職場の人間関係の悩みは、意識や我慢だけでは、なかなか根本的に解決できません。
日々のコミュニケーションのすれ違いは、個人の性格や努力だけでなく、人と人との「関係性」そのものに原因があることも少なくありません。
この記事では、職場の人間関係が悪化する背景にある「関係の質」に着目し、対話や協働体験、働く環境から関係性を高めていく方法を、事例とともに紹介します。
職場の人間関係の悩みは、意識や我慢だけでは、なかなか根本的に解決できません。
日々のコミュニケーションのすれ違いは、個人の性格や努力だけでなく、人と人との「関係性」そのものに原因があることも少なくありません。
この記事では、職場の人間関係が悪化する背景にある「関係の質」に着目し、対話や協働体験、働く環境から関係性を高めていく方法を、事例とともに紹介します。
「同僚とどう接すればいいかわからない」
「会議では、なぜか本音の意見が出てこない」
「部署間に、なんとなく壁を感じる」
——そんな悩みを抱えていませんか。
一日の大半を過ごす職場だからこそ、人間関係の悩みは仕事への意欲やパフォーマンスだけでなく、心身の負担につながることもあります。
こうした悩みやストレスの背景には、コミュニケーションのすれ違いや価値観の違い、役割や責任の分担など、職場での人と人との関わり方が影響していることがあります。
上司と部下、同僚、部署など、多様な立場の人が関わる職場では、人間関係の悩みが生まれるきっかけもさまざまです。
職場の人間関係がストレスにつながるケースは、少なくありません。厚生労働省の調査からも、仕事や職業生活におけるストレスの内容として「対人関係」が挙げられています。
厚生労働省「令和7年 労働安全衛生調査」によると、現在の仕事や職業生活に強いストレスを感じている労働者は67.5%。そのストレスの主な内容として、「対人関係(セクハラ・パワハラを含む)」を挙げた人は32.9%にのぼります。※1
職場の人間関係は、個人の感じ方だけではなく、多くの働く人が抱えている職場課題の一つといえます。
「制度は整えているのに、チームがまとまらない」「メンバー同士は悪い人ではないのに、どこかぎくしゃくしている」。
職場の人間関係が悪化する原因は、個人の性格や相性だけではありません。コミュニケーションや相互理解が不足していたり、立場や役割の違いなど、組織の中で人と人が関わる仕組みそのものが影響することがあります。
こうした職場の人間関係や組織の状態を考えるうえで、参考になる考え方があります。それが、組織の「関係の質」「思考の質」「行動の質」「結果の質」のつながりに着目した「成功循環モデル」です。
このモデルは、マサチューセッツ工科大学(MIT)のダニエル・キム氏が提唱したもので、組織の成果だけを見るのではなく、人と人との関係性からどのように考え、行動し、結果につながっていくのかを捉える考え方です。
このモデルではまず、関係の質を高めることから始めることで、お互いを理解・尊重する姿勢が生まれ、自発的な思考や行動、協力し合う関係につながる好循環が生まれると考えられています。
つまり、職場の人間関係を改善するには、個人の性格やコミュニケーションスキルに加えて、人と人との信頼関係や相互理解が生まれる環境にも目を向けることが重要となります。
「関係の質」について詳しく知りたい方は、(「関係の質」が組織を変える。心理的安全性だけでは足りない理由)をご覧ください。
職場の人間関係によるストレスが続くと、心身や仕事上の行動にも影響することがあります。
精神面では、気分の落ち込みや意欲・集中力の低下などを感じることがあります。身体面でも、頭痛や肩こり、睡眠の質の低下などにつながる場合があります。
また、仕事上のミスが増えたり、周囲とのコミュニケーションを避けたりするなど、行動の変化につながる場合もあります。
人間関係のストレスが続くと、「職場に行くのがつらい」「人と話すことに疲れる」と感じることもあります。
職場の人間関係を改善するために、個人でもできることもあります。
たとえば、相手の話を最後まで聞く、感謝やねぎらいを言葉にする、気づいたことを素早く共有するなど、日々の小さなコミュニケーションを意識することです。
苦手な相手であっても、無理に仲良くなる必要はありません。仕事に必要な情報を伝え合い、相手の考えを理解しようとするだけでも、関係性が変わるきっかけになります。
ただし、職場の人間関係は一人の努力だけで変えられるものではありません。個人の心がけに加えて、自然に対話や協力が生まれる環境をつくることも大切です。
関係性は一人の意識だけで変えることはできません。組織として関係の質を高めるには、次の3つの視点が役立ちます。
