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【さぁ、そろそろ、焚火を囲んで話そう_Vol.38】
内省の組織文化を育てる

【さぁ、そろそろ、焚火を囲んで話そう_Vol.38】
内省の組織文化を育てる

スノーピークビジネスソリューションズ代表の坂田です。

このコラムでは、私たちの会社が大切にしている価値観や目指す未来について、みなさまにお伝えしていきたいと考えています。

読んでくださった方にとって、新たな「気づき」となり、日々の暮らしや働き方がよりイキイキとワクワクするものになれば幸いです。

行動の文化と、内省の文化

企業経営において、「行動すること」は重要なことの1つです。

私たちも日々、変化の激しい時代の中で、素早い意思決定と実行を繰り返すように意識して取り組んでいます。

 

組織というのは結果が直接伴うため、「行動する文化」を作るのは比較的得意だと思います。

目標を掲げ、そこに向かって走る。これは多くの企業が自然と行っていることです。

 

一方で、「内省する文化」を作る企業は決して多くありません。

結果が出るまでに時間がかかるうえに、「立ち止まること」がどこか後退しているように感じられて、不安につながってしまうのかもしれません。

 

しかし、前に進むことだけに意識が向いてしまうと、同じ石につまずいたり、目指す場所にたどり着けなかったりして、結果として成長速度が落ちてしまうことがあります。

脳とシナプス、そして問題解決能力

そもそも、なぜ「内省」が必要なのか。

精神論だけでなく、少し科学的な視点からも考えてみたいと思います。

 

どうやら人が内省するとき、脳内では神経細胞(ニューロン)のつながりが強まり、
シナプスが活性化することで “脳の回路が再編成されている” と言われています。

 

日々の出来事を思い出し、意味づけを行うプロセスそのものが、脳の活性化につながっています。

 

私自身、内省を習慣にすることで、特に「思考力」や「問題解決能力」が向上していると実感しています。

 

ただ経験するだけでは、それは「点」の情報に過ぎません。

しかし、振り返ることによって点と点がつながり、線となり、面となる。

 

そうやって脳内のネットワークが密になることで、複雑な問題に直面した時にも、「あ、これはあの時のパターンに近いな」とか「この現象の本質はここにあるのではないか」といった、解決への糸口が素早く見つかるようになるのだと思います。

 

「リフレクションノート」の導入と、意外な発見

「リフレクションノート」の導入と、意外な発見

私は「5年日記」というものを毎日書き留めています。現在、2冊目に入りました。 5年日記というのは面白いもので、去年の今日、自分が何を考えていたかが一目でわかります。

 

毎日内省をしながら振り返る時間は、一日を再度頭の中で過ごすので、1日1日が濃く感じられます。

毎日ほんの少しでも成長できたことを実感できると、次の日もまた少しでも成長できるようにアクションを変えて、能動的に様々な仕事に取り組むようになっていきます。

 

そんな内省の力を、もっと組織全体の力にしていきたいと考えて、最近自社で「リフレクションノート」というツールをリリースしました。

これは、1日を振り返るための専用の用紙です。

 

項目はシンプルです。仕事でもプライベートでも構いません。

「今日良かったこと」「もっとやれたこと」「明日へチャレンジしたいこと」「感謝すること」、そして「自分で決めている日々のルーティンの振り返り」

 これらを書き出すことで、毎日少しでも成長を実感できるように設計しました。

 

実際にこれを社内で展開してみて、分かったことがあります。

それは、私が想像していた以上に、メンバーが内省に対してポジティブだったということです。

 

「内省ってどうやればいいのか分からなかったけれど、興味はあった」というメンバーもいれば、驚いたことに「もう20年以上、日記を続けています」というベテラン社員もいました。

意外と多くのメンバーが、社会人として、あるいは一人の人間として、日々自分と向き合うことを大切にしていたのが大きな発見でした。

 

それであれば会社として内省の仕組みを積極的に提供し、みんなでやってみたことをシェアし合う、お互いの気づきを高め合っていく、そんな風土を作ることができれば、会社の「強さ」はより本物になっていくのではないかと感じています。

