お問い合わせ・資料
7分で読了

1on1で話すこと、本音が出るのは『場』と日常から。

1on1で話すこと、本音が出るのは『場』と日常から。

1on1で話すことが決まらない。テーマや質問例は調べたのに、いざ始めると近況報告や進捗確認で終わってしまう。そんな悩みを抱える管理職の方は少なくないのではないでしょうか。

実際、1on1を実施していても、部下が本音を話せているとは限りません。サーモス株式会社の調査では、1on1で本音を話せると思わない部下が50.3%に上りました(※1)。

本音を引き出すために必要なのは、質問のバリエーションを増やすことだけではありません。日頃の関係性や、安心して話せる「場」も大切な要素です。

この記事では、1on1で話すことの目的別テーマと質問例を紹介するとともに、本音で話せない理由や、日常の関係性づくり、話しやすい「場」を整えるヒントを解説します。

1on1で話すこととは?目的と評価面談との違い

1on1で話すこととは、上司と部下が1対1で行う定期的な対話の中で扱う、部下の成長や状態に関わる話題のことです。

目的は、部下の成長を支援することと、上司と部下の信頼関係を築くことです。進捗確認を中心とした会議とは異なり、仕事の悩みからキャリアまで、幅広いテーマを扱うことが多いです。

混同されやすい評価面談とは、主な目的が異なります。 
 

  • ・ 1on1: 部下の成長支援と信頼関係づくりが中心。
     

  • ・ 評価面談: 業績や目標の達成度、評価・処遇などの確認が中心。


もちろん、1on1でも目標や成果を振り返ることはあります。大切なのは、評価のための判断と切り分け、部下本人の気づきや今後の成長に焦点を当てることです。

パーソル総合研究所の調査では、部下がその日のテーマを決めている1on1ほど、部下の成長度が高い傾向が見られました(※2)。話題は、部下が話したいことから始める。そう捉えておくと、1on1の組み立て方も変わります。

では、具体的に何を話せばよいのでしょうか。

1on1で話すこと|目的別テーマと質問例5つ

部下が話したいことから始めるのが基本ですが、話題が出てこないときのために、5つのテーマと質問例を用意しておくと安心です。

① 近況・雑談|緊張をほぐす

  • 質問例:「最近、仕事で気になっていることはありますか?」「最近うれしかったことは何ですか?」

  • ポイント: 話したくない様子があれば無理に深掘りせず、相手の反応を見ながら話題を選びます。


② コンディション(心身の状態)|負荷に早く気づく

  • 質問例:「最近の業務量はどう感じていますか?」「仕事と休息のバランスは取れていますか?」

  • ポイント: 定期的に状態を確認します。答えにくいことは無理に聞き出さず、話せる範囲で答えてもらいましょう。


③ 業務の課題|悩みや困りごとを把握する

  • 質問例:「今、一番引っかかっていることは何ですか?」「サポートが必要なことはありますか?」

  • ポイント: すぐに解決策を提示するのではなく、まずは話を最後まで聞きます。


④ 目標・成長|学びを言葉にする

  • 質問例:「最近うまくいったことと、その理由は何ですか?」「次に試してみたいことはありますか?」

  • ポイント: 評価のための判断とは切り分け、本人の行動や気づき、今後の成長に焦点を当てます。


⑤ キャリア・価値観|意欲の源泉を知る

  • 質問例:「どんなときに、やりがいを感じますか?」「これから身につけたいスキルはありますか?」

  • ポイント: 答えが漠然としていても急かさず、一緒に考えます。キャリアについて話す準備ができていない場合は、別の機会にしても構いません。


プライベートな話題や、政治・宗教などの個人的な価値観に関わる話題は、相手が話したいと感じているかを確認しながら扱いましょう。無理に聞き出す必要はありません。ただ、質問を用意しても、本音が出てこないことはあります。

なぜ1on1で本音が話せないのか|話題より「いつもの関係性」

サーモス株式会社の調査では、1on1で本音を話せると思わない人は、上司で34.7%、部下で50.3%でした(※1)。

また、普段から本音を言えていない人に限ると、上司の71.0%、部下の83.7%が、1on1でも本音を話せるとは思わないと回答しています。1on1の時間を設けるだけでなく、日頃から信頼関係を築くことが大切だとうかがえます。

