評価面談のあと、メンバーの口数が減った気がする。そんな小さな変化に、離職の引き金が隠れていることがあります。
離職は、ある日突然起こるものではありません。評価に納得できない気持ち、それを誰にも言えないまま抱え込む時間、そして離職の検討へ。小さな引き金が重なって、少しずつ進んでいきます。
この記事では、離職防止の施策を「引き金」と「進み方」から整理し、段階ごとに打てる手を紹介します。あわせて、納得できない気持ちを一人で抱え込まないための「関係性づくり」の進め方と、アウトドア研修の事例も取り上げます。
評価への納得感は、離職を検討する理由の一つとして挙げられています。ただし、結果は調査の対象や設問によって変わるため、「評価だけが原因」とは言えません。
離職防止に役立つ、関係性づくり。
離職検討の引き金
離職検討の理由で最も多かったのは、評価への納得感
セレクションアンドバリエーション株式会社の調査(2026年5月、全国の正社員500名、インターネット調査)※1では、次の結果が示されています。
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・直近1年以内に離職を検討した人:42.4%でした。
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・離職検討の理由:評価に納得できないことが38.7%で最も多く、給与水準への不満(31.6%)、労働時間の長さ(14.2%)が続きました。
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・面談との関連:評価フィードバック面談を受けていない人の離職意向は48.6%、30分以上の面談を受けた人では17.8%でした。
面談の有無と離職意向に関連がみられたというデータであり、面談をすれば離職が減るとまでは言い切れません。ただ、評価の結果そのものだけでなく、「説明を受けたかどうか」が関わっている可能性を示しています。
若年者では、労働条件が離職理由として最も多い
一方、厚生労働省の若年者雇用実態調査(2023年)※2では、初めて勤務した会社をやめた理由として、労働時間・休日・休暇の条件への不満が最も多くなりました(28.5%、3つまでの複数回答)。
評価への納得感は、離職を検討する理由の一つとして挙げられています。同時に、労働条件や給与も影響するため、施策は原因ごとに組み合わせて考える必要があります。
評価から離職検討へ|進む4段階
離職は、評価に納得できない気持ちをきっかけに、段階を踏んで進むことがあります。ここでは次の4段階で整理します。段階ごとに打てる手が違うため、どこで気づけるかが分かれ目になります。
① 納得できない(引き金)
評価の結果や理由が腹落ちせず、「なぜこの評価なのか」という疑問が生まれる段階です。この時点では、まだ離職を考えているとは限りません。
② 言えずに抱え込む
疑問や不満を、上司や同僚に伝えにくい段階です。波風を立てたくないといった気持ちから、一人で抱え込みやすくなります。退職を決めた人が本当の理由を伝えないケースもあるとされています※3。
③ サインが出る
発言や雑談が減るなど、周囲から見ても変化が感じられることがあります。ただし、体調や家庭の事情など、離職とは関係のない理由で同じ様子になることもあるため、決めつけずに、まず話を聞くことが大切です。
④ 決断する
退職の意思が固まり、申し出る段階です。この段階では引き止めが難しいうえ、本当の理由が語られないこともあります。
だからこそ、①②の初期段階で変化に気づけるよう、日頃からの関係性づくりが大切です。次の章では、段階ごとの施策を整理します。
関係性づくりで「抱え込み」を防ぐ|施策の一つとしてのアウトドア研修
納得できない気持ちがあっても、気軽に話せる相手がいれば、一人で抱え込みにくくなります。関係性づくりは、②の「抱え込む段階」で相談しやすい環境をつくる施策の一つです。
関係性づくりは「日常・節目・場」の3層で考える
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・日常(1on1、フィードバック、メンター):続けやすい一方で、上司との関係や担当者の力量に左右されます。
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・節目(研修、オフサイトミーティング):異動や評価面談後など、環境が変わるタイミングに合わせて実施できます。単発で終わらないよう、職場でのフォローが必要です。
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・場(オフィス空間):自然な会話が生まれやすい環境を、日常の働く場に組み込めます。効果が出るまでに時間がかかることがあります。
