防災設備の設計・施工を専門とする能美エンジニアリング株式会社様。
今回、CAMPING OFFICE IBARAKI・SHIZU(茨城・静)にて、同社初となる1泊2日のアウトドア研修が開催されました。
研修は年3回予定されており、初回となった今回は社長や役員も含めて32名が参加。普段は語られない言葉や見られない姿がアウトドア空間の中で解き放たれ、これまで以上の関係性を構築する第一歩となりました。
お客様:能美エンジニアリング株式会社
施工技術1部長 新村 彰宏 様
(担当:スノーピークビジネスソリューションズ
HRS事業部 鈴木駿平、坪内恵子)
防災設備を専門的に手がけるプロフェッショナル集団
---能美エンジニアリングさんの事業概要を教えてください。
能美エンジニアリング株式会社は、防災事業のパイオニアである能美防災株式会社のグループ会社として、2012年、防災エンジニアリング株式会社と能美設備株式会社が合併して設立されました。
人命と財産を守ることを使命とし、防災設備の設計から施工、メンテナンス、リニューアルまで⼀貫体制で防災事業を展開しています。事業対象は広く、例えばビルや学校、商業施設など一般建築物へのスプリンクラー・屋内消火栓設備、高速道路や国道などのトンネルへの泡消火栓設備、プラント・工場への防災消火設備、警報設備の設置も手掛けています。
社員は技術職が大半を占め、それぞれがプロフェッショナルとして各現場の多様化する防災ニーズに対応しています。
コミュニケーションの課題を解決し、組織を活性化するために
---アウトドア研修を導入した背景やスノーピークビジネスソリューションズに依頼した理由を教えてください。
当社では、もともと部署内や部署間のコミュニケーション不足が課題となっていました。というのも当社の業務は現場での管理が中心となるので、ほとんどの社員が直行直帰。同じ部署でも集まるのは月1回で、普段から一般の会社より部署内外での交流の機会が限られているためです。特にコロナ禍においては、これまで以上に交流が減少し、社員同士のコミュニケーションが希薄になっているのを感じていました。
この問題を解消し組織の活性化を図れば、もっと良い会社になるのではないか。そんな考えから何か方策をと考えていたとき、社内のアウトドア好きにスノーピークビジネスソリューションズ(以下、SPBS)さんのアウトドア研修を紹介されたんです。私自身、山登りが好きで仕事を離れて無心になれる時間に魅力を感じていたこともあり、興味を持ちました。
そこで、まずはアウトドア研修の体験会に参加したんですが、日常から離れた自然環境で気持ちが開放されるのは、やはり素晴らしいと感じました。初めて会う他社の方とも素直な気持ちで話すことができ、自分自身で効果を実感したことがアウトドア研修を導入した理由の一つです。
また、SPBSさんから「会話」と「対話」の違いについてご説明いただいたことも心に響きました。普段、会話はするけど「対話」はしていないな、と気がついたんです。SPBSのご担当の方々は誠実で熱意があり、この方々なら信用できると思い、アウトドア研修にチャレンジすることにしました。
初めて見る姿や素直な言葉に心を通わせ、一味同心の輪
---当日の研修内容と皆さんの様子を教えてください。
事前にSPBSさんが社員にアンケートを取り、組織の現状を把握した上で1泊2日のプログラム内容を決めていきました。研修タイトルは「広げていこう、一味同心の輪」。これは二社が合併して誕生した当社が10周年を迎えたときに生まれた言葉です。みんなが一つの輪になって同じ目標を達成しようという想いが込められたもので、今回の研修で再度、胸に刻むことでより良い組織づくりにつなげたいと考えて名づけました。
研修では、初日にテント設営体験とパーソナルトーク、バーベキューと焚火トーク、2日目にアイデア発散ワークショップを実施。部署・役職・年齢の異なる 5~6人のグループを3回メンバーチェンジしながら編成し、プログラムを通じて全員と交流が深められるように工夫しました。
最初にグループでテントの組み立てを行った際、社員一人ひとりが声を掛け合い協力し合ってテントを組み立てる姿が見られました。これには社長も「いつもはおとなしく見える社員がこんなに動くなんて」と驚くほどで、それぞれの意外な一面にふれる機会となりました。この設営体験を皮切りにみんなの距離が縮まったのか、その後、小さい頃の夢や自身の強みについて語り合うパーソナルトークのセッションでは、みんなが堂々と自分のことを語っていて頼もしかったですね。
夜はバーベキューを楽しんだ後、みんなで焚火を囲んでトークセッションを実施。社長や幹部も加わって普段は話しづらいことを素直な気持ちで明かすことができ、一人ひとりの想いを共有できたことに感動しました。バーベキューの途中で腕相撲大会が始まるなど、弊社らしい和気あいあいとした盛り上がりも見せ、一体感を感じられましたね。
気持ちのメンテナンスをはじめ、新しいアイデアに期待
---研修の中でも心を動かされたシーンや印象に残っている出来事は?
