スノーピークビジネスソリューションズ代表の坂田です。
このコラムでは、私たちの会社が大切にしている価値観や目指す未来について、みなさまにお伝えしていきたいと考えています。
読んでくださった方にとって、新たな「気づき」となり、日々の暮らしや働き方がよりイキイキとワクワクするものになれば幸いです。
スノーピークビジネスソリューションズ代表の坂田です。
このコラムでは、私たちの会社が大切にしている価値観や目指す未来について、みなさまにお伝えしていきたいと考えています。
読んでくださった方にとって、新たな「気づき」となり、日々の暮らしや働き方がよりイキイキとワクワクするものになれば幸いです。
みなさま、新年あけましておめでとうございます。
寒さの中にも凛とした空気が満ちるこの季節、みなさんはどのようなお気持ちで一月を過ごされているでしょうか。
一年の始まりというのは、どうしても「今年の数字」や「具体的なアクションプラン」といった、目に見える計画に意識が向きがちです。もちろん、戦略や計画は経営において不可欠です。
しかし、この時期こそ、少し立ち止まって「私たちは何のために働くのか」という原点も併せて問い直す時間なのだと思っています。
市場環境は目まぐるしく変わり、新しい技術も次々と生まれては消えていきます。
そんな予測不能な変化の波にさらされても、不思議と軸を失わず、しなやかに進んでいける組織もあります。
その違いはどこにあるのか。
私は、そこに「志」が言語化され、さらにそれが組織全体の「体感」として共有されているかどうかにかかっていると考えています。
私たちスノーピークビジネスソリューションズが提供しているアウトドア研修で、焚き火を囲みながら同僚と語り合った経験のある方なら、きっと感覚的に理解していただけるのではないでしょうか。揺らめく焚火のそばで口をついて出た想いは、単なる思い出ではありません。
日常の業務に戻り、迷いや困難にぶつかったとき、立ち返るべき「行動の拠り所」として、自分自身を支えてくれる記憶になっていると思います。
そんな「志」を、組織全体でどう育んでいくか。今回は、一年の計における私たちの取り組みを通してお話ししたいと思います。
一年の計を立てるにあたって私が最も大切にしているのは、計画を組織のメンバー全員に共有し、会社という一つの生き物に「血が通う瞬間」を創り出すことです。
みなさんの会社では、年初にどのような場を持たれているでしょうか。
社長が方針を発表し、社員がそれを聞く。
あるいは、部署ごとに目標を提出する。形式はさまざまだと思います。
私たちの場合、「Vision Sharing Day」という機会を設けています。
これは会社全体が目指す方向性だけでなく、各部門が「自分たちは今年、そのビジョンの中で何を目指し、どう動くのか」を、全社員の前で発表し合う場です。
ここで非常に重要だと感じているのは、こうした場を単なる「恒例行事」や、形だけの「儀式」にしないことです。
どんなに素晴らしいビジョンや戦略も、それが発表された瞬間に満足して終わってしまっては、いわゆる「絵に描いた餅」にすぎません。
一年の計が本当に機能するのは、それが現場のリアリティと結びついたときだけです。
私たちが「Vision Sharing Day」で特に意識しているのは、この一年で目指すべきビジョンを、明日からの具体的なアクションへと丁寧にブレイクダウンすることです。
目指すものが各部門のアクションプランにまで落とし込まれ、さらにそれがKPI(重要業績評価指標)などの数値目標にもきちんと反映されている状態。
つまり、目指しているビジョンが、メンバーの「身近な日常」の中に息づいている状態を創り出す必要があります。
そこまで落とし込んで初めて、ビジョンは動き出します。
「社長が言っている遠い未来の話」ではなく、「私が今日やるべき仕事の意味」として捉えられるようになる。
この一連の流れを設計する「デザイン力」は組織運営には強く求められているのだと思います。
そしてもう一つ、私がこの一年の計においてこだわっている要素があります。
それは「リアルな場での体感」です。
デジタルの進化によって、情報は瞬時に共有できるようになりました。
資料を配るだけならメールやチャットで十分ですし、方針を伝えるだけならオンライン会議でも事足ります。
しかし、同じ空間で、同じ空気を吸いながら、互いの顔を見て一年の計を共有する。この「協働体験」が持つ力は、やはり別格です。
「Vision Sharing Day」では、一方的な発表だけでなく、みんなで一緒に未来を語り合ったり、時には体を動かしながら意思を疎通させていくワークショップを行ったりもします。
そうして「同じ時間を過ごし、同じ体験をした」という記憶や体感値が、目に見えないけれど強固な仲間意識を醸成してくれます。
この土台があるからこそ、仕事で苦しい局面に立たされたときに「助けて」と言えたり、ふとした瞬間に「ちょっと相談なんだけど」と声を掛け合えたりする関係性が生まれます。
よく「心理的安全性」という言葉が使われますが、それは制度や組織構造だけで作れるものではありません。
こうした体温のある時間の積み重ね、苦楽を共にしたという感覚から、自然と生まれてくるものだと感じています。
一年の始まりは、会社が進む方向と、自分が持っているコンパス(羅針盤)の針を合わせる、とても大切なタイミングです。
会社が目指す「北」と、個人が大切にしたい価値観や方向性がバラバラのままでは、どんなに優秀な人材でも力を発揮することはできません。
逆に、ここがピタリと重なったとき、そこには強力な動機づけが生まれます。
「上からやらされる仕事」ではなく、自分の意志と会社の方向性がリンクした「やりたい仕事」として、自らをドライブさせていく力が湧いてきます。
そのために、私たちはワークショップなどを通じて、個人の価値観と会社のビジョンが重なる部分を見つける対話を行うこともします。
「会社のため」だけではなく、「自分の人生のため」にもなる仕事。
そう思えたとき、人は迷いなく、力強く歩み出すことができるのだと思います。
志がある組織は、迷いません。
どんなに環境が変わろうとも、立ち返るべき場所があり、隣には信頼できる仲間がいるからです。
私たちは、今年も自然と共に、人間らしく働く未来をつくっていきたいと考えています。
みなさんの組織にとっても、この一年の始まりが、単なる数字の確認ではなく、仲間との絆を深め、志というコンパスの針を合わせる、温かく実りある時間になることを願っています。
本年も、どうぞよろしくお願いいたします。