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【さぁ、そろそろ、焚火を囲んで話そう_Vol.13】
非日常が、組織の本音を引き出す

【さぁ、そろそろ、焚火を囲んで話そう_Vol.13】
非日常が、組織の本音を引き出す

スノーピークビジネスソリューションズ代表の坂田です。

このコラムでは、私たちの会社が大切にしている価値観や目指す未来について、みなさまにお伝えしていきたいと考えています。

読んでくださった方にとって、新たな「気づき」となり、日々の暮らしや働き方がよりイキイキとワクワクするものになれば幸いです。

自然がつくる“心理的安全性”

「普段の会議室では語れないことも、自然の中なら話せる」。
私たちが提供しているキャンプ型の組織開発プログラムでは、そんな声を多く耳にします。自然環境のなかに打ち合わせスペースを作るだけで、また焚火を囲みながら、日常では交わされなかった言葉が飛び交い、チームの空気が変わっていく──このような変化は、オフィスではなかなか起きません。

その理由のひとつが、「自然が生み出す心理的安全性」だと思います。

 

澄んだ空気ややわらかな光、風が肌にあたる感覚、木々の新鮮な香り──自然に身を置くことで、人は警戒をゆるめ、本来の自分に戻る感覚もあり、気持ちはおおらかになって、周りの人たちに対して自然と優しくなれる、そんな状態になっていきます。こうした環境は、一人ひとりが持っている本来の人間性を回復させ、人間関係の“土壌”をゆるやかに耕してくれるようになります。

キャンプが育む“主体性と関係性”

キャンプが育む“主体性と関係性”

キャンプでは、タープを張る、火を起こす、食事を作るなど、様々な共同作業が必要になります。ここで必要なのは、特別なスキルではありません。「誰かが困っていそうだな」と感じたときに、ちょっと声をかけてみる。自分にできそうなことを見つけて動いてみる。それだけでチームはうまく回り始めます。キャンプやBBQをやっている時等にみなさんも経験されたことはないでしょうか?

 

これは、職場でも同じことが言えます。仕事の中には「誰がやってもいい仕事」がたくさんあります。そうした場面で、誰かが主体的に動き、助け合いの一歩を踏み出すことができれば、組織全体が強くなっていきます。

反対にその一歩が遅れる組織は、その遅れが積み重なり、負の連鎖が起こり始め、「それは自分の仕事ではありません」という空気がまん延して組織全体が弱くなっていってしまいます。

 

キャンプの中では、“声かけ”や“主体的な動き”を自然に試せる機会がたくさんあります。しかもそれを、家族や友人ではなく、普段は業務的なやりとりをしている同僚と経験することが、関係性に変化をもたらします。上下関係や肩書きを越えて、人と人としてつながる感覚。これが、私たちのアウトドア研修の最大の価値だと感じています。

非日常の学びを、日常へつなぐ

一方で、こうした体験が“一過性のイベント”で終わってしまっては意味がありません。せっかく育まれた関係性や気づきも、日々の業務の中で風化してしまっては本末転倒です。

そこで私たちは、研修後の職場においてもアウトドアの要素を取り入れた「キャンピングオフィス」の導入を推進しています。アウトドアテーブルやチェアが並ぶキャンプ風デザインのスペースに焚火のイミテーション、それを囲みながらゆったりと座ることができるローチェア──これらはただの装飾ではなく、“声をかけやすい関係性”をオフィスの中にも再現するための仕掛けです。

 

イメージしてみてください。いわゆる昔ながらのオフィスデザインの環境のなかで様々な部門の人たち同士が活発に会話を繰り広げるでしょうか?

 

そもそも以前はオフィスで働くひとたちには効率的に業務を遂行できるよう、集中して取り組める設計や部門内のメンバーがすぐに報連相できるような設計になっていたと思います。

 

現代に求められるのは、複雑になっていく社会課題を柔軟に対応し、スピード感をもって取り組む姿勢なので、働く環境も1つの部署だけでなく、複数の部署の意見が活発に出やすい環境に変化させていくべきだと思います。

 

キャンプで変化した人間関係を、日常でも維持・発展させていく。そのために日常を過ごすオフィスの中の環境を変化させ体験価値を高める。これが、私たちが大切にしている“協働体験デザイン”です。

人事と総務をつなぐ、経営視点での変革

人事と総務をつなぐ、経営視点での変革

とはいえ、こうした組織の活性化を実現するためのアプローチを企業全体に導入するには、ひとつの課題があります。それは、「部門の壁」です。研修は人事部門が担当し、オフィス環境は総務部門が担っている。そうした縦割りの組織では、横ぐしでの取り組みがあまり無く、本来組織を活性化させるためには人事部門も総務部門も連携して取り組んでいくことが必要ですが、それぞれの部門の業務分掌で定められた範囲の業務を遂行されているため、アウトドア研修とキャンピングオフィスの両方を導入するのが難しいこともあります。

 

しかし、本質的な組織変革には、体験と空間の両面からのアプローチが必要です。そのためにも、私たちは経営層の方々と直接対話し、部門を横断した連携による組織開発の重要性を伝えています。

社員が人間らしく働き、助け合い、信頼し合える文化を育てていくために。私たちは働くシーンに自然がもたらす力を存分に活用し、これからも働く人たちの目を輝かせるべく伴走し続けます。

坂田 真也(さかた・しんや)
Profile

坂田 真也(さかた・しんや)

代表取締役社長

2009年に入社し、システム営業部に配属され1,000社以上の製造現場を回り、システム提案及び導入支援を行う。​
2015年よりクラウドソリューション事業の責任者となり、コンサルティング業務を確立させ、顧客の様々な業務効率化や働き方改革を支援。
その後、ビジネスにアウトドアを取り入れたキャンピングオフィス事業の責任者や、スノーピークグループのDX支援を推進する責任者を歴任し、2024年に代表取締役社長に就任。

坂田 真也(さかた・しんや)
Profile 坂田 真也(さかた・しんや)

代表取締役社長

2009年に入社し、システム営業部に配属され1,000社以上の製造現場を回り、システム提案及び導入支援を行う。​
2015年よりクラウドソリューション事業の責任者となり、コンサルティング業務を確立させ、顧客の様々な業務効率化や働き方改革を支援。
その後、ビジネスにアウトドアを取り入れたキャンピングオフィス事業の責任者や、スノーピークグループのDX支援を推進する責任者を歴任し、2024年に代表取締役社長に就任。

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