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アンラーニングとは?意識改革は『学びほぐし』の場づくりから

アンラーニングとは?意識改革は『学びほぐし』の場づくりから

アンラーニングとは?

アンラーニングとは、これまで身につけてきた知識や価値観、仕事の進め方を振り返り、今の状況に合わなくなったものを手放して、新たな学びを受け入れることです。「学びほぐし」とも呼ばれます。

ビジネスの現場では、過去の成功体験や慣習が、新しい考え方や働き方を取り入れる際の障壁になることがあります。アンラーニングは、そうした固定観念を見直し、変化に応じて行動を変えていくための取り組みです。

たとえば、次のような行動がアンラーニングにあたります。
 

  • ◾️ 仕事の進め方を見直す: 慣例として続けてきた業務を振り返り、より効率的な方法を取り入れる。
     

  • ◾️ 他者の意見を受け入れる: 自分の経験だけを基準にせず、異なる立場や世代の考え方に耳を傾ける。
     

  • ◾️ 過去の成功体験を問い直す: 以前は有効だった方法が、現在の環境にも適しているかを考える。
     

アンラーニングは、これまでの経験や知識をすべて否定することではありません。経験から得た強みを活かしながら、今の環境に合わない考え方や習慣を見直すことが重要です。

アンラーニングとリスキリングの違い

アンラーニングとリスキリングは、どちらも変化の大きい時代に必要とされる取り組みですが、目的が異なります。

  • ◾️ アンラーニング: 既存の知識や価値観、仕事の進め方を振り返り、必要に応じて見直すこと。
     

  • ◾️ リスキリング: 新しい業務や役割に対応するために、必要な知識やスキルを学び直すこと。
     

たとえば、デジタルツールを導入する場合、従来のやり方に固執せず業務の進め方を見直すことがアンラーニングにあたります。そのうえで、ツールの操作方法やデータ分析の知識を身につけることがリスキリングです。

アンラーニングで既存の考え方を見直し、リスキリングで新たな知識やスキルを身につける。このように両者を組み合わせることで、学んだことを実際の業務に活かしやすくなります。

なぜ今、アンラーニングが必要なのか

アンラーニングが注目されている背景には、企業や個人を取り巻く環境の変化があります。

1. ビジネス環境の変化が速くなっている

現代は、変動性(Volatility)、不確実性(Uncertainty)、複雑性(Complexity)、曖昧性(Ambiguity)が高い「VUCAの時代」といわれています。デジタル技術の進化や市場環境の変化、顧客ニーズの多様化などにより、将来を予測することが難しく、これまでの成功パターンが通用しなくなる場面も増えています。

こうした環境では、過去に身につけた知識や経験に頼るだけでなく、状況の変化に応じて、これまでの考え方や仕事の進め方を見直すことが重要です。過去の成功体験を大切にしながらも、状況に応じて仕事の進め方を見直す姿勢が求められています。

VUCAについての詳しい内容は「VUCAからBANIへ——心理的安全性は『場』からつくれる」で説明しています。

2. 多様な価値観を持つ人との協働が増えている

年齢や職種、経験、働き方が異なる人と協力する機会が増えるなか、自分にとって当たり前の考え方が、ほかの人にも当てはまるとは限りません。
自分の価値観だけを基準にせず、異なる意見を取り入れることが、よりよい意思決定やチームでの協働につながります。

3. 自律的なキャリア形成が求められている

働き方やキャリアの選択肢が広がるなか、従業員自身が必要な知識やスキルを考え、主体的に学ぶことが重要になっています。
そのためには、新しいことを学ぶだけでなく、過去の経験や思い込みを振り返り、今後の成長に必要なものを選び直すことも大切です。
主体性についての詳しい内容は「主体性は、育つもの。主体性と自主性の違いを知る」で説明しています。

