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主体性は、育つもの。主体性と自主性の違いを知る

主体性は、育つもの。主体性と自主性の違いを知る

自主性は「決められた範囲の中で、指示を待たずに率先して動く力」、主体性は「何をやるべきかという目的やゴールから自分で考え、その結果に責任を持って行動する力」です。実行の範囲や責任の持ち方が異なります。

この記事では違いを比較したうえで、特徴や高める方法、注意すべきポイントまで解説します。あわせて、幸福学の前野隆司教授との共同研究や、大学・企業での導入事例もご紹介します。

主体性と自主性の定義

主体性とは、周囲の指示を待たず、自らの考えや判断に基づいて課題を発見し、目的やゴールも含めて自分で決めて行動する力です。
指示のない業務改善の提案や、新規プロジェクトの立ち上げなどが例に挙げられます。

自主性とは、あらかじめ決められている目的やタスクに対して、指示される前に自ら進んで取り組む力です。
上司に指摘される前に改善点を見つけて着手する、といった行動が該当します。
「何をやるか」自体は他者や組織がすでに決めている、という点が主体性との違いです。

主体性と自主性の違い

  • 目的・ゴールを決めるのは誰か
    • ・ 自主性:他者・組織があらかじめ設定する
    • ・ 主体性:自分自身で設定する
       
  • 実行の範囲
    • ・ 自主性:与えられた範囲の中で率先して行動する
    • ・ 主体性:何を行うか自体も自分で決めて行動する
       
  • 責任の所在
    • ・ 自主性:与えられた役割や業務の範囲で責任を持って行動する
    • ・ 主体性:目的設定や意思決定も含め、その判断と結果に責任を持つ
       
  • 求められやすい場面・立場
    • ・ 自主性:新入社員から管理職まで、あらゆる立場で必要
    • ・ 主体性:マネジメント層・リーダー層で特に重視されやすい
       
  • 具体例
    • ・ 自主性:指示される前に改善点を見つけて着手する
    • ・ 主体性:指示のない新規プロジェクトを自ら立ち上げる


どちらが優れているという上下関係ではありません。

決められた仕事に対し、指示を待たずにやり切る自主性は、あらゆる場面で欠かせない基礎力です。
そこに、目的の設定や意思決定にまで踏み込む主体性が加わることで、組織はより大きな変化を生み出せます。

 

なぜ今、主体性が求められているのか

一つ目は、VUCA時代への対応です。VUCAとは、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字を取った言葉で、決まった正解がない現代のビジネス環境を表します。
マニュアル通りの対応が通用しにくい中では、自ら課題を発見し、状況に応じて動く主体性が、変化への対応力を高めます。

二つ目は、リスクマネジメントの観点です。小さな異変への気づきが遅れるほど、取り返しのつかない事態に発展しかねません。
主体性を持って業務にあたることで、問題を早期に発見し、自ら対策を講じられるようになります。

もう一つ見落とされがちなのが、主体性は「発揮しろ」と求めるだけでは生まれないという点です。

この視点を裏付けるのが、幸福学の第一人者・前野隆司教授(慶應義塾大学大学院教授)による知見です。前野教授は、幸せに働くための「幸せの4つの因子」の一つとして、主体性や自己実現・成長に関わる「やってみよう」因子を挙げています。
この因子には、目標や強みを持ち、成長に向けて行動する姿勢が関わっています。

主体性は、発言や挑戦が受け入れられる「場」があるかどうかに大きく左右されます。 

詳しくは「心理的安全性のつくり方|意識だけでなく、「場」から変える」の記事で解説していますので、ご覧ください。

主体性・自主性がある人の特徴

主体性がある人は、目的から考えて行動し、自らの行動を振り返りながら失敗から学び、周囲に働きかける傾向があります。
変化の激しい環境でも自分なりの判断軸で動けるため、マネジメント層・リーダー層としての活躍が期待されやすい傾向にあります。

自主性がある人は、指示を待たずに動け、成長意欲が高く、周囲を巻き込む力があります。 
「目的やゴールの設定」までは求められないものの、日々の業務を着実に進める土台となる力です。

自主性を発揮しにくい背景には、自己効力感の低下や、周囲の意見に流されやすい状態などが影響している場合があります。
指示が過度に多いことや不公平な評価挑戦や工夫が十分に認められない職場環境が、主体性を発揮しにくくしているケースもあります。

幸福学から見る主体性 ― 前野教授との共同研究

スノーピークビジネスソリューションズでは、幸福学の第一人者・前野隆司教授(慶應義塾大学大学院教授)と共同で、アウトドア会議・研修の効果を検証する研究を行いました。 

前野教授が整理する「幸せの4つの因子」のうち、「やってみよう」因子は主体性や自己肯定感につながる要素です。
主体性は単なるビジネススキルではなく、人が幸せに生きるための土台でもあります。

