スノーピークビジネスソリューションズ代表の坂田です。
このコラムでは、私たちの会社が大切にしている価値観や目指す未来について、みなさまにお伝えしていきたいと考えています。
読んでくださった方にとって、新たな「気づき」となり、日々の暮らしや働き方がよりイキイキとワクワクするものになれば幸いです。
スノーピークビジネスソリューションズ代表の坂田です。
このコラムでは、私たちの会社が大切にしている価値観や目指す未来について、みなさまにお伝えしていきたいと考えています。
読んでくださった方にとって、新たな「気づき」となり、日々の暮らしや働き方がよりイキイキとワクワクするものになれば幸いです。
「人的資本経営」という言葉を耳にする機会が、ここ数年で一気に増えました。
人材をコストではなく資本として捉え、その価値をいかに高めていくか。
経営にとって非常に重要な視点だと思います。
一方で、この言葉が語られる場面を見ていると、どうしても「研修をどうするか」「制度をどう設計するか」「スキルをどう可視化するか」といった話に進んでいくことが多いようにも感じます。
もちろん、それらは必要な取り組みですし、実施されていくべきものだと思います。
ただ、私自身がこれまで多くの組織と関わる中で強く感じているのは、人的資本経営の出発点は、実はそこではないのではないか、ということです。
最初に整えるべきなのは、「人と人との関係性」だと思います。
どれだけ優れたスキルを持っていても、どれだけ高い専門性を備えていても、人は「安心して話せない」「否定されるかもしれない」「助けを求めづらい」環境では、本来の力を発揮することができません。
これは能力の問題というより、人間としてごく自然な反応だと思います。
・わからないことを、わからないと言える
・失敗を、失敗として共有できる
・困ったときに、誰かに頼れる
こうした状態があるからこそ、人は挑戦し、学び、成長していきます。
逆に言えば、関係性が硬直したままでは、どれほど立派な研修や制度を用意しても、表面的な成果に留まってしまうのではないかと思います。
人的資本経営とは、人に「何を与えるか」の前に、人が力を出せる状態をどうつくるかが問われる営みだと思います。
では、どうすれば関係性は良くなるのでしょうか。
「もっとコミュニケーションを増やそう」
「心理的安全性を大切にしよう」
こうしたメッセージを掲げる企業も多いですが、言葉や意識だけで関係性が変わることは、実はそれほど多くありません。
むしろ、日常の環境や場のあり方が、関係性を無意識のうちに形づくっているケースの方が多いように思います。
いつもの会議室
いつもの席配置
いつもの進め方
これらは一見中立に見えますが、知らず知らずのうちに上下関係や役割意識を固定し、「本音を言いにくい空気」を生んでしまうことがあります。
だからこそ、環境そのものを変えてしまうというアプローチが、関係性づくりにはとても有効だと私たちは考えています。
私たちが提供している「キャンピングオフィス」は、単にオフィスをキャンプ風にする取り組みではありません。
テーブルやチェアを自分たちで動かし、場をつくる
自然素材に触れ、五感が刺激される
肩書きよりも「人」として向き合いやすくなる
こうした要素が重なることで、いつもの職場とは違う関係性が自然と立ち上がってきます。
不思議なことに、特別なアイスブレイクをしなくても、
「こんな話があってですね」
「それ、面白いですね」
そんな言葉が生まれやすくなっています。
これは、無理に仲良くさせているわけではありません。
安心して話せる空気が、環境によってつくられているのだと思います。
キャンピングオフィスは、関係性を直接「改善」するものではありません。
関係性が育ちやすい土壌を、そっと整える装置だと捉えています。
関係性が整うと、人の思考や行動は少しずつ変わっていきます。
発言量が増える
挑戦が生まれる
学び合いが起きる
そして結果として、個人の成長やチームの成果につながっていきます。
この順番を飛ばして、いきなりスキルや成果だけを求めてしまうと、人的資本経営はどこか苦しいものになってしまうと思います。
人的資本経営とは、人に投資することではありますが、
その最初の投資先は「人と人との関係性」だと思います。
安心して働ける関係があり、
互いを信頼できる空気があり、
人として向き合える場がある。
そこから、人の力は自然と立ち上がってくると私たちは信じています。