お問い合わせ・資料
6分で読了

【さぁ、そろそろ、焚火を囲んで話そう_Vol.58】
空間をつくるだけでは組織は変わらない

【さぁ、そろそろ、焚火を囲んで話そう_Vol.58】
空間をつくるだけでは組織は変わらない

スノーピークビジネスソリューションズ代表の坂田です。

このコラムでは、私たちの会社が大切にしている価値観や目指す未来について、みなさまにお伝えしていきたいと考えています。

読んでくださった方にとって、新たな「気づき」となり、日々の暮らしや働き方がよりイキイキとワクワクするものになれば幸いです。

良い空間なのに、変わらない理由

オフィス回帰の社会的な動きもあり、オフィスの見直しやリニューアルに取り組まれる企業が増えています。
コミュニケーションの活性化や創造性の向上を目的に、「人が集まりたくなる場」をつくろうという流れは、とても自然な流れだと思います。

 

私たちも、キャンプの要素を取り入れた「キャンピングオフィス」という空間を通じて、人と人の関係性が自然とほぐれ、対話が生まれる場づくりを提案しています。

 

一方で、オフィスリニューアルをした現場では


「良い空間ができたが、あまり使われていない」
「最初は話題になったが、いつの間にか元に戻ってしまった」

 

このような声を聞くこともあります。

これは、決して特別なケースではなく、一般的なオフィスリニューアルにおいても起こりがちなことだと思います。

 

もちろん、私たちが手掛けるキャンピングオフィスのように、コンセプトやメッセージ性のある空間であっても例外ではありません。
設置しただけでは十分に活用されず、期待した変化につながらないということは、プロセスの設計次第で起こり得ます。

 

その理由はシンプルで、空間は“つくっただけでは動かない”からです。

人は「意味」と「きっかけ」で動く

人は「意味」と「きっかけ」で動く

人は基本的に、慣れたやり方を大きく変えようとはしません。

忙しさもあり、新しいことに踏み出すには少しエネルギーが必要です。

 

だからこそ、新しい空間があっても、「なぜ使うのか」「どう使えばいいのか」が見えていなければ、行動は変わらず、活用に意識が向かない状態になってしまいます。

 

キャンピングオフィスのように、普段とは異なる空間でも、その意味や使い方が共有されていないと、「気になるけれど使わない場所」になってしまうこともあります。

 

逆に言えば、意味ときっかけがあれば、人は自然と動き出します。

 

そのきっかけをどのようにつくるのか。
そこに、空間づくりにおけるもう一歩踏み込んだ視点が必要だと感じています。

場を動かすためのプロセス

1.目的の共有、意味づけ

新しい空間をつくったとき、多くの場合は「自由に使ってください」と案内されます。もちろん自由度は大切ですが、それだけでは人はなかなか動きません。


大切なのは、「この場は何のためにあるのか」を最初に共有することです。

 

たとえば、部門を越えた対話を増やしたいのか。
チームの関係性を深めたいのか。
新しいアイデアが生まれる場にしたいのか。
あるいは、普段の会議では話せないことを話せる場にしたいのか。

 

その目的を、場の責任者やリーダーが自分の言葉で語ることで、空間に意味が宿ります。


「ここはただの休憩スペースではない」「この場にはこういう期待が込められている」と伝わることで、使う側の意識も変わっていきます。

 

 

2.使い方を自分事で考える

空間の使い方は、上から一方的に決めるよりも、実際に使う人たちが考えた方が定着しやすくなります。

 

「このチームなら、どんな場面で使えそうか」
「今あるミーティングの中で、この場所に移せるものはあるか」
「普段話せていないことを話すなら、どんな時間が必要か」

 

こうした問いを投げかけ、チームごとにワークショップ等で話し合ってもらうだけでも、使い方の解像度は大きく上がります。


さらに、各チームで出たアイデアを発表し合うことで、「そんな使い方もあるのか」という気づきが生まれます。
この“使い方の引き出し”を全員で共有することが、場の活用を広げる大きなきっかけになります。

 

 