どれか一つで足りるわけではありません。日常で積み重ね、節目で関係を更新し、場で支えるという組み合わせが現実的です。
関係性づくりの施策の一つとしてのアウトドア研修
例えば、評価面談後の1〜2か月の間に、評価の場とは切り離して、本音で話せる機会を設ける方法があります。評価の話題から離れ、立場を超えて話せる機会が、日頃は言い出しにくい思いを話すきっかけになることもあります。
スノーピークビジネスソリューションズと、慶應義塾大学名誉教授の前野隆司教授の協力を得て行った共同研究では、屋内会議とアウトドア会議を比べたアンケートで、アウトドア会議では次の結果が示されました。
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・主体性:主体的に参加できている 73%
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・関係性:チームの一員だと感じる 77%
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・創造性:発想が広がる 61%
いずれの項目も、アウトドア会議の回答割合が屋内会議を上回りました。ただし、屋外なら必ず効果が得られるという意味ではありません。
共同研究の調査方法や結果の詳細は、(幸福学の前野教授も驚いたアウトドア会議の効果)の記事で紹介しています。
事例紹介|新たな一歩に寄り添い、つながりを育むアウトドア研修
島根トヨタグループ様 導入事例
島根トヨタグループ様では、2025年4月に入社した営業職の新入社員を中心に、配属拠点でのチームビルディングと、拠点間の関係づくりを目的として、島根県のキャンプ場でアウトドア研修を実施しました。
参加者は、複数拠点の新入社員に加え、配属先の先輩社員や部門長を含む約50名です。屋外でのワークショップやテント設営を通じて、参加者同士のコミュニケーションと相互理解が進み、今後のチームビルディングにつながる機会となりました。
入社直後の新入社員が、配属先の先輩や部門長と、研修の場で顔を合わせて話せる関係を築いた事例です。
具体的な研修内容は、(新たな一歩に寄り添い、つながりを育むアウトドア研修)の事例記事で紹介しています。
よくある質問
Q. 評価への不満は、離職に直結しますか?
直結するとは言い切れません。評価に納得できないことを理由に離職を検討する人が多いという調査はありますが、労働条件や給与も離職を検討する理由として挙げられています。評価だけで判断せず、原因ごとに施策を組み合わせて考えましょう。※1 ※2
Q. 評価面談を増やせば、離職は減りますか?
調査では、面談の時間と離職意向に関連がみられましたが、面談で離職が減ると断定はできません。回数を増やすだけでなく、評価の理由を具体的に伝え、本人の考えも聞く内容にすることが大切です。※1
Q. 研修の効果は、どのように確かめればよいですか?
研修後にアンケートや報告書で変化を確認し、1on1やチームミーティングなど、職場でのフォローにつなげます。離職率は結果が出るまでに時間がかかるため、相談しやすさなどのアンケート項目と合わせて、継続的に見ることをおすすめします。
まとめ|離職防止は、関係性づくりから
離職は、評価への納得できない気持ちなどの引き金から、抱え込み、サイン、決断へと段階を踏んで進むことがあります。評価への納得感は離職を検討する理由の一つですが、労働条件や給与も影響するため、段階ごとの施策を組み合わせることが大切です。
そのなかで関係性づくりは、納得できない気持ちを一人で抱え込まず、早めに話せる土台になります。日常の対話、節目の研修、会話が生まれる場を組み合わせて、評価の運用や条件・制度の見直しと並行して進めましょう。
アウトドア研修や、オフィス空間を会話や交流が生まれる場として活用することも、関係性を育てる選択肢の一つです。
資料請求やご相談も承っていますので、お気軽にご相談ください。
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参考文献
※1 セレクションアンドバリエーション株式会社「【働く人の本音調査2026 #1】離職検討と人事評価に関する意識調査」2026年6月15日
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000274.000083936.html
※2 厚生労働省「令和5年若年者雇用実態調査」2024年9月公表
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/4-21c-jyakunenkoyou-r05.html
※3 doda人事ジャーナル「離職防止の効果的な13の対策|離職率を下げた企業の成功事例も解説」
https://www.dodadsj.com/content/240329_rishoku-boshi/

