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<対談前編>
“ありたい姿”に向かって一つになる「組織活性化支援」
株式会社ニッポー様

<対談前編>
“ありたい姿”に向かって一つになる「組織活性化支援」
株式会社ニッポー様

昨今、多くの組織で取り入れられている「働き方改革」。労働人口の減少という社会課題を発端に、社員の働きやすさ、働きがいの向上、ひいてはエンゲージメント向上、コミュニケーション活性化など、さまざまな視点から組織変革、組織活性化に取り組む企業が増えています。

 

私たちスノーピークビジネスソリューションズ(以下、SPBS)は、組織変革のための支援をさまざまな手法で行っており、その一つが株式会社ニッポー様と共に取り組んでいる「組織活性化支援」です。スノーピークが貫くミッション経営、そしてSPBSが自ら実践してきた組織づくりのあり方を軸に組織を活性化する手法とはどういったものなのでしょうか。株式会社ニッポーの代表取締役社長・日吉裕哉氏とSPBSの本プロジェクト支援担当である坪内による対談をお届けします。(後編

 

>>ニッポー様の組織活性化支援のキックオフとして開催したアウトドア研修の事例記事はこちら

 

 

組織活性化で目指すもの

組織活性化で目指すもの

“ありたい姿”に向かって一枚岩になれる組織をつくる

---さっそくですが、ニッポー様が取り組んでいる組織活性化の概要について教えてください。

 

日吉社長(以下、日吉):弊社は大正9年に創業し、広島を拠点に機械の製造・開発、輸送・梱包までをトータルで担う会社です。2023年春に私が代表取締役社長に就任したタイミングで、SPBSさんの支援のもと組織活性化プロジェクトをスタートしました。

 

目指しているのは、弊社のミッション・ビジョン・バリューが社員に浸透し、事業所や世代の垣根を超えて一枚岩になれる組織をつくること。会社のこれからを担う課長や部長といった中間管理職層をコアメンバーとし、さらにコアメンバーを支える若手のサポートメンバーを加えた計21名を組織活性化のプロジェクトメンバーに選任し、取り組んでもらっています。

 

---プロジェクトスタート前に何か課題を感じていたのでしょうか?

 

日吉:一言でいうと「仕事をするための組織」になっていたということです。会社としては当たり前の姿かもしれませんが、ただ仕事をするためではなく、豊かなコミュニケーションがあって、ニッポーにいることで人間として成長でき、会社のことを誇りに思える。そんな組織にしていきたいという想いがありました。また、良好な人間関係を構築し、社員に気づきを促すというSPBSさんが支援する組織活性化プロジェクトを推進することが、社員の成長の機会にもなるだろうと考えました。

 

坪内:ご相談いただいた当初から、ニッポーさんの社内に目に見えて課題があったわけではありません。コアメンバーの皆さんは仕事で顔を合わせる機会も多いことから、メンバーの皆さんの関係性に課題は感じなかったですし、何より日吉社長の社員に対する愛情が深いと感じていました。その上に、“ありたい姿”に向かって組織を一つにしていくのだという日吉社長の強い想いがありました。

 

---日吉社長が目指す“ありたい姿”とは、どのようなものですか?

 

日吉:弊社は、「モノ運び、モノづくりを通じて世界中の人々の生活を支える」というミッション、「ニッポーで働くことで物理的にも人間的にも豊かになれるような会社を目指す」というビジョン、そして「挑戦(チャレンジ)、団結(チームワーク)、安全・安心」の3つをバリューとして掲げています。

 

私たちが日々行っている業務、例えば釘を打ったり、ボルトを締めたり、製品を梱包したりすることは、大げさではなく世界経済を支える一端となっています。自分が関わったものが世界のどこかで誰かを支え、不具合があれば困る人がいる。それだけ重要な仕事を担っているという広い視野と誇りをもって目の前の仕事に取り組んでほしい。高い意識をもつプロ集団でありたいというのが、ミッションに込めた“ありたい姿”です。

 

ビジョンに込めたのは、人を何より大切にする会社でありたいという想いです。異なるバックグラウンドをもつ人たちが集まって同じ目標に向かって協力してもらうためには、どれだけ会社が人を大切にしているかが重要です。愛のある環境下で心を込めて人を育て、働くことで物理的にも人間としても豊かに成長できる。そんな姿を目指しています。

 

坪内:日吉社長が「誰一人として作業者ではない」と、おっしゃっていたことが印象に残っています。日々の仕事が変化のないルーティーンに見えてしまうことは誰しもあると思います。そんなときに、会社のミッション・ビジョン・バリューがしっかりと根づいていれば、自分のやっていることの意義や、“ありたい姿”に向かって進んでいるという充足感を感じながら仕事に取り組むことができます。ニッポー様は100年の歴史をもつ伝統ある会社ですが、人を大切にしてより良く変わっていこうとする姿勢があり、それが次の100年につながっていくのだろうと思います。

