前の創業以来、技術と品質を磨き続け、業界トップメーカーとしての実績を築きあげてきました。設計から流動解析、金型制作、鋳造、機械加工、表面処理まで自社で行える高度な一貫生産体制を備え、時代とともに変遷するニーズに応え続けています。

 

一方で、現場が常に抱えてきたのが棚卸精度の課題です。省力化を図りながら、いかに精度向上を目指すのか。現場に徹底的に寄り添って進められた製造実績収集システムの導入により、今、従業員の意識にも変化が起こりつつあります。

 

お客様:三井金属ダイカスト株式会社

営業統括部 生産管理部       土屋幸一様
企画統括部 企画部 ICTグループ 箭本竜馬様

 

(担当:スノーピークビジネスソリューションズGIS事業部 野々山尚樹)

自動車を支える高精度なダイカスト製品を製造

自動車を支える高精度なダイカスト製品を製造

---三井金属ダイカストさんの事業概要について教えてください。

 

三井金属ダイカストでは、主に自動車メーカー向けのダイカスト製品を製造・販売しています。ダイカストとは、溶けた金属を高速・高圧で金型に充填し成型を行う鋳造方法で、複雑な形状の鋳物を高い寸法精度で、かつ短時間に大量生産できることが特長です。

 

ダイカスト製品は、かつてはドアノブやタオルハンガー、電車の荷棚など生活のあらゆるシーンに使用されていました。その後、自動車のミラーやバンパーなど外装部品に、さらに、カメラやビデオの筐体、自動車のエンジンまわりなどに用いられるようになり、現在はハイブリッド車や電気自動車の部品として使用されています。最近は、部品点数削減のために一体成型で大型鋳造部品を作る技術、ギガキャストも注目を集めています。

 

そのほかにも、放熱用途のLEDヘッドランプ用ヒートシンクは業界トップクラスのシェアを獲得しています。

ハンディターミナルの利便性、発展性に期待

ハンディターミナルの利便性、発展性に期待

---弊社システムの導入を検討された経緯を教えてください。

 

最初は棚卸システムの件で、たまたまWEB広告で目にしたスノーピークビジネスソリューションズ(以下、SPBS)さんにお声をかけたんです。まだSPBSさんの前身、ハーティスさんの時代でしたね。また、ちょうど社内で基幹システム切り替えの話があり、これまでの手書きの伝票管理などの不効率な点を改善しようと、ハンディターミナルを使ったデータ入力についてご相談させていただいてからのお付き合いです。

 

弊社はそれまで、伝票に生産実績や納入日を手書きして、後でまとめてパソコンに入力していました。また、データベース管理ソフトを使って、独自にデータの加工や表示も行っていましたが、非常に非効率な作業で入力ミスも起きやすい状況でした。

 

そこで、基幹システム更新の機会に、こうした課題も解決したいと考えてSPBSさんのシステムに注目したんです。ハンディターミナルでQRコードを読み取ることで、品番や在庫データを取り込むことができ、QRに多くの情報を持たせれば人為的な入力ミスも減少する。これなら、より発展させた使い方ができるのではないかと思いました。

 

SPBSの担当者は基幹システムのこともよく理解されているし、こちらの悩みにも「そういうことってありますよね」と共感いただき、最初から非常に話が盛り上がった。弊社がこうしたいと思っていることを、よく汲んで考えてくれると感じたことも採用の決め手でした。

現場が慣れることを第一に、必要な機能に絞って設計

現場が慣れることを第一に、必要な機能に絞って設計

---システム導入にあたって配慮したところを教えてください。

 

システムは、現場の従業員が使いやすいことが一番大事です。

基幹システムが新しくなる上に、ハンディターミナルを初めて使用する人も多く、

これまでの運用から大きく変わることに対して当初は懸念がありました。そんなときに、SPBSさんから現場が大事だというお話をされ、まずは現場がきちんとハンディターミナルを使った運用に慣れ、システムが定着することに重きを置いて、第一段階は基本的な機能に絞りましょうとご提案をいただいた。そこで、まずは使い勝手を重視した設計となりました。

 