パーソル総合研究所の調査でも、1on1で「上司が本音を話してくれている」と部下が感じることが、部下の成長と最も強く関連していました(※2)。

本音を話せるかどうかは、心理的安全性とも関わります。心理的安全性とは、自分の意見や懸念、失敗などを共有しても、対人関係上のリスクを過度に恐れずにいられる状態のことです(※3)。Googleのチーム研究「Project Aristotle」でも、心理的安全性はチームの有効性に関わる重要な要素として示されています(※4)。

本音を話しやすい1on1は、その時間だけでつくれるものではありません。日頃の声かけや配慮といった「いつもの関係性」と、安心して話せる「場」が土台になります。

本音を話せない状態が続くと、小さな違和感や不満が上司に伝わらず、働き続けることへの迷いにつながる場合もあります。
日頃の関係性が離職防止にどう役立つのかは、(離職防止に役立つ、関係性づくり。)で詳しく解説しています。

では、日頃の関係性は、どうつくればよいのでしょうか。 
 

本音を引き出す話し方と、1on1以外の日常習慣

1on1の中でできる3つの話し方

  • 上司が先に自己開示する:
    上司が自分の考えや迷いを適度に共有すると、部下も話しやすくなることがあります。最近の失敗談や仕事上の迷いを、無理のない範囲で話してみましょう。
     

  • 具体的なエピソードを聞く:
    「先日の会議はどうでしたか?」と聞くだけでなく、「あの場面で、どう感じましたか?」と尋ねると、相手の受け止め方を具体的に理解しやすくなります。
     

  • 部下の話す時間を確保する:
    パーソル総合研究所の調査では、部下の話す割合が高い1on1ほど、部下の成長度が高い傾向が見られました(※2)。上司は聞く側に回り、部下が自分の考えを整理できるように問いかけましょう。

日常でできる3つの習慣

  • 日頃から配慮を示す:
    部下のアイデアを尊重する、業務の進み具合を確認する、必要に応じて励ます。こうした日頃のマネジメント行動も、部下の成長と関連しています(※2)。
     

  • 前回の続きから始める:
    話した内容を必要な範囲で記録し、次回は「前回の○○は、その後どうなりましたか?」と切り出します。記録する内容や共有範囲には配慮しましょう。 
     

  • 1on1以外の短い雑談を増やす:
    すれ違いざまの一言や休憩中の会話など、日常のちょっとしたやり取りも関係性づくりのきっかけになります。


ただ、関係性は、一人ひとりの心がけだけで築くものではありません。どこで話すかという「場」も、話しやすさを支える要素の一つです。 

本音で話せる「場」をつくる|会議室だけが1on1の場所ではない

本音で話せる「場」をつくる|会議室だけが1on1の場所ではない

1on1というと、会議室で向かい合って行うことが多いかもしれません。ただ、相手や状況によっては、面談や評価の場のように感じられ、身構えてしまうこともあります。そんなときは、質問の仕方だけでなく、話す場所を見直してみるのも一案です。

気軽に話せる場所があれば、ちょっとした相談のきっかけが生まれることもあります。ただし、環境を変えるだけで心理的安全性が高まるわけではありません。前章で紹介した話し方や日頃の関係性づくりとあわせて考えることが大切です。

スノーピークビジネスソリューションズが提案する「キャンピングオフィス」では、キャンプ用品や植栽などを組み合わせ、リラックスして過ごせるオフィス空間をデザインしています。たとえば、焚火台を囲む「焚火サイト」は、ローチェアに座ってくつろぎながら会話できる空間です。雑談や気軽な相談のきっかけをつくる場として、1on1にも活用できます。

大がかりな改修をしなくても、小さな工夫から始められます。
 

  • 会議室以外の場所を選ぶ:
    ラウンジや窓際など、落ち着いて話せる場所を使い、相手の希望も確認しながら斜めや横並びで座ります。
     

  • 緑や自然光を取り入れる:
    観葉植物や自然光のある場所など、過ごしやすい環境を整えることも一つの方法です。
     

  • 屋外やオフィスの外で行う:
    普段とは違う場所で話すことで、いつもとは異なる話題が生まれることもあります。


場から心理的安全性を考える視点は、(心理的安全性のつくり方|意識だけでなく、「場」から変える)や、(VUCAからBANIへ——心理的安全性は「場」からつくれる)の記事でも紹介しています。