SPBSによる組織活性化支援とは

SPBSによる組織活性化支援とは

“良好な人間関係”をベースに組織力を高める

---SPBSが行う組織活性化支援の特徴を教えてください。

 

坪内:SPBSでは組織変革のための支援をさまざまな角度から行っていますが、そのすべては、“良好な人間関係”の構築がベースとなっています。例えばアウトドア研修は、自然の中という普段のビジネスシーンとは異なる開放的な環境に身をおいて仲間と対話することで、感情が大きく動き、関係の密度が高まります。

 

そこから、スパイラル的に組織力を向上させることを目指して、組織風土を醸成し、組織文化を形成していくのが組織活性化支援です。組織の“現状”と“ありたい姿”をヒアリングし、“ありたい姿”に向かうためのロードマップを示し、中長期的に支援していきます。

 

大切にしているのはメンバーによる対話です。組織活性化は私たちがやるものではなく、組織のメンバーに主体的にやっていただくものです。ですから、講演を聞いてインプットするといった受動的な関わり方ではなく、メンバー同士が対話を繰り返して理解を深め、対話によって周りのメンバーを巻き込んでいってもらうことが重要です。アウトドア環境でワークショップを行うなど、会議室で話すより参加メンバーが積極的に発言できる環境づくりもサポートいたします

 

また、組織活性化プロジェクトがうまくいくためのコツとして「WHYの合意形成」と「プロセス共有」を重要視しています。なぜこのプロジェクトをやるのかメンバー全員が納得して合意していること(WHYの合意形成)、そしてそのプロセスに関わること(プロセスの共有)でプロジェクトを自分事化している状態です。そのためにも、対話やディスカッションによってプロジェクトの意義や会社のミッション・ビジョン・バリューへの理解を深め、さらにミッション・ビジョン・バリューを自分事化してもらいます。頭で理解するだけでなく、感情にもフォーカスしますので、プロジェクトメンバーの皆さんは頭も心もフル稼働していると思います。

 

---ニッポー様がSPBSの支援で組織活性化に取り組むことにした決め手はなんだったのでしょうか?

 

日吉:新入社員研修として、SPBSさんのアウトドア研修を取り入れてはどうかと社員から提案があったことがはじまりです。アウトドア研修がどういったものか聞いたところ、自ら考え、自ら動く主体性を育むことに重きを置いたものでした。それであれば、会社のこれからを担っていく中間管理職層にぜひ受けてもらいたいと思って、あらためて坪内さんに相談しました。

 

坪内:日吉社長からは、中間管理職層をメインに腰を据えて長期的に人材育成に取り組んでいきたいという覚悟をお聞きしました。そこで、3年にわたる組織活性化支援によって、“ありたい姿”へ向かうロードマップを提示しました。

 

日吉:坪内さんから示してもらった3年後のニッポーの姿というのは、まさに私の目指す姿と合致していました。組織活性化の支援策も期待できるプログラムになっていて、これならじっくりと人材育成に取り組んでいけるだろうという期待がありました。

組織力を高めるステップ

組織力を高めるステップ

段階を踏み、強靭な根っこを育てていく

---ニッポー様の組織活性化支援は3年に及ぶプロジェクトとのこと。具体的な支援の流れや手法を教えてください。

 

坪内:2023年春からスタートし、最初の1年間はプロジェクトのコアメンバーに向けて、主体性を引き出し、プロジェクトオーナーとしての自覚をもっていただく意識改革に取り組みました。具体的には、自己内省と対話の時間を設けて、皆さんに会社のミッション・ビジョン・バリューを自分なりの解釈に落とし込み、“ありたい姿”に向かうために必要なアクションを考え、実行していただきました。

 

プロジェクト2年目となる2024年は、コアメンバーに加えてサポートメンバーにもセッションに参加していただき、個人単位から事業所単位に範囲を広げて、必要なアクションを考え、実行していくフェーズになっています。全社員を対象にヒアリングした「働きやすさアンケート」を参照したり現場に追加でヒアリングしたりしながら、事業所単位でミッションを策定し、具体的な施策を考えていただきます。

 

そして3年目は、事業所単位からさらに範囲を広げて、全社的にビジョン・ミッション・バリューを浸透させ、“現状”と“ありたい姿”を一致させていくフェーズです。日吉社長もおっしゃっている通り、会社の風土は一朝一夕で変革できるものではありません。3年間根気強く向き合っていただき、組織力を高めるために土壌を地ならしし、栄養を与え、強靭な根っこを育てていきます。

 

 

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