スノーピークビジネスソリューションズ代表の坂田です。
このコラムでは、私たちの会社が大切にしている価値観や目指す未来について、みなさまにお伝えしていきたいと考えています。
読んでくださった方にとって、新たな「気づき」となり、日々の暮らしや働き方がよりイキイキとワクワクするものになれば幸いです。
スノーピークビジネスソリューションズ代表の坂田です。
このコラムでは、私たちの会社が大切にしている価値観や目指す未来について、みなさまにお伝えしていきたいと考えています。
読んでくださった方にとって、新たな「気づき」となり、日々の暮らしや働き方がよりイキイキとワクワクするものになれば幸いです。
私たちは「体験したこと」を、なかなか忘れません。それはなぜでしょうか。
たとえば、幼い頃のキャンプでの思い出。冷えた朝に飲んだ温かいスープの味、薪を割ったときの感触、森の静けさに混じって聞こえてきた鳥の声。そういった体験は、年月が経っても、驚くほど鮮明に思い出すことができます。
これは、私たちの記憶が視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚といった「五感」と結びついて記録されるからです。つまり、五感を通じて得た学びは、より深く、長く、心に残るのです。
スノーピークビジネスソリューションズが提供するアウトドア研修は、この「五感での学び」を研修設計の軸としています。
私たちは、自然の中でタープやテントを張って会議室を作る、焚火を囲む、食事を共にする――こうした身体を使った協働体験を通じて、参加者が“感じる”ことを大切にしています。
その中で起こるのは、「気づき」です。
タープやテントを協力し合いながら張っていくとき、自然と声を掛け合いながら進めていきます。このちょっとした設営のための声の掛け合いがあるだけで、お互いの心の壁は無くなっていくことに気づきます。
普段のオフィスのなかで、この“ちょっとした声の掛け合い”が無い職場になってしまっていると、重要な報告が遅れることや、とても良い事例やアイデアの共有が無くなってしまうこともあります。
さらにはアウトドア研修ではチームで協力しなければならない場面、うまくいかないときに助け合う瞬間、そうした状況に自分自身が置かれたとき、普段の働き方や人との接し方に、自然と疑問や発見が生まれます。
この“気づき”こそが、行動変容の第一歩です。
アウトドア研修では、ただ自然に触れるだけでなく、“人と人が協力して何かを成し遂げる”ことが求められます。雨が降れば協力してタープの張り方を工夫する、食事の準備を一緒に行う、焚火の火がつかないときに知恵を出し合う。
そうした「協働体験」は、職場では見えにくいその人の本質を浮かび上がらせ、肩書きや立場を超えた関係性を育てます。結果として、良好な人間関係の基盤が自然と築かれていくのです。
この人と人との“つながり”が、組織変容の土台をつくります。
自然の中では、普段の自分と少し違う自分が現れます。無意識に身につけた仕事上の「仮面」や「思考のクセ」も、自然というフィールドでは少しずつ剥がれ落ちていきます。
たとえば、いつも強く意見を言うリーダーが、火起こしに苦戦して仲間に助けを求める場面があるかもしれません。あるいは、普段は控えめな人が、道具の扱いに長けていて一目置かれる場面もあるでしょう。
そうした非日常的な環境でこそ、人は自分自身のパターンに気づき、チームの中でのあり方を見つめ直すことができます。
私たちが目指しているのは、知識を“理解する”だけで終わらせる研修ではありません。
自然のなかで得た“感覚的な気づき”が心に残り、それがやがて「自分の行動を変えてみよう」というエネルギーにつながっていく。そのプロセスこそが、アウトドア研修の価値です。
実際に研修後、参加者からは「会議での言葉の選び方が変わった」「メンバーと本音で話すきっかけが増えた」といった声を多くいただいています。これは、学びが「感覚レベル」にまで届いている証拠です。
スノーピークビジネスソリューションズのアウトドア研修は、単なるアウトドア体験ではありません。人が変わるきっかけをつくり、そこから組織が変容するための“本質的な学びの場”です。
私たちは、これからも「五感で学ぶ」体験を通じて、働く人たちの心に残る気づきを届けていきたいと考えています。