スノーピークビジネスソリューションズ代表の坂田です。
このコラムでは、私たちの会社が大切にしている価値観や目指す未来について、みなさまにお伝えしていきたいと考えています。
読んでくださった方にとって、新たな「気づき」となり、日々の暮らしや働き方がよりイキイキとワクワクするものになれば幸いです。
スノーピークビジネスソリューションズ代表の坂田です。
このコラムでは、私たちの会社が大切にしている価値観や目指す未来について、みなさまにお伝えしていきたいと考えています。
読んでくださった方にとって、新たな「気づき」となり、日々の暮らしや働き方がよりイキイキとワクワクするものになれば幸いです。
2026年2月25日から27日まで、幕張メッセで開催された展示会に出展させていただきました。
会場には人事・総務部門向けのソリューションが並び、AIを活用したSaaSサービスが数多く展示されていました。
業務効率化や自動化を掲げるブースが中心で、時代の大きな流れを象徴するような光景だったと思います。
その中で私たちが紹介していたのは、自然体験を通じてチームの絆を深めるアウトドア研修や、キャンプギアを活用してオフィスのコミュニケーションを活性化させる空間づくりです。
会場に多く並ぶAIや効率化のソリューションとは対照的に見える取り組みだったかもしれません。
しかし印象的だったのは、ブースに入られた皆さんの表情がやわらぎ、自然と笑顔になられていたことです。
「応援しています!」と声をかけていただくこともあり、世の中の人たちが本当に求めているものが何なのか、改めて考えさせられる時間となりました。
テクノロジーの活用は、本来、時間を生み出し価値創出を高めるためのものです。
しかし実際には、「便利になったはずなのに忙しさは増えている」という声を多く耳にします。
AIや自動化によって業務が効率化されても、その余白に新たな業務が詰め込まれ、息つく間もなく働き続けている。
そんな「AI疲れ」「効率化疲れ」とも言える状態が生まれているように感じます。
重要なのは、テクノロジーの活用そのものではなく、それによって何を目指すのかという視点です。
テクノロジーはあくまでも道具であるという認識を持ち、行き過ぎないバランスを保ちながら、人が人らしく働ける環境を整えていくことが、今まさに求められているのではないでしょうか。
組織の現場を見ていると、「木こりのジレンマ」という寓話を思い出します。
ある木こりが、切れ味の悪くなった斧で必死に木を切り続けていました。
周囲の人が「斧を研いだらどうか」と声をかけても、「忙しくてそんな時間はない」と答えます。
やがて斧の刃はどんどん欠け、ますます木は切れなくなっていきます。
この姿は、現代の組織の状態と重なるように感じます。
本当は関係性を整え、対話を深め、信頼を育てる時間が必要だと分かっている。
それでも日々の業務に追われ、「今は時間が取れない」と後回しにしてしまう。
結果としてチームの連携は弱まり、コミュニケーションコストが増え、さらに忙しさが増していく――。
本来、組織づくりは「斧を研ぐ」営みです。
しかし、その時間を確保できず、刃がこぼれたまま走り続けている組織も多いのではないかと感じます。
私たちのアウトドア研修は、自然の中で1泊2日を共に過ごし、協働体験を通じてチームの関係性を再構築します。
短時間の座学では得られない深い対話と相互理解が生まれ、チームの歯車が噛み合い始めます。
効果は大きいと理解されながらも、「時間が取れない」という理由で実施できずにいる企業も多いと感じています。
その間にも、斧の刃は少しずつ欠け続けているのかもしれません。
組織の力は、一人ひとりの能力が引き出され、チームとして最大化されたときに発揮されます。
その状態を妨げるのが「プロセスロス」です。
一つは、タスク・プロセスの損失。
役割の曖昧さや情報共有不足により、本来の成果が十分に発揮されない状態です。
もう一つは、メンテナンス・プロセスの損失。
信頼関係や心理的安全性の不足により協力関係が築かれず、チームの持続力が低下してしまう状態です。
道具の導入が目的化すると、余白のないオペレーションに追われ、組織は疲弊していきます。
だからこそ、協働の質を高める「組織の状態」を整えることが重要なのだと思います。
では、どのようにして斧を研ぎ直し、組織の力を回復させていくと良いのでしょうか。
私たちが実践し、多くの企業からもご賛同いただいているその第一歩は、日常から少し離れ、関係性を再構築する時間を意図的につくることです。
自然の中で日中は対話やミーティングを行い、夜は焚火を囲み、役職や肩書きを越えて語り合う時間は、人の心を開き、互いの価値観や想いに触れる機会を生み出します。
協働体験を通じて得られる「気づき」は、その後の職場での対話や意思決定の質を確実に変えていきます。
そして日常に戻った後、その関係性を持続させる仕組みとして機能するのが、オフィス空間に設えるキャンピングオフィスです。
オフィスの中で焚火を囲むように自然と対話が生まれるレイアウト、偶発的なコミュニケーションを促す空間、五感を刺激する植栽などの自然素材。
こうした環境は、組織の対話量と心理的安全性を高め、協働を日常的に促します。
非日常の体験で関係性の質を高め、日常の空間でその状態を持続させる。
この循環こそが、組織が本来持っている力を引き出すプロセスだと考えています。
AI時代だからこそ、人が人らしく働ける場をつくること。
その価値は、これからますます大きくなっていくと、展示会の様子を体験してあらためて感じました。
もし、組織の斧を研ぎ直すタイミングだと感じていらっしゃるなら、ぜひ一度その体験に触れていただければと思います。