リコージャパン株式会社様は、企業の業務課題に対し「はたらく人の創造力を支える」デジタルソリューションを提供する企業です。全国48支社・341拠点(2025年4月時点)で地域に根差した事業を展開しています。さらに、ワークスタイル変革の実践空間「LiveOffice/ViCreA(Value innovation Creative Area)」を通じて、全国83拠点で自社の取り組みをお客様へ“体感価値”として届けています。
2025年6月、ViCreA岡崎は自然の環境の中で自らが考え、選択し、行動できるオフィス「OKAZAKI CAMP Office」をコンセプトにオープンしました。これは、スノーピークビジネスソリューションズが提唱する「キャンピングオフィス」のコンセプトを導入し、リコー独自のデジタル技術と融合させた新しい試みです。
「従業員が自然体で、自分らしく“はたらく”に歓びを感じられる場所を、自分たちの手でつくる」という強い意志から始まったこのプロジェクト。その背景と、組織にもたらした変化について伺いました。
お客様:リコージャパン株式会社
デジタルサービス営業本部 三河エリア営業部 岡崎営業所
所長 藤田 文将 様
(担当:スノーピークビジネスソリューションズ CAMPING OFFICE事業部 勝間 翔平)
創業精神を軸に進化し続ける、価値創造企業
---リコージャパンさんの会社概要を教えてください。
リコージャパンは2014年に販売・サービス・開発機能を統合し、ワンストップで価値提供できる体制へとシフトしました。創業者の三愛精神(人を愛し、国を愛し、務めを愛す)を基盤に、「お客様の先のお客様」まで価値を届けるカスタマーサクセス思考を全社で貫いています。
サステナビリティにおいても、日本企業の中でも早い段階からRE100へコミットするなど、社会と企業の持続可能性を自ら実践しています。その取り組みを、LiveOfficeの運営や発信にも活かしています。
キャンプ体験で気づいた「コミュニケーションの本質」
---今回のオフィスリニューアル、取り組みの出発点はどこにありましたか。
始まりは、メンバーとのキャンプ体験でした。上高地や岡崎でキャンプをした時、普段は見えない従業員の表情や言葉が自然にあふれ、いきいきとしていた姿に、「これが本来のコミュニケーションだ」と強く感じました。
私たちのビジョンには、「柔軟性・発想性・主体性」がポイントとしてあります。それらを“自然体”でいられる環境の力を借りて習慣化したい。キャンプで体感した開放的な空間なら実現できると確信しました。
営業部のスローガンは「挑戦を楽しむという境地へ」。そのためには、挑戦を受け止める“器”であるオフィスそのものを見直す必要があります。営業、サービス、ICT、業務と多様な職種がともに働く岡崎営業所では、屈託のない意見交換を重ねる中で「働き方を大きく変えてみよう」という合意形成に至りました。
自分たちでつくる「身構えなくていいオフィス」
---新オフィスに描いたイメージと、具体的な設計を教えてください。
スノーピークビジネスソリューションズ(以下、SPBS)さんでの本社オフィス見学の際に、“働くシーンに合わせて最適な場を選んで設計する”という場づくりに共感しました。焚火を囲むことで心理的距離の近いコミュニケーションが取りやすくなったり、テントやチェアといった設えの多様さが心身的なオンオフの切り替えに効いたりと、場を自分で選ぶことが主体性の自然な発揮につながると思います。
そのフレームを参照しながら、私たちが目指したのは自然とデジタルを融合させた「身構えなくていい事務所」です。緑視率を高め、アロマや照明で五感に働きかけることで、従来のオフィス特有の堅苦しさを徹底的に取り除きました。来訪されるお客様や他拠点のメンバーからも「話しやすい場だ」と好評です。お洒落さではなく、「居心地のしっくりくる空間」を重視しました。
キャンプのしぐさに置き換えた働き方を実践し、デジタルの力も“人が人らしく働くため”に使う――そんな思想で設計しています。
主体性の芽生えとチーム力向上がもたらした新しい成果
---導入後、働き方の変化や成果には、どのようなものがありましたか。
「働く場所を自分で選ぶ」という仕組みにしたことで、従業員全員が毎日「自分で考える」ようになりました。考える習慣が根づくと、発想やアイデアの質が確かに上がっていきます。そして、フラットな空気の中では、シビアな話題でも角が立ちにくい。上司と部下の関係性を越えた「全員でやるしかない」という会話が自然と生まれるようになりました。
特に変化を感じるのはチームワークです。案件が複雑化する現代、営業の個人プレーには限界があります。このオフィスでは話し合いが日常化し、リーダー不在でもチームが安心感を持って自走していくシーンが増えました。職種を越えたねぎらいや情報交換が活発になり、生産性の向上を肌で感じています。
また、ES(従業員満足度)向上の取り組みとして当営業所が選ばれ、他拠点からの見学やオフィス体感の企画が継続しています。アンケートでも「こういう事務所で働いてみたい」という声が多く、数字に追われがちな営業やマネジメント層にとっても“内省できる余白”があることは大きいです。自分の鎧を脱げる、オンオフを切り替えられる――その感覚を、オフィス空間が支えてくれていると感じます。
オフィスは文化を育てる「土壌」として進化させ続けるもの
---経営視点での評価と、今後の展望を教えてください。
従来の「新しい什器を入れればいい」という発想ではなく、従業員自らが「どう働きたいか」を考え、つくるプロセス自体が大きな価値だったと感じています。
今では社内だけでなくお客様の見学時にも、「こういう場所で働きたい」という声が多く寄せられています。保守的な文化が残るエリアだからこそ、私たちが先駆者となり、次世代の経営者が“働き方を変える勇気”を持てる場を提供していきたい。
オフィスは単なる箱ではなく、人の行動を変える「仕組み」であり、文化を育てる「土壌」です。固定観念を外した先にこそ、“はたらく”歓びと経済成長が両立する未来があると考えています。正解のない多様性の時代に、自ら思考して協働するオフィス文化を醸成することで、持続可能な働き方を体現し、真に豊かな社会に向けてアップデートし続ける場を共創していきます。

