建設機械を幅広く取り扱い、全国に多数の拠点をもつ日立建機日本様。2023年9月から10月にかけて若手社員を対象としたアウトドア研修を全国4都市で実施しました。
広島から始まり愛知、茨城、宮城と北上しながら行った研修は、回数を重ねるごとにアップデートしつつ、「若手社員が自然の中でリフレッシュし、絆を深める機会をつくることで組織健康度向上につなげたい」という人財開発部の一貫した想いを具現化するものとなりました。
お客様:日立建機日本株式会社
管理本部人財開発部 國松麻央様
(担当:スノーピークビジネスソリューションズ HRS事業部 古川草馬)
全国のお客様に建設機械総合サービスをワンストップで提供
---日立建機日本さんの事業概要を教えてください。
日立建機グループの一員として、建設機械をメインに、販売、レンタルから修理などのアフターサービスをワンストップで提供しています。お客さまの現場、状況に合わせて、さまざまなソリューションを一括で提供できる総合力が当社の強みです。
近年では、機械の稼働効率向上と安全性のために最新のICT・IoT技術を活用し、お客様の現場を支えています。
本社は埼玉県草加市にあり、43都道府県に243の拠点をもっています。社員は3,000名強で、入社2、3年目の若手だけでも150名を超える社員がおります。
若手社員がリフレッシュしながら絆を深める機会に
---若手社員向けにアウトドア研修を実施した背景を教えてください。
入社2、3年目、かつ30歳以下の若手社員を対象に、広島、岡崎、水戸、仙台の4都市で「若者研修」と銘打ったアウトドア研修を実施しました。参加者は4会場合わせて147名になります。
私たちは例年、新入社員研修を春から夏にかけて実施しており、仕事に必要な知識の習得や資格取得に励むとともに、同期社員が親交を深めるよい機会になっていました。しかし、現在入社2、3年目のメンバーはコロナ禍に入社し、研修はほぼオンラインでの実施だったため同期と顔を合わせる機会があまりありませんでした。配属決定後は、全国各地の拠点へ各々が散らばっていきますので、つながりをつくるのはさらに難しくなります。同様に経験者採用のメンバーも勤務地以外に仲間をつくるチャンスが多くありません。そのため、入社2、3年目の社員に同世代とコミュニケーションを深め、仕事へのモチベーションを高めてもらう機会をつくりたいと考え、若者研修を開催することにしました。
また、研修とはいえ日々の業務を離れ、リフレッシュする時間にもなればと思い、会議室などではなくアウトドアの開放感ある場所で実施したいと考えました。
全国4会場で、目指すカタチの研修を実現したい
---スノーピークビジネスソリューションズに依頼をいただいたのはなぜでしょうか?
スノーピークビジネスソリューションズ(以下SPBS)さんがキャンプ場でのアウトドア研修やオフィスの提案をしているという話を聞き、その取り組みに共感したのがはじまりです。
アウトドアで研修ができるサービスを他にも比較検討しましたが、全国各地で一貫してクオリティを担保した研修ができること、アウトドアのノウハウに長けていて安全面や快適性に十分配慮したサポートをしていただけることを考え、SPBSさんに依頼しようと決めました。
企画を進めていく中で、担当の古川さんをはじめ皆さんに私たちの意図を汲んでさまざまな提案をしてもらい、一緒に取り組むことでやりたいカタチを実現できると確信できたことも大きかったです。実際に4つの会場で行った研修では、同じSPBSのスタッフさんがどの会場にもいてくださって、連携がとりやすく事務局としては安心感がありました。
原始的な火おこしでチームビルディング
---具体的に、どのようなプログラムを実施しましたか?
1日目は、アイスブレイクになるような屋外プログラムをSPBSさんに組んでいただきました。タープの設営からはじまり、モルックというアウトドアで特に楽しめるフィンランド発祥のゲームをしたり焚火をしたり。焚火では「夢を語ろう」というテーマを設けて、それぞれの夢をシェアして仲間同士の人となりを知るきっかけづくりをしました。
2日目は、会社のミッションや現場の安全や危険予知について学ぶ研修メニューを行いました。研修の最後は、日立建機グループが大切にしている「Kenkijinスピリット」を自分に落とし込み、どんなKenkijinになりたいかを宣言してもらいました。
面白かったのは、焚火での着火体験です。実は2本しか入っていないマッチ箱や使い方を教えないファイヤースターター、摩擦熱で発火させる原始的な「ひもぎり式」の火おこし道具などを用意し、チームごとに好きなものを選んで火をおこしてもらいました。そうすると、ひもぎり式が一番盛り上がるんです。なかなか成功しませんが、一喜一憂しながら小さな火種を大きな火にしようとする過程でチームに不思議な一体感が生まれていく。我々事務局が周りで見ていてもチームビルディングを実感できるほど貴重な体験だと感じました。これは仕事にも通じる部分があるし、とてもいい時間だったので、後半に実施した水戸と仙台の研修では、すべてのチームにひもぎり式の火おこしをしてもらいました。
自然の中で、フラットに対話することで芽生えた仲間意識
---参加した社員の皆さんの反応はいかがでしたか?
参加した若手社員からはすごく好評で、事後アンケートではいろいろな声をもらいました。
それぞれの会場で、「会社の研修とは思えないほど楽しく、明日からのやる気につながった」「職種や勤務地が違い、なかなか会えない人たちとも話ができて、新たな交流が生まれた」「同世代の仲間と夢を語り合い、自分の過去や未来をあらためて考える機会になった」といった声が上がりました。リラックスして楽しんでもらいながら、若手社員同士で横のつながりを構築してほしいという研修の目的は達成できたと思います。
事務局としては、研修を終えた帰り際のみんなの顔がイキイキしていたことが印象的でした。実際に会うのが初めてだったり、最初は顔と名前が一致しない同士が多かった中で、部署の違いや先輩後輩関係なく自然の中でフラットに話ができ、このメンバーと一緒にこの会社で頑張っていこうという意識が高まったのではないでしょうか。
開催後に我々が社内で報告をしたあと、参加者の上長や他の従業員がこの研修に好印象を持っている、との評判も聞こえてきました。そこからアウトドア研修に対して職場の関心が高いことをうかがい知れたのも、効果のひとつと言えますね。
若手に限らず、つながりの醸成にアウトドア研修を
---今後取り組みたいことなどがあれば教えてください。
参加者からの声でも上がっていたのですが、アウトドア研修を今後はいろいろなカタチで盛り込んでいけたらと思っています。
当社では、普段から階層別研修や職種別研修などを実施していますが、それらは仕事に必要な知識を身につけるものやビジネススキルを学ぶものがほとんどです。今回のように、メンバーが協力し合って何かを成し遂げたり、つながりを深めたりといったことはなかなかありませんでした。ですが、こういった機会は若手だけでなく他の世代にも必要なことではないかと気づきました。特にベテランになればなるほど、どうしても堅い研修や会議が多くなりますので、そういったメンバーでアウトドア研修をやってみたら、何か新しいアイデアや気づきが生まれるかもしれません。
また、今回は4会場で研修をさせていただき、どの会場もとても満足度が高かったので、次はまた違った会場を検討できれば選択肢が広がり、参加者に喜んでもらえるのではないかと期待しています。