アンラーニングによって期待できる効果

アンラーニングは、個人の成長だけでなく、組織の変化やチームでの協働にもつながる可能性があります。

◾️ 新しい知識や方法を取り入れやすくなる
従来のやり方にとらわれず、別の方法を検討できるようになると、新しい知識や技術を業務に取り入れやすくなります。
変化に応じて仕事の進め方を柔軟に調整することにもつながります。

◾️ 自分の強みや課題を捉え直せる
これまでの経験や行動を振り返ることで、自分が得意とすることや、無意識に続けている習慣に気づくきっかけになります。
自身の強みを活かしながら、改善すべき点を見つけやすくなります。

◾️ チーム内の対話や協働が促される
自分とは異なる意見や価値観を受け止める姿勢は、チーム内での対話を促します。互いの考え方を理解し、新しいアイデアや解決策を生み出す土台にもなります。
こうした効果を得るには、個人の意識だけに任せるのではなく、安心して意見を交わし、これまでのやり方を見直せる環境を整えることも重要です。

アンラーニングの実践方法4ステップ

アンラーニングを日々の仕事に取り入れるには、いきなり従来のやり方を変えるのではなく、振り返りから始め、段階的に行動へつなげることがポイントです。

STEP1:これまでの経験や習慣を振り返る

まずは、自分が日常的に行っている仕事や判断の仕方を振り返ります。
 

  • ・ なぜ、この方法を続けているのか

  • ・ 以前は有効だったが、今は合わなくなっていることはないか

  • ・ 自分の考え方が、ほかの選択肢を狭めていないか
     

こうした問いを通じて、無意識に続けている習慣や、見直す余地のある考え方を洗い出します。

STEP2:ほかの人の意見や新しい視点を取り入れる

自分だけで振り返ると、これまでの価値観や経験を基準に考えてしまうことがあります。

同僚や上司、異なる職種の人など、自分とは違う経験を持つ人の意見を聞くことで、これまで気づかなかった視点を得られます。社外の人との交流や、普段とは異なる環境での体験も、新たな気づきにつながります。

STEP3:手放すことと残すことを整理する

振り返りや対話で得た気づきをもとに、今後も活かしたい強みと、見直したい考え方や習慣を整理します。
大切なのは、過去の経験をすべて捨てることではありません。今の状況に合っているものは活かし、必要に応じて新しい方法へ切り替えることです。

STEP4:小さな行動から試し、振り返る

見直したい点が見つかったら、実際の仕事で試してみましょう。

たとえば、会議の進め方を変える、業務の一部に新しいツールを取り入れる、チームメンバーに別の意見を求めるなど、取り組みやすいことから始めます。

実践後は、どのような変化があったかを振り返り、必要に応じて方法を調整します。こうした試行錯誤を繰り返すことで、アンラーニングを一度きりの取り組みではなく、継続的な学びにつなげられます。

アンラーニングを進めるうえでの課題と、場づくりの重要性

アンラーニングの必要性を理解していても、実際に行動を変えることは簡単ではありません。特に、次のような課題が考えられます。
 

  • ・ 過去の成功体験にとらわれる: これまで成果を上げてきた方法を変えることに、不安や抵抗を感じる。
     

  • ・ 自分の考え方を客観視しにくい: 慣れ親しんだ習慣は無意識に続けやすく、自分だけでは見直すきっかけをつかみにくい。
     

  • ・ 新しい意見を受け入れる機会が少ない: 日常業務が中心になると、普段接する人や情報が限られ、異なる視点に触れにくい。
     

こうした課題に向き合うには、本人の意識に働きかけるだけでなく、安心して対話し、新しい視点に触れられる環境を整えることが重要です。

その方法の一つが、日常の職場を離れて行う研修や体験型プログラムです。普段とは異なる環境で他者と協力したり、自分の考えを言葉にしたりすることで、いつもの行動や価値観を見つめ直すきっかけが生まれます。