やはり、美しく伸びやかな大自然の中で、みんなで一つの大きな輪をつくって焚火を囲んだ夜の風景は忘れられません。役職や立場、年齢に関係なく、心を開いてとつとつと語られる言葉に感極まり、うっすらと涙ぐむ人もいたほどです。SPBSさんの演出や盛り上げ方もあって、おのずと気持ちが高揚する空間となっていたことも大きいと思います。
2日目のグループでのアイデア発散ワークも印象に残っています。チームメンバーの強みや特徴を掛け合わせたとき「このグループなら何ができるか」というアイデアを発表したんですが、各グループそれぞれ素晴らしかったです。
その中でも心を動かされたのは「社員の心のメンテナンスをする」というアイデアです。普段はなかなか言えないこと、心にためていることを安心して話せる環境があればいいのではないか。社員の気持ちに寄り添うことでストレスを解消できるのではないか。そんな提案が出てきたことが嬉しく、また話の展開も見事で引き込まれました。実際、そういう部門や場所があれば、より良いコミュニケーションにつながるかもしれない。そんな可能性を感じる提案でした。
部署内、他部署との交流が深められ、互いへの信頼を感じた
---研修後の社員の皆さんの反応や評価、成果を教えてください。
研修後、社員からは非常に高い評価が寄せられました。本研修は1年に3回、メンバーを入れ替えて開催する計画ですが、今回の研修に参加した社員からは「楽しかった」「他部署の人とたくさん話ができて良かった」という声が数多く寄せられました。
初めは研修に対して懐疑的だった社員も、実際に参加することでその効果を実感したのでしょう。「全ての研修に参加したい」という声が聞かれるほどでした。「グループでのディスカッションで、自分では思いつかないアイデアが出てきた」と振り返る社員もいました。
研修を通じて、何より現地では多くの笑顔が見られ、普段あまり話す機会のない社員同士が深く交流する様子が見られたのは、運営側として本当に嬉しかったです。心の距離が縮まったという声も上がり、部署内外で相互の信頼が高まったように感じています。
コミュニケーションを持続し、あたたかな企業風土を次代へ
---今後の展望について教えてください。
今回は「まずはやってみよう」と始めたアウトドア研修でしたが、一体感やコミュニケーションの醸成という点で最初の一歩を踏み出せたと感じています。次に予定している2回目・3回目の研修はさらにブラッシュアップし、社員全員が参加して良かったと感じてもらえる内容にしたいと思っています。
一方で、やはり当社の仕事の進め方を考えると、今回生まれた社員同士のコミュニケーションをいかに持続させるかは課題です。ただ、当社にはすべての社員を愛情深く受け入れる土壌があり、ヒアリングをすると会社の居心地が良いと感じてくれている社員が大勢います。それは先輩にあたたかく育ててもらった社員が、自分も後輩をあたたかく見守っていこうという姿勢で臨んでいるからで、今回の研修でも互いを受け入れ合う様子が見られました。
こうして代々受け継がれてきた大切な企業風土を次の時代へつないでいくためにも、コミュニケーションを持続させる仕組みを考えていくことが大切です。それには若手社員のアイデアも必要で、次はぜひ若手にも新しい企画を進めてもらいたいと思っています。