1.対話の機会
業務上の会議や連絡だけでは、相手の考え方や価値観を知る機会は限られます。役職や立場から少し離れて話せる場があることで、普段は出にくい意見や本音を共有しやすくなります。
こうした対話の機会は、「こんなことを言っても大丈夫」と思えるような、心理的安全性を育てるうえでも役立つ要素の一つです。このような関係があれば、疑問やアイデアを伝えやすくなり、職場のコミュニケーションも変わっていきます。
心理的安全性については(心理的安全性のつくり方|意識だけでなく、「場」から変える)の記事にて、詳しく説明しています。
2.協働体験
共に考え、動いて、何かを成し遂げる体験は、普段の仕事だけでは見えない相手の一面を知るきっかけになります。
特に、日常の役割や立場から少し離れた環境では、普段とは異なるコミュニケーションが生まれることもあります。
3.環境
顔を合わせやすい動線や、自然と会話が生まれる空間など、働く環境もコミュニケーションを支える要素です。
「対話」「協働体験」「環境」。この3つを組み合わせることで、対話や協働の機会をその場限りで終わらせず、関係の質が良好な組織へと継続的につなげていくことができます。
トヨタグループのITを担う同社のPLM(Product Lifecycle Management)活用改革部では、約50名のメンバーが6~12名のグループ単位で、協力会社のメンバーとともに業務を進めていました。
個々のコミュニケーションに大きな問題はなかったものの、「チームの風通しが悪い」「業務の分担によって、それぞれの担当に線引きが生まれ、互いに協力しにくい」といった課題があり、部門を超えてもっと協力し合える組織にしたいという意識が生まれていました。
自然の中で行うアウトドア研修を取り入れ、焚火を囲み、これまでの歩みや影響を受けた人物について、本音で語り合いました。
普段の職場では知る機会の少ない、お互いの考え方や人柄に触れることで、参加者同士が相手をより身近に感じるきっかけとなりました。
「外から見ていた印象と違う」「ここなら大丈夫だと感じた」といった声も聞かれ、メンバーに対するそれまでの印象が変わるきっかけにもなったようです。
研修後には、上司から声をかけやすくなったり、メンバーからも気づいたことを気軽に報告してくれるようになったりするなど、日常のコミュニケーションにも変化が見られました。
アウトドア研修の取り組みの背景や詳細については、「心の対話が、コミュニケーションを変える、チームをまとめる」の記事にて紹介しています。
個人の性格や相性だけでなく、コミュニケーション不足や役割、立場の違いなど、組織内の「関係の質」が低下していることも原因の一つです。目先の成果を急ぐあまり指示や管理が強まると、対話や協力が減り、信頼関係を築きにくくなることがあります。
個人の心がけも大切ですが、一人だけの努力には限界があります。職場の人間関係を改善するには、対話の機会、協働体験、環境という3つの側面から、組織として関係性を育てることが重要です。
まずは、役職や立場を気にせず話せるような対話の機会をつくることから始めるとよいでしょう。そのうえで、協働体験やコミュニケーションが生まれやすい職場環境を組み合わせることで、信頼関係を育てていくことができます。
職場の人間関係の悩みは、個人の性格や努力だけでは解決できない場合があります。
その背景には、組織内の「関係の質」があります。関係の質が高まれば、お互いを理解し尊重する姿勢が生まれ、思考や行動、そして成果にも好循環が生まれます。
そのためには、対話の機会、協働体験、環境という3つの側面から、人と人との関係性を育てていくことが重要です。
普段の職場とは少し離れた環境で、焚火を囲んで語り合う。そんな時間が、職場では見えにくかった相手の一面を知り、良好なコミュニケーションを生み出すきっかけになることもあります。
スノーピークビジネスソリューションズでは、自然の中での対話や協働体験を通じて、組織の関係性を育てるアウトドア研修を提供しています。
また、日常の働く環境から関係性を見直すオフィス空間デザインや、自然の中で会議を行うオフサイトミーティングなど、目的に合わせた取り組みも可能です。
職場の人間関係を個人だけの課題として捉えるのではなく、組織の関係性を育てるという視点から検討していきたいという方は、いつでもご相談ください。
▼ アウトドア研修について詳しく見る
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※1「厚生労働省「令和7年 労働安全衛生調査(実態調査)結果の概要」
厚生労働省公式ページ