テレワークの導入やリモートワークの定着が進む中、人事部門は「社員エンゲージメントの維持・向上」という新たな課題に直面しています。社内コミュニケーションが希薄になり、部門間の連携や組織全体の一体感が薄れがちな状況をどのように改善するか。本記事では、DXの推進や組織づくりについて、人事の視点から、Microsoft 365(以下M365)を活用して社員のモチベーションを高めるための具体的な3つの施策をご紹介します。
人事×DXの始め方
Microsoft 365で社員エンゲージメントを高める3つの施策

01.リモートワーク時代における「コミュニケーション不足」の問題
リモートワークやハイブリッドワークを導入した企業では、「コミュニケーション不足」が深刻化しているケースが少なくありません。会議や雑談の機会が減り、オンラインツールも増えた結果、どのツールで何を共有するかが曖昧になって情報が分散しがちです。さらに、紙ベースの業務からデジタル化を進める過程で「うちの部門はこのツール、あちらの部門は別のツール」といった“個別最適”が広がり、業務プロセスがかえって複雑になっている場合もあります。
こうした状況が続くと、社員同士のやり取りがスムーズに行えず、プロジェクトの進捗やノウハウ共有が停滞します。人事担当者としては、社内アンケートを取って改善の糸口を探したいところですが、実施してもその結果を各部門に落とし込んで運用するまでには至らないケースが多いのも事実です。結果として、従業員のエンゲージメントが低下し、最終的には人材の流出や業務効率の悪化というリスクが生じる可能性があります。
02.放置すると危険な“DX疲れ”のリスク
デジタルトランスフォーメーション(DX)の重要性が高まる中、各企業がITツールの導入を急速に進めています。しかし、IT部門との連携やプロジェクトマネジメントの経験が少ない人事担当者がDX推進を任されると、どのツールを、どのように導入・運用すべきか迷いがちです。また、企業には変化に抵抗を示す社員も一定数おり、新しいシステムにストレスを感じて「DX疲れ」を起こす可能性もあります。
このDX疲れを放置すると、以下のような不利益が生じる恐れがあります。
- 生産性の低下:ツールが乱立し、かえって業務が複雑化する
- 社員エンゲージメントの低下:頻繁なシステム変更に対する不満や抵抗感が高まる
- 帰属意識の希薄化:リモートワークが進むほど、組織の一体感が感じられなくなる
人事部門としては、こうしたリスクを回避するために、「導入するツールの選定基準」「社員を巻き込む段階的なDX計画」「導入後の運用サポート」など、総合的なアプローチが不可欠です。
03.Microsoft 365で解決! 社員エンゲージメントを高める3つの施策
そこで注目したいのが、クラウドベースでコミュニケーション、情報共有、セキュリティ管理などを包括的にサポートするMicrosoft 365です。以下では、M365を活用して社員エンゲージメントを高める具体的な3つの施策を見ていきましょう。
(1)コミュニケーションハブとしてのTeams活用
M365に含まれるTeamsは、ビデオ会議やチャット、ファイル共有が一元化できるコミュニケーションハブです。従来、メールや別のメッセンジャーツールを使い分けていた企業でも、Teamsに集約することで業務効率を高められます。また、オンライン会議だけでなく、部門横断の「チャネル」を作成すれば、部署を超えたノウハウ共有や雑談の場として活用可能です。社内コミュニケーションの活性化につながり、社員同士の帰属意識を強める効果が期待できます。
(2)Microsoft Vivaによる従業員エンゲージメントの向上
M365の拡張機能として注目されている「Microsoft Viva」は、社員の学習、コミュニケーション、ウェルビーイングを支援する総合的な“従業員体験プラットフォーム”です。たとえば「Viva Connections」では、企業内ポータルを通じて経営層からのメッセージや全社のお知らせを従業員がいつでも確認できるほか、部署やプロジェクトごとのコミュニティ機能でつながりを強化できます。
また、「Viva Insights」を活用すれば、組織全体の勤務状況や会議時間の傾向を把握し、働きすぎやコミュニケーション不足といったリスクを可視化可能です。これにより、一人ひとりの働き方を見直しながら、全社的に社員エンゲージメントやモチベーション向上を実現するための具体的なアクションを取りやすくなります。
※Microsoft 365のエンタープライズプランにより実現できる機能も含まれております。
(3)FormsとPower Automateでアンケートと業務改善を自動化
「社員アンケートは取っているけれど、結果を活かしきれていない」とお悩みなら、M365のFormsとPower Automateを組み合わせることで、回答結果の自動集計やレポート化が可能です。さらに、アンケート結果を受けてワークフローを自動的に立ち上げるなど、業務改善やエンゲージメント向上に直結するアクションをすばやく実施できます。アンケート結果を定期的に追う仕組みを整えれば、社員からのフィードバックをリアルタイムで施策に反映しやすくなります。
04.導入成功のポイントと資料ダウンロードのご案内
M365を活用して社員エンゲージメントを高めるには、以下の3つのポイントを押さえておきましょう。
- 段階的な導入で“DX疲れ”を予防
システム全体を一気に変更するのではなく、まずは主要な機能から運用を開始し、徐々に活用範囲を広げることで、従業員の抵抗感を軽減することが可能です。 - 社内担当者やIT部門との連携強化
人事が主導して進める場合でも、IT部門の知見やサポートは欠かせません。早めに巻き込み、導入・運用の体制を整えましょう。 - 研修やマニュアルの整備
新ツール定着のカギは、社員がストレスなく使いこなせるようになることです。オンライン研修や動画マニュアルの整備でサポートを万全にしましょう。
また、私たちスノーピークビジネスソリューションズは、マイクロソフト認定パートナーとしてこれまでに200社以上の企業へMicrosoft 365の導入・定着支援を行なってきました。その中で蓄積してきた導入に関するノウハウ資料を無料でダウンロードいただけますので、ぜひご覧ください!