社員総会を“共に未来をつくる場”に変える方法。
新しい社内イベントのあり方


社員総会は、組織にとってどんな意味をもつのか?
社員総会は、一年を振り返り、未来への一歩を踏み出す「節目の場」です。
すでに充実した総会を実施している企業もあれば、毎年の運営に課題を感じている企業、これから導入を検討する企業もあるでしょう。立場はさまざまですが、一貫して忘れてはならないのが、社員総会とは単なる行事ではなく「組織の未来を共につくるための大切な時間」だということです。

マンネリ化した社員総会からの脱却
しかし実際には、ホテルの宴会場や会議室といった毎年お決まりの場所や、似たような進行、形式的なプログラムに固定化しやすく、「今年も去年と同じだった」という感覚が残ってしまうケースが少なくありません。
せっかくの節目が、慰労目的の飲み会や慣習的な集まりにとどまってしまうと、その場で得られる気づきやエネルギーは限定的になりがちです。
本来、全社員が集まるイベントは「組織が未来に向けてどのような関係を築き、どのような力を引き出していくか」を考える絶好のタイミングであるはずです。

本来の意義は「未来を共につくる力を引き出すこと」
節目に社員が一堂に会することの価値は、単に一年を振り返ることだけではありません。
仲間と共に経験を分かち合い、これからの一年をどう過ごすのかを語り合うことで、「未来を共につくる力」が生まれます。
その力は、普段の業務では得にくい“組織としての推進力”となり、新しい挑戦を後押しします。
だからこそ全社員の集まりは、慣習的な挨拶や慰労の場ではなく、未来に向けて関係を深め合う時間へとシフトすることが求められています。

スノーピークが大切にしている「社員総会」のかたち
私たちスノーピークグループも、年に二回、全社員がキャンプ場に集まり、部署やエリアの垣根を越えて語り合う一日を大切にしています。
社長や役員からのトップメッセージもありますが、聴くだけで終わらせず、ミッション・ビジョンをテーマに全員が本音での対話を重ねます。キャンプという非日常の開放的な空間だからこそ、普段の会議室では出てこない言葉が自然と飛び交い、メッセージの意味や想いがより深く伝わっていくのを感じます。
この一日は、「どのような仲間と働いているのか」を理解し合いながら「自分たちは何のために働いているのか」を再確認する特別な時間であり、全社員にとって“北極星への軌道をととのえる場”となっています。

必要なのは「場の力」
人の意識や関係性を変えるには、場そのものの力が欠かせません。
非日常性や自然な対話を促す雰囲気が、心を開き、新しい発想を生み出します。
キャンプを通して創造する場には、まさにその力があります。
焚火を囲むような安心感、肩書や立場を超えて語り合える空気感は、普段の会議室では得られない「人と人がつながる感覚」を引き出してくれるのです。

まとめ
社員総会は「どう運営するか」で、社員の心に響く体験にも、場当たり的な行事にもなり得ます。最後のまとめとして、「未来を共につくる社員総会」のポイントを整理してお伝えします。
1.立場を越えて対話できる仕掛けをつくること
役職や部署の垣根を越え、本音で語り合える場にする。
2.未来に向けた共通の“北極星”を再確認すること
単なる報告の場ではなく、組織全体でビジョンを共有する。
3.体験を通して記憶に残る場にすること
従来の形式にとらわれず、非日常の体験から「つながり」と「主体性」を引き出す。
この3つを押さえることで、社員総会は“ただの恒例行事”から“未来を描く大切な時間”へと変わります。
貴社の社員総会にも、未来に向けて新しい一歩を踏み出す場づくりを仕掛けてみませんか?