担当の方には何度も来訪いただき、一緒に現場を回りながら従業員の声を取り入れたり、操作の様子を見たりして、「次はこの画面に切り替えればわかりやすいのではないか」など、検討を重ねました。ポルトガル語を話す従業員が多いので、表示にポルトガル語を加えたり、数字を明示したりと理解のしやすさにも配慮し、使いやすい形に仕上げていきました。

 

このように弊社の要望や現場の生の声に応えながら、徐々に必要な機能を加えていくステップアップ方式で一緒にシステムを作っていったわけです。そして、現場の従業員が慣れた頃合いを見計らって、昨年、在庫精度の向上を目指してシステム改修を行いました。

リアルタイムでデータを反映、基幹システムとの照合も

---システムの導入・改修後、どのような効果がありましたか?

 

まず、これまで人に頼っていたかなりの部分を省力化できるようになりました。以前は回ってきた伝票を打ち込むまではデータとして取り込めず、時間のロスが生まれていましたが、今は入力したものがリアルタイムで、ほんの数秒後にデータに反映される。各工程の現場ですぐに情報を把握できるようになり、非常に便利になりました。

 

昨年のシステム改修では、もともと棚卸でカウントした現物の数がシステムの在庫数と合わないという問題があったため、それを解決しようと在庫精度の向上を目指しました。当初は生産実績の登録だけを実施していたのですが、受け払いを確実に行うために基幹システムの在庫数と照合して数が合っていれば登録、間違いがあればエラーと表示される機能を追加したんです。

 

改修前は登録数に差異があってもハンディターミナル上ではわからなかったのですが、今は現場ですぐに差異を把握できるようになりました。前工程の登録ができていないなど現場から声が上がるようになり、こうした問題を解決しようとする動きが現場側から出てくるなど、従業員の意識がより良い方向へ変化しつつあるのを感じています。

きめ細かなサポートにより、より良い選択が可能に

きめ細かなサポートにより、より良い選択が可能に

---SPBSとは長いおつき合いになりますが、どんな点を評価されますか。

 

実は、私たちはずっと自前で構築したものか既存のシステムを使って在庫管理してきたため、外部のシステム会社と密にやり取りするのはSPBSさんが初めてだったんです。システム導入後も、SPBSの皆様に棚卸の際に現場で通信状況をチェックしてもらったり、各工程の従業員に使い勝手を確認してもらったりと、実にきめ細かくサポートいただきました。こうした対応は弊社にとっては、必要不可欠だったと感じています。

 

SPBSさんは相談のたびに、「こんな方法もある」「あんな方法もある」と、いくつも選択肢を出してくれました。そして、どうすればベストかを一緒に考えながら、より良い選択をできたことが今につながっていると思います。何かあれば直接相談することができ、レスポンスが早いのも助かっています。

 

今回の棚卸精度の改善についても、一つずつ課題を見つけて解決しステップアップしていく方法を提案いただいています。今も成長途上のシステムだからこそ、これからもサポートをお願いしたいですね。

データの見える化を進め、全員で問題を共有・解決へ

データの見える化を進め、全員で問題を共有・解決へ

---今後の展望について教えてください。

 

現在、ICT化を積極的に進めている段階で、その一環としてハンディターミナルを上手に活用していきたいと考えています。具体的には、現在は収集したデータを基幹システム側に登録しているだけですが、BIツールを活用して登録実績を見やすく可視化したり、収集できる情報を増やすなど機能の拡張を進めていくつもりです。

 

見える化によって、全従業員がデータを即時閲覧できるようになれば、全員で問題点を共有できる。それが課題解決に有効に活用できるのではないかと期待しています。また、現場の従業員が都度データを見ることで、その場で柔軟に作業や人をシフトするなど生産の効率化につながる可能性もあります。システムの進化を契機に、現場の中で従業員が自発的に改善を進めるようになることが理想です。今後も現場の意見をくみ取りながら、SPBSさんと一緒により良いシステムへ育てていきたいと思っています。

 

---三井金属ダイカスト様、取材のご協力ありがとうございました!

 

>>GENBA改善システムについてはこちら

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