たとえば、自然のなかでのチーム活動や焚火を囲んだ対話では、日常業務とは違う形で相手の考えに耳を傾ける機会をつくれます。

「前提」を見直し、アンラーニングから始めた職場づくり

「前提」を見直し、アンラーニングから始めた職場づくり

リコージャパン株式会社 岡崎営業所様 |導入事例
 

きっかけは、メンバーとのキャンプ体験

営業、サービス、ICT、業務と、多様な職種が働く岡崎営業所。所長の藤田様は、メンバーとキャンプをした際、普段は見えない表情や言葉が自然にあふれる姿を目にしました。そこで、「挑戦を受け止める“器”であるオフィスそのものを見直す必要がある」と考えたといいます。

自然とデジタルを融合したオフィスへ
2025年6月、自然のなかで自ら考え、選択し、行動できる「OKAZAKI CAMP Office」としてリニューアルしました。当社の「キャンピングオフィス」のコンセプトを取り入れ、リコージャパン様独自のデジタル技術と組み合わせています。働く場所を自分で選べる仕組みも特徴です。

変化:対話が日常になり、チームが自走し始めた
藤田様によると、従業員が毎日「自分で考える」ようになり、上司と部下の関係を超えた対話が日常になりました。リーダーが不在でも、チームが自走する場面が増えているといいます。

前提を見直すことが、変化の起点に
従来のやり方を大切にする文化が根づく地域だからこそ、「働き方を変える勇気」を持てる場をつくりたいと語る所長自身が職場の前提を見直したことは、アンラーニングの実践といえます。

詳しい導入事例は、「オフィスは文化を育てる土壌へ 新境地を切り拓く、岡崎営業所の挑戦」をご覧ください。 

アンラーニングに関するよくある質問

Q. アンラーニングとは、簡単にいうと何ですか?

アンラーニングとは、これまで身につけた知識や価値観、仕事の進め方を振り返り、今の状況に合わなくなったものを見直すことです。「学びほぐし」とも呼ばれます。過去の経験をすべて否定するのではなく、これまでの強みを活かしながら、新しい考え方や方法を取り入れることを目指します。

Q. アンラーニングとリスキリングは何が違いますか?

アンラーニングは、既存の知識や価値観、習慣を見直すことです。一方、リスキリングは、新しい業務や役割に必要な知識・スキルを身につけることを指します。既存の考え方を見直して新しい学びを受け入れやすくし、そのうえで必要なスキルを学ぶなど、両者を組み合わせることが重要です。

Q. アンラーニングを実践するには、何から始めればよいですか?

まずは、自分が普段行っている仕事や判断の仕方を振り返り、「なぜこの方法を続けているのか」「今の状況にも合っているか」と問いかけることから始めましょう。そのうえで、ほかの人の意見を聞き、見直したい習慣を整理し、小さな行動から試してみることがポイントです。

まとめ:アンラーニングで変化に対応できる組織づくりを

まとめ:アンラーニングで変化に対応できる組織づくりを

アンラーニングとは、これまでの知識や価値観、仕事の進め方を振り返り、今の状況に合わなくなったものを見直す「学びほぐし」です。新しい知識やスキルを身につけるリスキリングと組み合わせることで、変化に応じて学び続ける姿勢を育むことにつながります。

実践にあたっては、これまでの経験を振り返り、異なる視点を取り入れ、見直すことと活かすことを整理したうえで、小さな行動から試していくことが大切です。

また、従業員が自分の考え方を振り返り、安心して対話できる環境を整えることも欠かせません。日常業務から少し離れた研修や体験型プログラムは、普段とは異なる視点に触れる機会の一つになります。

スノーピークビジネスソリューションズでは、自然のなかでの体験や対話を通じて、チームの関係性や働き方を見つめ直す研修プログラムを提供しています。組織の変化や人材育成に向けた取り組みを検討している方は、ぜひご覧ください。

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参考文献

  • Hedberg, B. (1981). “How Organizations Learn and Unlearn.” In P. C. Nystrom & W. H. Starbuck (Eds.), Handbook of Organizational Design.

  • 松尾睦「仕事のアンラーニング―働き方を学びほぐす―」同文舘出版

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