また前野教授は、人間はその歴史の大部分を自然の中で過ごしてきた存在であり、自然環境に身を置くことで、本来のおおらかさや挑戦するマインドセットが引き出されやすくなるとも述べています。 
この知見は、「主体性は場や環境の影響を受ける」という視点を考えるうえで、一つの示唆となります。

詳しくは「幸福学の前野教授も驚いたアウトドア会議の効果とは?」の記事で紹介しています。ぜひご覧ください。

体験・環境から主体性が育つ実例

オフィス空間デザインの事例|金城学院大学様「クリエイティブベースキャンプ」

金城学院大学様では、学生の主体性を育む学びの拠点として、キャンピングオフィスの空間づくりに取り組まれました。
自然に近い環境に身を置くと学生の表情が変わり、会話が増え、アイデアも生まれやすくなる。そうした担当教授の実体験が、空間づくりのきっかけとなりました。

完成後は、学生や教職員が自らテーブルやチェアを動かしながら、場を育てていくプロセスが自然と始まりました。
空間に自分たちで手を加えていくこと自体が、主体性の発露といえます。

詳しくは「主体性が芽生える"学びの場"」の記事で紹介しています。ぜひご覧ください。

アウトドア研修の事例|株式会社トヨタシステムズ様

株式会社トヨタシステムズ様のPLM・CAD本部では、部門横断のメンバーが非日常環境でのアイデア発散研修に取り組みました。
当初は互いにほぼ面識がなく、誰かが牽引する必要がある状態でしたが、焚火を囲んだ対話などを通じてメンバーが自ら活動を進めるようになったと、担当者様自身の言葉で語られています。 

研修で磨いたアイデアは、後日、幹部への事業アイデア審査会でのプレゼンに結びつき、体験が具体的な成果にまで発展しました。

詳しくは「非日常×専用プログラムで、枠を越えたアイデア発散に挑め」の記事で紹介しています。ぜひご覧ください。

主体性・自主性を高める方法

個人でも可能な、自主性や主体性を高める方法としては、
 

  • ・ 自分の考えを持つ
  • ・ 小さな目標達成で実行力を高める
  • ・ 積極的に人と関わる
  • ・ 業務を任される経験を増やす
  • ・ 期限を決めて行動する


といった取り組みが基本になります。

これに加えて重要なのが、主体性が自然と発揮されやすい環境そのものを整えるという視点です。

前章の事例が示す通り、自然を感じられる家具や植栽など、非日常の要素を日常のオフィスに取り入れたり、アウトドア研修で心理的な距離を縮めたりすることで、「言われたことをやる」姿勢から「自分たちで動く」姿勢への変化を促せます。

個人への働きかけと環境・体験の設計を組み合わることが、持続的な主体性の醸成につながります。

主体性・自主性を損ねてしまう行動とは?

  • ・ 指示ばかりする:部下が指示を待つ姿勢になり、自分で考える機会を失う
  • ・ 公平に評価しない:努力が報われないと感じ、行動する意欲が失われる
  • ・ 挑戦を認めない:挑戦したこと自体が認められないと、次の行動への意欲が低下する


いずれも、発言や挑戦に対する安心感を損なうという点で共通しています。

指示・評価・承認という日々の関わり方が、意図せず主体性を摘む「場」をつくっていないか、見直す価値があります。

まとめ:主体性は、環境と体験で育てられる

自主性は決められた範囲で率先して動く力主体性は目的から自分で考え責任を持って行動する力です。
どちらも、それぞれの立場や場面で欠かせません。

主体性を高めるには、目標設定などの個人での取り組みに加えて、挑戦が受け入れられる場があることで発揮されやすくなる、という視点が欠かせません。

オフィス空間デザインやアウトドア研修といった環境・体験の設計は、個人への働きかけだけでは生み出しにくい、行動や関係性の変化を後押しする力があります。

日々の小さな行動と、それを後押しする場や体験の両方が、主体性を少しずつ育てていきます。 

よくある質問(FAQ)

Q. 主体性と自主性、どちらが上位の概念ですか?

上下関係ではなく役割の違いです。目的設定や意思決定にまで踏み込む主体性は、特にマネジメント層・リーダー層で重視される傾向にあります。

Q. 新入社員には、主体性と自主性のどちらを求めるべきですか?

新入社員の場合は、まず自主性を発揮しやすい環境や役割を整えることが現実的です。仕事全体への理解が深まるにつれて、主体性を徐々に発揮できるようになっていきます。

Q. 主体性は研修だけで身につきますか?

研修や個人への働きかけだけで完結するものではありません。心理的安全性の高い環境があってこそ発揮されやすく、オフィス空間デザインやアウトドア研修のような環境・体験の設計も有効です。

主体性を育む環境づくりをご検討の方は、ぜひご相談ください

主体性は、個人の意識や努力だけでなく、挑戦や発言が受け入れられる「場」の設計によっても育てられます。

スノーピークビジネスソリューションズでは、オフィス空間デザインアウトドア研修という2つのアプローチから、組織の主体性や心理的安全性を育む環境づくりをご支援しています。

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