 

 

「やりっぱなし」にしない研修

この考え方は、私たちが提供している研修サービスにも反映されています。 私たちの研修では、何かワークを行った後、必ず振り返りの時間を設けています。

 

「何を感じ取ったか」 「この研修を通じて何を得たか」 「明日から何をチャレンジするのか」

これらを言語化してもらいます。

 

体験した直後の熱量のまま終わらせるのではなく、内省を通じて起こった出来事を「抽象化」し、脳の記憶に定着させます。そうすることで、研修から日が経っても、「あの時の学びは、今のこの状況に使えるぞ」と思い出しやすい状態(検索可能な状態)に仕上げることができます。

できない日は、斜線でいい

できない日は、斜線でいい

内省をしていくにあたって気を付けたいことは、「無理に書かなくてもいい」ということです。

 

内省をして振り返りを行うことは、最初はとても難しい作業です。

なぜなら、物事を一つの側面からだけでなく、様々な角度から見る視野がまだトレーニングできていないからです。

 

「今日は何もなかったな」「失敗ばかりで書くのが辛いな」と思う日もあると思います。そんな時は、無理にひねり出そうとせず、リフレクションノートにさっと斜線を引いて「今日は書かない」と決めてしまうのが良いと思います。

 

一番良くないのは、「やらなきゃいけない」という義務感で内省自体が重たいものになってしまうことです。

重荷になって続かなくなったり、数日休んだだけで「もう復活できない」と諦めてしまったりするのが一番もったいないです。

 

重要なのは、続けることです。

続けていくうちに、少しずつ視点が増えていきます。

 

 

最初は「失敗した」としか思えなかった出来事も、あらゆる角度から捉える力がついてくると、「これは自分の課題に気づくチャンスだったんだ」「この経験のおかげで、次はもっとうまくやれる」と、前向きに状況をリフレーム(再構築)できるようになります。

 

この物事を「リフレームする力」を上げていくことこそが、内省の醍醐味であり、人生を豊かにするスキルなのだと思います。

 

未来のために投資として使う時間

リフレクションの時間を、「仕組み」として持つこと。

それは、派手な成果やすぐに目に見える数字ではないかもしれません。

しかし、自分自身の脳を活性化させ、リフレームする力を高め、組織の信頼を育む、未来を変えるために最も重要な投資的な時間の使い方だと私は思います。

 

まずは一日の終わり、ほんの5分でも構いません。

今日という一日を、振り返ってみてはいかがでしょうか?

 

そこにはきっと、成長した自分を発見することや、明日への新しい種が埋まっているはずです。

年末のご挨拶

今年一年、コラムを通してご一緒できた時間に感謝しています。
来年も共に、より良い未来をつくっていければ嬉しく思います。
どうぞ良いお年をお迎えください。

坂田 真也(さかた・しんや)
Profile

坂田 真也(さかた・しんや)

代表取締役社長

2009年に入社し、システム営業部に配属され1,000社以上の製造現場を回り、システム提案及び導入支援を行う。​
2015年よりクラウドソリューション事業の責任者となり、コンサルティング業務を確立させ、顧客の様々な業務効率化や働き方改革を支援。
その後、ビジネスにアウトドアを取り入れたキャンピングオフィス事業の責任者や、スノーピークグループのDX支援を推進する責任者を歴任し、2024年に代表取締役社長に就任。

坂田 真也(さかた・しんや)
Profile 坂田 真也(さかた・しんや)

代表取締役社長

2009年に入社し、システム営業部に配属され1,000社以上の製造現場を回り、システム提案及び導入支援を行う。​
2015年よりクラウドソリューション事業の責任者となり、コンサルティング業務を確立させ、顧客の様々な業務効率化や働き方改革を支援。
その後、ビジネスにアウトドアを取り入れたキャンピングオフィス事業の責任者や、スノーピークグループのDX支援を推進する責任者を歴任し、2024年に代表取締役社長に就任。

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