個別指導による学習塾「明光義塾」の教室を全国でフランチャイズ展開する株式会社MAXISエデュケーション様。
スノーピークのコミュニティづくりや企業経営を参考に、社員のエンゲージメントを高めたいと、役職者向けにアウトドア研修を取り入れていただきました。秋晴れの中、CAMPING OFFICE HAMANAKOで行った1泊2日の研修の様子とその成果について話を伺いました。
お客様:株式会社MAXISエデュケーション 代表取締役社長 山中雅貴様、常務取締役 鈴木晃様、本部戦略室 室長 宮坂聖美様
(担当:スノーピークビジネスソリューションズ HRS事業部 大塚美樹)
「明光義塾」を全国で展開。「教育」で社会に貢献する企業
---MAXISエデュケーションさんの会社概要や企業理念を教えてください。
当社は「明光義塾」のトップフランチャイジー企業です。1993年に設立し、2014年に前オーナーが引退したのを機に、東証プライム上場企業である株式会社明光ネットワークジャパンの子会社となりました。
現在は東京、埼玉、山梨、静岡、愛知、石川、神奈川の1都6県で、「明光義塾」を約100教室展開しています。約400社ある「明光義塾」のフランチャイズ加盟企業の中で、教室数、生徒数、売上においてナンバーワンであるという誇りと自覚があり、「私たちが明光義塾をつくっていくんだ」という気概をもっています。
「MAXISの教育で世界を熱くする」というビジョンを掲げ、子どもたちの自己肯定感や自己成長意欲を育み、いい教育の現場をつくることで、日本を元気づけて社会に貢献したいと考えています。
ブランド構築のため、役職者向けにアウトドア研修を実施
---役職者向けにアウトドア研修を実施したのはなぜでしょうか?
私たちは2014年に明光ネットワークジャパンの傘下に入りましたが、それ以前から20年以上続いてきたMAXISエデュケーションの独自性をしっかり残してブランドを構築することが会社にとって必要だろうという思いがあり、新しいマネージャーが増えたタイミングで、役職者研修を実施することになりました。
以前より、スノーピーク 山井太社長の著書等で製品への思いやお客様との向き合い方などに共感する部分を感じて刺激をもらっていました。そこで今回は、スノーピークの経営姿勢から学びを得たいと考えてアウトドア研修を採用させてもらいました。
これまでも社員研修は度々行ってきましたが、インプットはできても学びをその後に生かせないという反省点がありました。インプットよりもまずは役職者メンバーが同じ空間に集まってコミュニケーションを深め、仕事に向き合う心の下地づくりからはじめる必要がありました。それにはアウトドア研修という、いつもとは違うアプローチが有効ではないかと考えました。
新しい気づきや良好な関係性を構築する研修プログラム
---研修で実施したプログラムの内容を教えてください。
全国各地から集まるメンバーのアクセスを考えて、静岡県浜松市のCAMPING OFFICE HAMANAKOで1泊2日の研修を実施しました。1日目はみんなでテントを設営し、そこでスノーピークの取締役である山口昌浩氏による講演を聞きました。講演後は心に残った言葉をシェアして、私たち自身のユーザーエンゲージメントのあり方を見直すワークショップも行いました。
ワークショップの後はBBQと焚火を行い、普段はあまり接点がないメンバー同士で交流をしたり、なかなか話さない本音トークで大盛り上がりするなど、有意義な時間を過ごしました。役職者同士でも事業部や担当エリアが違うとつながりが希薄になってしまうことが課題の一つでしたので、貴重な機会となりました。
2日目は価値観カードを使ったワークショップを行いました。それぞれが大切にしている価値観は何なのかをゲーム感覚で深堀りします。いろいろな価値観をもつメンバーがいることを知り、さらに自分の大切にしたい価値観と私たちが企業として大事にしている価値観をすり合わせるためのプログラムです。アウトドアでやることで、リラックスして忖度なく話ができたという印象があります。
研修前後で大きく変わった、メンバーの意識
---研修の前後で、参加者の皆さんにアンケートをとらせていただきました。
その中で印象的だったのは参加した皆さんの変化です。研修前は「視野を広げる時間にしたい」「緊張せずに楽しんで学びたい」といった個人的なインプットに対する期待値を感じたのですが、研修後は「チームの一員だと感じることができた」「メンバーのことを深く考えることのできる時間だった」「自分と会社を見つめ直すことができた」など、チームを意識したコメントが数多く見受けられました。
研修をやらせてもらった成果がそのままコメントに出ていると感じます。社内で研修の感想を聞いてもマイナスの意見はなく、総じて好評でした。まずアウトドアという非日常の空間は対話をするのに最適な環境でした。普段接点のないメンバーが一堂に会していつもとは違う視点で話ができたこと、そして社内のメンバーだけでなく、ファシリテートしていただいたスノーピークビジネスソリューションズの皆さんとの対話からもたくさん刺激をもらったようでした。
成果が見えてうれしい反面、これを風化させてはいけないとあらためて感じています。今回の研修をそれぞれが今後にどう生かしていくのかを話していきたいですし、社員研修についても次のステップを考えていきたいと思っています。
チーム単位や新入社員向けにもアウトドア研修を
---研修について、今後やってみたいことはありますか?
今回の研修に参加したマネージャー陣からは、今度は自分のチームでやってみたいという声が上がっていますので、それぞれが工夫をして自分のチームをよりよくするために研修を活用するような機会をつくっていけたらと思います。価値観を共有し、対話をすることでチームのコミュニケーションはよりよくなるのではないでしょうか。
新入社員向けの研修にも向いていると思います。アウトドア研修なら歓迎の気持ちが伝わりますし、新入社員がこれまで築いてきたものとMAXISエデュケーションが大切にしているビジョンを融合する機会にしていきたいです。
ご褒美的な研修として、スノーピークの本社がある新潟・燕三条のキャンプフィールドへ行き、さまざまな体験を通してブランドのつくり方やスノーピークのものづくりを学ばせていただくというのも面白いですね。
社員一人ひとりに「ブランドの伝道師」になってほしい
---研修を終えて感じていること、今後のビジョンなどがあればお聞かせください。
研修1日目の講演でスノーピークの山口氏が話していた「ブランドの伝道師になる」という言葉が心に残ったというメンバーがたくさんいたことが嬉しかったです。MAXISエデュケーションのブランドやビジョンを、社員一人ひとりが自分の言葉で伝えられる伝道師となっていくことを目指していきたいです。
私たちの人材育成の方針として、他責ではなく自責でいこうとよく言っているのですが、今回の研修では役職者が自責思考をもち、さらにグループワークを通して他者やチームのメンバーに対して「自分に何ができるのか」という意識を強くもったのではないかと思います。いつも向き合っている子どもたちに対しても、「自分たちに何ができるのか」という問いは、常に持ち続けてほしいですね。
そして、トップダウンではなく社員一人ひとりが教育というフィールドの中でやりたいことを実現し、教育を通して社会に影響を与えられる人になっていってほしいと思います。
---株式会社MAXISエデュケーション様、取材のご協力ありがとうございました!