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【さぁ、そろそろ、焚火を囲んで話そう_Vol.59】
「なぜ」を3回掘ると、組織の本当の姿が見えてくる

【さぁ、そろそろ、焚火を囲んで話そう_Vol.59】
「なぜ」を3回掘ると、組織の本当の姿が見えてくる

スノーピークビジネスソリューションズ代表の坂田です。

このコラムでは、私たちの会社が大切にしている価値観や目指す未来について、みなさまにお伝えしていきたいと考えています。

読んでくださった方にとって、新たな「気づき」となり、日々の暮らしや働き方がよりイキイキとワクワクするものになれば幸いです。

「また同じことが起きた」という既視感

「会議で発言する人が固定化されている」

「思ったことを話せる雰囲気ではなく、心理的安全性が低い」

「管理職が疲弊している」

 

このような声を、企業の方からよくお聞きします。

多くの場合、「すでに何かしらの手を打ってきた」ともおっしゃいます。

 

コミュニケーション研修を実施した。

1on1を導入した。

チームビルディングのイベントを企画した。

 

でも、しばらくするとまた同じ問題が起きてしまう。

 

手を打ってきた担当の方たちは、「なぜ対処したのに変わらないのだろう……」という疑問を抱えていると思います。

とても手ごわい壁に当たっている感覚もあるのではないでしょうか。

 

もしかすると変わらないのは、手を打つ場所が少しずれているからかもしれません。

表面に現れた「症状」には対処してきたものの、その奥にある「原因」まで届いていない可能性もあるのではないでしょうか。

組織の問題には「深さ」がある

組織の問題には「深さ」がある

組織の課題には、大きく3つの「層」があると考えています。

 

 

層1:「症状」

みなさんが課題だと認識しているような、

「本音で話さない」

「新しいアイデアが出てこない」

「特定の人しか発言しない」

といったものを指します。

 

これは誰の目にも見える現象であり、本人たちも自覚していることが多いと思います。

ただ、この層だけを起点に、どれだけ丁寧な研修を設計しても、的外れになってしまうことがあります。

 

 

層2:「構造・関係性の問題」

症状を引き起こしている仕組みや、人間関係のパターンまで掘り下げます。

 

たとえば、

「上に意見を言っても変わらないという体験を繰り返してきた」

「評価に影響しそうで怖い」

といった、組織の中で蓄積されてきた経験値です。

 

この層が見えると、課題の解像度が一段と上がってきます。

 

 

層3:「根本原因」

文化やリーダーシップの構造、過去の出来事が残した傷のようなものです。

 

「トップの発言が強く、異論を言いにくい空気が長年続いている」

「数年前の組織改編で信頼関係が崩れたまま放置されている」

といった、組織の前提となっているような状況です。

 

心理学者クルト・レヴィンも「現象の背景には構造がある」と捉えています。(参考文献【1】)

組織開発の文脈で言えば、見えている問題は氷山の一角に過ぎず、水面下の構造にこそ変化の鍵があります

 

症状だけを見て解決策を打つのは、熱を下げる薬を飲み続けながら、感染の原因を放置するような状態に近いと思います。

「なぜ」を問い続けることで、本質が語られはじめる

どうやってこの3層を見極めるのか。

そのためには、「なぜそうなっているのか」を丁寧に問い続けることが重要だと思っています。

 

私たちが大切にしているのは、「3回聞く」というルールではなく、「層2の状況が見えるまで掘る」という感覚です。

 

たとえば「本音で話せない人が多い」という声(層1)に対して、「なぜそうなっていると思いますか?」と問いかける。

すると、「言っても変わらないという体験が積み重なっている」という言葉が出てきます(層2)。

さらに、「それはいつ頃から、どんな出来事がきっかけでしたか?」と尋ねると、「特定の課長が発言を遮ることがあり、経営がそれを黙認してきた」といった話が出てきます(層3への仮説)。

 

重要なのは、この会話の中で、課題を感じている方がご自身の考えを話していただくという点です。

 