事例紹介|オフィス環境から対話を後押し

パナソニック エナジー株式会社様 「Crazy&Coolなオフィスで、型破りな発想を生み出せ」

ここまで紹介した「場からのアプローチ」を実践しているオフィス空間デザインの事例として、パナソニック エナジー株式会社様の導入事例を紹介します。

同社では、人員の増加を機に、年齢・性別・所属の異なる社員が集まる「オフィス改革委員会」を立ち上げ、「森」をテーマにオフィスを刷新しました。中心には、スノーピーク製品を使ったコミュニケーションスペースを設けています。

なかでも象徴的なのが、座敷スタイルで過ごせるテント「ラウンジシェル」です。通常の会議に加え、上司と1対1で話す場面や、社長との対談にも好んで使われています。ほどよい開放感と、やわらかく包まれるような空間が、リラックスして対話できる環境づくりに役立っています。

導入後は、社員同士の会話が明らかに増えたといいます。以前は席が決まっていて、相談したくても話しかけづらい雰囲気があったそうですが、自由に場所を選べるようになり、コミュニケーションが取りやすくなりました。

この事例から見えてくるのは、「もっと話そう」と呼びかけるだけでなく、話しやすい場を用意することの大切さです。

詳細については、(Crazy&Coolなオフィスで、型破りな発想を生み出せ)の記事で紹介していますので、ぜひご覧ください。

よくある質問

Q. 1on1で話すことがないときは、どうすればよいですか?

近況やコンディション、業務の課題といった定番のテーマから始めましょう。部下に話したいテーマを挙げてもらうのも一案です。話題が出てこない状態が続くなら、質問の仕方だけでなく、日頃の関係性や話す環境を見直すきっかけにもなります。

Q. 1on1の頻度と時間の目安はありますか?

パーソル総合研究所の調査では、月2〜3回以上、1回あたり30分以上1時間未満の1on1で、部下の成長度が最も高く、10点満点中7.4点でした。一方、同じ頻度で1回1時間以上の場合は6.0点でした(※2)。
ただし、これは調査で見られた傾向であり、適切な頻度や時間は、業務内容や本人の状況によって異なりますので、長さだけを重視せず、無理なく継続できる時間を設定しましょう。

Q. 雑談だけで終わってもよいですか?

雑談も、相手を知り、話しやすい関係をつくるきっかけになります。毎回、必ず仕事の課題や目標を話さなければならないわけではありません。ただし、業務上の困りごとや成長について話す機会が不足しているなら、本人の希望を確認しながら、少しずつテーマを広げてみるのも良いでしょう。

まとめ

1on1で話すことは、目的別のテーマを押さえたうえで、部下が話したいことから始めるのが基本です。ただ、本音は質問の工夫だけで引き出せるものではありません。

日頃の配慮や、前回の続きから始める習慣といった「いつもの関係性」に加え、話しやすい「場」が対話を支えます。

まずは次の1on1で、部下が話しやすい場所や、話したいテーマを尋ねることから始めてみてはいかがでしょうか。

話しやすい「場」づくりをご検討の方は、ぜひご相談ください

話しやすい「場」づくりをご検討の方は、ぜひご相談ください

スノーピークビジネスソリューションズでは、1on1やチームのコミュニケーションが活発になる環境づくりについて、組織の状況に合わせたご相談を承っています。オフィス空間デザインやアウトドア研修など、貴社の状態に合わせたご支援内容については、お気軽にお問い合わせください。

▼ オフィス空間デザインの詳細はこちら



▼ 資料をダウンロードする

お問い合わせはこちらから

参考文献

  • ※3 Edmondson, A. C.「Psychological Safety and Learning Behavior in Work Teams」(Administrative Science Quarterly, 1999)
     

 

この記事をシェア
お役立ち資料 お問い合わせ