お問い合わせ・資料
4分

社内ラボから始まる組織文化の研究
-Business Team Culture Lab(BTCL)1期レポート

社内ラボから始まる組織文化の研究
-Business Team Culture Lab(BTCL)1期レポート

2026年1月より、スノーピークビジネスソリューションズでは、組織開発に関する新たな取り組みとして「Business Team Culture Lab(BTCL)」を開始しました。

 

本ラボには、共同ラボ長として運営に携わらせていただいています。

 

第1期は、2026年1月26日から4月7日まで隔週のランチタイムで開催し、最終回には全社ミーティングにて研究発表を実施しました。参加メンバーは6名で、それぞれが自ら設定したテーマに基づき「自由研究」という形式で探究を進めました。

 

本稿では、本取り組みの背景および進め方、研究テーマ、得られた示唆について報告します。

 

取り組みの背景と目的

同社ではこれまで、研修事業やプロジェクトを通じて多くの実践知が蓄積されてきました。一方で、それらが体系化されず、個人の経験に留まりやすいという課題がありました。

 

こうした背景から、本ラボでは「社内の実践知を言語化し、組織開発に関する知見として整理・共有すること」を目的としています。

 

また中長期的には、

 

・知見の体系化による再現性の向上

・人材育成プログラムへの展開

・他企業との共創機会の創出

 

といった活用も見据えています。

ラボの進め方

本ラボでは、講義形式ではなく、参加者主体の探究型プログラムを採用しました。

 

主な進行は以下の通りです。

 

・各自が関心に基づき研究テーマを設定

・2週間ごとに探究を進める

・ランチタイムで成果を共有し、対話を実施

・フィードバックをもとに次の探究へ接続

 

研究手法は参加者ごとに異なり、

 

・書籍や論文の読解

・動画や講義の視聴

・AIを活用した思考整理

・実務への応用と検証

 

など、多様なアプローチが見られました。

 

このような形式により、各参加者が自身の業務と接続しながら継続的に学びを深める環境が構築されました。

また、今回は4つのテーマを中心に研究が行われ、その成果発表会を社内にて実施しました。

 

① 内発的動機(自己決定理論)

② 心理的安全性

③ 組織開発

④ 野生の思考

研究テーマ① 内発的動機(自己決定理論)

研究テーマ① 内発的動機(自己決定理論)

本テーマでは、主体的な行動を促す要因として「内発的動機」に着目しました。

 

一般的なマネジメントにおいては、評価や報酬、指示といった外発的動機づけが用いられることが多い一方で、それだけでは持続的な主体性の発揮にはつながりにくいという課題があります。

 

そこで、自己決定理論をもとに「自律性・有能感・関係性」といった要素が満たされる環境づくりについて検討が行われました。

 

また、日常のマネジメントを振り返る中で、意図せず主体性を阻害している関わり方が存在する可能性についても議論され、関わり方の見直しが重要な論点として整理されました。

研究テーマ② 心理的安全性

研究テーマ② 心理的安全性

本テーマでは、チームのパフォーマンスに影響を与える要素として「心理的安全性」を取り上げました。

 

心理的安全性とは「共通の目的に向けて率直に意見を表明できる状態」を指します。単なる「安心感」ではなく、「意見の相違を受容できる・建設的な対話が行われる・学習が促進される」といった状態を含む概念として整理されました。

 

また、心理的安全性の形成には、個人の関わり方だけでなく、組織文化や教育といった背景要因も影響することが示唆されました。

研究テーマ③ 組織開発

研究テーマ③ 組織開発

本テーマでは、組織をより効果的に機能させるためのアプローチとして「組織開発」を取り上げました。

 

組織開発は、「人・関係性・仕組みの側面から組織を意図的に変化させる取り組み」と定義されます。研究では、組織課題を「個人・関係性・仕組み・戦略」といった複数の視点で捉える整理が行われました。

 

その中でも、関係性の質が組織成果に影響を与える重要な要素であることが改めて確認されました。また、組織の状態を「効果性・健全性・継続性」の観点から評価する視点も共有されました。

研究テーマ④ 野生の思考

研究テーマ④ 野生の思考

本テーマでは、思考のあり方を再考する視点として「野生の思考」が取り上げられました。

 

本研究では、人の思考を「デザイン思考(機能・有用性)・アート思考(意味・独自性)・野生の思考(直感・本質)」の3つに分類し、それぞれの役割について検討が行われました。

 

野生の思考は「身体感覚や直感に基づき、本質的な問いに向かう思考」として位置づけられます。本テーマは、自然や体験を起点とした価値創出との親和性も高く、同社の取り組みとも接続する可能性が示唆されました。

本取り組みから得られた示唆

本取り組みから得られた示唆

 

本ラボを通じて得られた特徴の一つは、研究テーマがすべて個人の問題意識から出発していた点です。日常業務の中で感じた違和感や問いを起点とすることで、各テーマは実務と強く結びついたものとなりました。


また、定期的な共有と対話の機会により、個人の学びが組織内で循環する構造が生まれていました。さらに、参加者が研究テーマを持ちながら業務に取り組むことで、日常の業務そのものが学びの対象となる状態が生まれ、実務と探究が連動するプロセスが確認されました。

今後の展開

今後の展開

第1期は実証的な取り組みとして実施されましたが、本ラボの形式には一定の有効性が見られました。

 

今後は、「研究内容の整理および体系化・社内プログラムへの展開・外部企業との共創機会の創出」などを通じて、組織開発に関する取り組みを発展させていく予定です。



 

本取り組みを通じて、組織文化は、個人の問いと学びの積み重ねから形成される可能性が示唆されました。制度や仕組みだけでなく、現場の実践知をいかに共有・発展させていくかが、今後の組織づくりにおける重要な視点となると考えられます。

 

BTCLは、そうした知の循環を生み出す一つの試みとして、今後も継続していきます。

まっくす / 東信史
Profile

まっくす / 東信史

SPBSパートナー・一般社団法人キャリアブレイク研究所理事

キャリアブレイク(仕事や役割から一度離れ、立ち止まる期間)をテーマに、その価値の社会実装に取り組む。個人向けの対話機会の提供に加え、企業・自治体と連携し、「立ち止まる時間」が組織や地域にもたらす効果について探求・実践を行っている。

まっくす / 東信史
Profile まっくす / 東信史

SPBSパートナー・一般社団法人キャリアブレイク研究所理事

キャリアブレイク(仕事や役割から一度離れ、立ち止まる期間)をテーマに、その価値の社会実装に取り組む。個人向けの対話機会の提供に加え、企業・自治体と連携し、「立ち止まる時間」が組織や地域にもたらす効果について探求・実践を行っている。

この記事をシェア
お役立ち資料 お問い合わせ