私たちが「御社の問題はこれです」と断定するのではなく、「こういう構造が見えてきましたが、合っていますか?」と問いながら、一緒に確認していくプロセスが大切だと考えています。

ご自身の言葉で語ったことが提案の骨子になってくると、私たちからの提案内容も「自分ごと」になっていきます。

体験が、気づきを「理解」ではなく「行動」に変える

体験が、気づきを「理解」ではなく「行動」に変える

課題の構造が見えたとき、次に考える必要があるのは、「どこから変えるか」です。

私たちが一貫して大切にしているのは、「体験から入る」ということです。

 

たとえば、心理的安全性が低い組織に対して、いきなり「心理的安全性を高めましょう」という研修を提供しても、頭では理解できても身体は動きません。

必要なのは、まず「言っても大丈夫だ」と感じられる体験です。

 

自然の中で、役職を外して、焚火を囲んで話す。

五感が開くことで、人は意外なほど素直に話し合えます。

その瞬間に生まれた感覚や気づきは、座学で学んだ知識よりも、はるかに深く、長く残ります。

 

組織開発の研究においても、知識の習得よりも「感情を伴った体験」のほうが行動変容につながりやすいとされています。

学習理論の観点から言えば、これはコルブの経験学習モデルが示すとおりで、「体験→内省→概念化→実践」というサイクルが、人を本当に変えていきます。(参考文献【2】)

 

私たちが体験型のアプローチにこだわる理由は、流行だからでも、単にアウトドア好きというわけでもなく、「人が変わる仕組み」として、理にかなっているからです。

「症状への対応」から「構造への介入」へ

組織の課題は、表面に見えるものだけを見ていると、永遠にモグラ叩きが続いてしまいます。

 

研修を実施するたびに「よかった」という声は聞こえる。

けれど、半年後には元に戻っている。

 

その繰り返しに疲れている経営者や人事の方に、ぜひ一度考えてみていただきたいと思っています。

 

「今取り組もうとしていることは、層1の症状への対処ですか? それとも層2・層3の構造への介入ですか?

 

この問いに向き合うことが、組織変革の出発点だと思っています。

 

私たちスノーピークビジネスソリューションズは、その問いを一緒に考えていくパートナーでありたいと思っています。

 

診断から設計、体験、そして定着まで。

「単発の研修」ではなく、「組織変革のプロセス」として、ともに歩んでいきたいと考えています。

 

焚火の前では、人は不思議と肩書や役職の「鎧」を外し、「人」として語り始めます。

その場の力を借りながら、組織の深い層にあるものへ、一緒に光を当てていきたいと思います。

参考文献

【1】Lewin, K. (1947). Frontiers in Group Dynamics. Human Relations.

【2】Kolb, D. A. (1984). Experiential Learning: Experience as the Source of Learning and Development.

坂田 真也(さかた・しんや)
Profile

坂田 真也(さかた・しんや)

代表取締役社長

2009年に入社し、システム営業部に配属され1,000社以上の製造現場を回り、システム提案及び導入支援を行う。​
2015年よりクラウドソリューション事業の責任者となり、コンサルティング業務を確立させ、顧客の様々な業務効率化や働き方改革を支援。
その後、ビジネスにアウトドアを取り入れたキャンピングオフィス事業の責任者や、スノーピークグループのDX支援を推進する責任者を歴任し、2024年に代表取締役社長に就任。

坂田 真也(さかた・しんや)
Profile 坂田 真也(さかた・しんや)

代表取締役社長

2009年に入社し、システム営業部に配属され1,000社以上の製造現場を回り、システム提案及び導入支援を行う。​
2015年よりクラウドソリューション事業の責任者となり、コンサルティング業務を確立させ、顧客の様々な業務効率化や働き方改革を支援。
その後、ビジネスにアウトドアを取り入れたキャンピングオフィス事業の責任者や、スノーピークグループのDX支援を推進する責任者を歴任し、2024年に代表取締役社長に就任。

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