スノーピークビジネスソリューションズ代表の坂田です。
このコラムでは、私たちの会社が大切にしている価値観や目指す未来について、みなさまにお伝えしていきたいと考えています。
読んでくださった方にとって、新たな「気づき」となり、日々の暮らしや働き方がよりイキイキとワクワクするものになれば幸いです。
    スノーピークビジネスソリューションズ代表の坂田です。
このコラムでは、私たちの会社が大切にしている価値観や目指す未来について、みなさまにお伝えしていきたいと考えています。
読んでくださった方にとって、新たな「気づき」となり、日々の暮らしや働き方がよりイキイキとワクワクするものになれば幸いです。
これまでのコラムでは、協働体験を「チームビルディングに必要な体験」としてお伝えしてきました。
しかし協働体験は、私たちの祖業であるITサービスの時代から、提供価値を最大化するために欠かせない要素として重視してきたポイントでもあります。
その価値は社内にとどまらず、お客様・地域・パートナー企業など、関わるすべての人との関係をより深く、持続的に育てる鍵になると考えています。
私たちのITサービスには「共創開発®」という商標があります。
これは単なるシステムの“開発・納品”ではなく、お客様と共に創り上げるプロセスを重視する姿勢を表しています。
システムの導入の際には、情報システム部門だけでなく、実際に使う現場の担当者のもとへ営業や開発メンバーも訪問し、現場の声を聞き、課題を共に考えながら最適な解決策を探る──この一連のプロセスそのものが、まさに協働体験です。
こうして共に試行錯誤を重ねて完成したシステムには、機能だけでなく「思い入れ」と「信頼」が宿ります。
その信頼関係は導入後の運用・改善フェーズでも活かされ、別のプロジェクトでも強力な推進力となります。
心理学者アルバート・バンデューラ氏は、人が「自分はできる」と信じる自己効力感(self-efficacy)が行動の質を左右すると述べています。(※参考文献【1】)
共創のプロセスを通じてお客様と私たちが課題を乗り越えることは、双方の自己効力感を高め、協働の成功体験を未来への推進力に変えることにつながります。
          スノーピークビジネスソリューションズはMicrosoft 365のリセラーパートナーとして企業のDXを支援しています。
Teams、SharePoint、Viva Engageなどのツールは、導入しただけでは成果を生みません。
真に効果が現れるのは、組織内に活発なコミュニケーションと協働の文化が根づいているときです。
リーダーシップ研究の第一人者であるエイミー・エドモンドソン氏は、「心理的安全性」を「チームメンバーが対人リスクを取っても大丈夫だと共有して感じている状態」と定義しました。(※参考文献【2】)
心理的安全性が高いチームほど、率直な意見交換や失敗の共有が促され、学習行動や成果創出につながることが多くの研究で示されています。
特に、新しいアイデアやイノベーションが求められる場面では、協力的な姿勢が欠かせず、心理的安全性が重要な要素となることが実務的にも確認されています。
つまり、Microsoft 365のようなコラボレーションツールを最大限に活かす鍵は、組織の活性化にあるということです。
私たちは「日常の業務そのものが協働体験になる」ようにツール活用を支援し、デジタル空間にも“つながり”を生み出す仕組みを提供しています。
焚火を囲むチームビルディング研修でも、オンライン上のプロジェクトでも、人と人の間にこそ本質があります。
重要なのは、こうした協働体験のプロセスを偶然に任せず、経営が意図的にデザインすることです。
MIT(マサチューセッツ工科大学)のダニエル・キム教授が提唱した「成功循環モデル」によれば、成果の基盤には「関係の質」があり、関係の質が思考・行動・結果の質を連鎖的に高めていくとされています。(※参考文献【3】)
協働体験はまさにこの「関係性の質」を底上げし、結果として行動の質・成果の質を高める出発点になります。
          私たちが最終的に目指しているのは、協働体験を通じて、人がいきいきと、わくわくしながら“人間らしく働く”ことを取り戻し、より良く生きる社会をつくることです。
誰かと力を合わせるとき、人は自分の可能性を再発見し、他者とのつながりの中で価値を生み出す喜びを感じます。
その体験は、仕事の充実だけでなく人生そのものを豊かにする力を持っています。
アウトドア研修でタープを張り、食事を作り、焚火を囲む──その何気ない瞬間の中に、互いに協力し合う喜びと達成感があり、心の距離がぐっと近づく瞬間があります。
同じことは、オフィスやデジタル空間でも起こり得ます。
人と人が共に未来を描き、行動を重ねる時間こそが、人生をより豊かにしていくのです。
協働体験は、チームや組織を強くするための手段にとどまりません。
それは、一人ひとりの人生を豊かにし、人が人間らしく働く喜びを取り戻すための大切なプロセスです。
私たちはこれからも、自然の中でも、オフィスでも、デジタル空間でも、協働体験を通じて人がつながり合い、互いの可能性を引き出しながら、人生をより豊かに生きられる社会をつくっていきたいと考えています。
【1】Albert Bandura(1977)Self-efficacy: Toward a unifying theory of behavioral change. Psychological Review
【2】Amy C. Edmondson(1999)Psychological safety and learning behavior in work teams. Administrative Science Quarterly
【3】Daniel H. Kim(1993)The link between individual and organizational learning. Sloan Management Review