3.アクションの計画と宣言

アイデアを出すだけでは流れてしまうため、「いつ、誰が、何に使うのか」を小さくてもよいので決めておくことが大切です。

 

次の定例ミーティングをこの場でやってみる。
月に一度のチーム対話をここで始めてみる。
新しいプロジェクトのキックオフをこの場で行ってみる。

 

そうした具体的な一歩を決め、チームごとに宣言することで、最初の利用が生まれます。
最初の一回が生まれて、良い体験ができたら、「次も使ってみよう」という流れにつながっていきます。

 

 

4.習慣化

良い体験ができると、普段進めているプロジェクトの打ち合わせなども、この場所で行ってみようという意識が働いていきます。

 

定例のミーティングだけでなく、社内の少し大人数を集めるイベントや、社運を賭けた肝いりのプロジェクトなどでは、キャンピングオフィスのような雰囲気を持つ場が効果を発揮します。

 

さまざまなケースで新しい空間を使ってみることで、次第に会社のメンバーが習慣的に利用するようになり、それがやがて文化になっていきます。文化になるのは「空間を使うこと」そのものではなく、空間を活用することで、組織で働く人たちの意識や行動を活性化させようとする姿勢です。

 

その意識が、やがて文化として定着していきます

空間だけでなく、使われ方をデザインする

空間だけでなく、使われ方をデザインする

これまでの流れを踏まえると、空間そのものだけでなく、その使われ方や習慣化まで含めてデザインするという考え方が重要だと分かります。どれだけ良い空間であっても、使われなければ価値は生まれません。
一度使われても、継続しなければ習慣にはならず、やがて元に戻ってしまいます。

 

だからこそ、目的の共有から始まり、使い方を考え、実際に使い、定着させていく。
このプロセス全体を設計し、伴走していくことが重要になります。

 

私たちは、キャンピングオフィスを単なる空間として提供するのではなく、その空間が実際に使われ、対話が生まれ、関係性が変わり、結果として組織のパフォーマンスが高まっていくところまでを支援していきたいと考えています。

空間は、組織を動かす起点になる

働く環境の設計において、みなさんは何を目指しているでしょうか。

 

空間を整え、効率や快適性を高める「最適化」を目指すのか。
それとも、関係性や行動を変え、組織そのものを動かしていくことを目指すのか。

もし後者を目指すのであれば、空間のデザインはもう一歩踏み込んで考えていく必要があります。

 

単に形を整えるだけでなく、その場でどんな対話が生まれ、どんな行動が起きていくのか。

どうしたら習慣化するのか。

そこまで含めて設計していくことで、空間の価値は大きく変わると思います。

そのような環境が整ったとき、人を無理に変えようとしなくても、人は自然と動き出していきます。

 

働く場の環境を通じて、組織に躍動感が生まれていく。
 

そのような状態をつくることが、これからの空間づくりにさらに求められているのではないかと感じています。

坂田 真也(さかた・しんや)
Profile

坂田 真也(さかた・しんや)

代表取締役社長

2009年に入社し、システム営業部に配属され1,000社以上の製造現場を回り、システム提案及び導入支援を行う。​
2015年よりクラウドソリューション事業の責任者となり、コンサルティング業務を確立させ、顧客の様々な業務効率化や働き方改革を支援。
その後、ビジネスにアウトドアを取り入れたキャンピングオフィス事業の責任者や、スノーピークグループのDX支援を推進する責任者を歴任し、2024年に代表取締役社長に就任。

坂田 真也(さかた・しんや)
Profile 坂田 真也(さかた・しんや)

代表取締役社長

2009年に入社し、システム営業部に配属され1,000社以上の製造現場を回り、システム提案及び導入支援を行う。​
2015年よりクラウドソリューション事業の責任者となり、コンサルティング業務を確立させ、顧客の様々な業務効率化や働き方改革を支援。
その後、ビジネスにアウトドアを取り入れたキャンピングオフィス事業の責任者や、スノーピークグループのDX支援を推進する責任者を歴任し、2024年に代表取締役社長に就任。

この記事をシェア
お役立ち資料 お問い合わせ