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【さぁ、そろそろ、焚火を囲んで話そう_Vol.14】
テントを張る。それが組織づくりの基本になる

【さぁ、そろそろ、焚火を囲んで話そう_Vol.14】
テントを張る。それが組織づくりの基本になる

スノーピークビジネスソリューションズ代表の坂田です。

このコラムでは、私たちの会社が大切にしている価値観や目指す未来について、みなさまにお伝えしていきたいと考えています。

読んでくださった方にとって、新たな「気づき」となり、日々の暮らしや働き方がよりイキイキとワクワクするものになれば幸いです。

テントを張る。それが組織づくりの基本になる

テントを張る作業には、会社組織の中における重要な要素が詰まっています。

声かけ、役割分担、臨機応変さ、責任感──

一見すれば、ただのアウトドアの準備作業にすぎないように思えるかもしれません。けれども、私たちはこの「テントを張る」という行為の中に、組織が機能するために必要なエッセンスが凝縮されていると考えています。

 

このことに気づいたからこそ、チームビルディングを大切にしてきたIT会社が組織を変えていくためのアウトドア事業を立ち上げ、スノーピークと合流したのです。

 

私たちスノーピークビジネスソリューションズが提供するアウトドア研修では、まさにこのような“作業”を通じて、組織の在り方や人の関わり方を「見える化」していきます。ただ楽しく自然の中で過ごすだけの体験ではありません。むしろ、日常の仕事の現場ではなかなか浮き彫りになりにくい「組織の癖」「チームの課題」「コミュニケーションの在り方」などが、驚くほど鮮明に現れてきます。

テントを張ると見えてくる、組織の本質

テントを張ると見えてくる、組織の本質

テントを張る場面を想像してみてください。誰かが「じゃあ、この部分を持ってくれる?」「今からフレームを通すよー!受け取ってー!」と声をかける。自然と役割分担が生まれ、お互いに状況を見ながら動きが調整されていく。その中で、少し風が強くなれば工夫が必要になり、固定させる方法を相談し合う。地面が斜めだと気づけば、それに合わせて組み立て方を工夫するアイデアの共有をして最適な状態にする。慣れている人がリードしたり、不慣れな人が助けを求めたりしながら、一つの目的に向かって進んでいきます。

 

ここで問われているのは、「誰が正解を知っているか」ではありません。今、その場のメンバー同士が、互いに気を配り、声を掛け合い、気づいたことを伝え、協力していけるかどうか。それこそが、組織の基本動作であり、仕事における“協働”そのものです。

 

日常の職場では、役職や部署の垣根が、こうした自然な声かけや助け合いを阻むことがあります。誰も悪気は無くても組織図があることで勝手に垣根ができてしまうことも多いのです。しかし、テントを張るという非日常の体験では、役職も上下関係も部署の垣根も一度フラットになります。こうして浮かび上がる行動のパターンは、まさに「その組織が持つ本来の姿」です。

体験が「気づき」を生む

私たちの研修が目指しているのは、ただの体験学習ではありません。むしろ、行動の中から生まれる「気づき」を促すことに重点を置いています。気づきとは、誰かに指摘されて初めて得られるものではなく、自分自身の行動を振り返り、周囲との違いを感じ、内省するプロセスの中で芽生えるものです。

 

「自分はあの時なぜあの一言をかけられなかったのか」

「相手が困っていることに、もっと早く気づけたかもしれない」

普段も同じように、役割を超えて助け合えたら、もっとスムーズに仕事が進むのではないか

 

こうした内省が始まると、普段の職場に戻ったときにも、自分の行動が少しずつ変わり始めます。まさにこれが、行動変容のきっかけであり、組織改善の第一歩です。

組織課題は「体験を通じてしか」変わらない

組織課題は「体験を通じてしか」変わらない

組織開発という言葉を耳にする機会は増えていますが、実際には「会議室でのディスカッション」や「研修の座学」だけで組織が変わるわけではありません。頭で理解しても、行動が伴わなければ現実は何も変わらないからです。

 

私たちは、この「体験を通じた行動変容こそが、組織改善の王道である」と考えています。自然の中という非日常の環境は、普段の習慣や役割意識を一度リセットし、メンバーの本来の姿を引き出してくれます。だからこそ、普段は見えにくい「リーダーシップの芽」や「相互理解のズレ」、「心理的安全性の有無」まで浮かび上がってきます。

 

もちろん、課題が見えて終わりではありません。研修後の振り返りや職場での実践フォローまで丁寧に支援することで、「気づき」を実際の職場の行動改善につなげていくことが重要です。そのため研修の締めくくりにはネクストアクションとして小さくても良いので具体的な行動内容を宣言する等の取り組みをしています。

テントを張るたびに、組織は少しずつ強くなる

テントを一緒に張るというたった一つの行動の中に、人と人がどう関わり合い、どう声を掛け、どう役割を補い合うかのすべてが現れます。何度もこうした場を経験することで、組織は自然と「助け合う文化」「目的に向かって柔軟に動くチームのあり方」を体得していきます

その結果、「このチームであればどんな困難が訪れても協力し合って、”なんとかなる”」という腹落ち感を醸成していくことができます。

 

現代の組織課題は、決してマニュアルや規程を整えただけでは解決しません。人と人がどう交わり、共に成長していけるか。その「土壌」を耕すことが何よりも重要だと、私たちは考えています。

 

これからも私たちは、この「テントを張る」というシンプルで奥深い体験を通じて、多くの組織が変わっていくお手伝いをしていきます。

坂田 真也(さかた・しんや)
Profile

坂田 真也(さかた・しんや)

代表取締役社長

2009年に入社し、システム営業部に配属され1,000社以上の製造現場を回り、システム提案及び導入支援を行う。​
2015年よりクラウドソリューション事業の責任者となり、コンサルティング業務を確立させ、顧客の様々な業務効率化や働き方改革を支援。
その後、ビジネスにアウトドアを取り入れたキャンピングオフィス事業の責任者や、スノーピークグループのDX支援を推進する責任者を歴任し、2024年に代表取締役社長に就任。

坂田 真也(さかた・しんや)
Profile 坂田 真也(さかた・しんや)

代表取締役社長

2009年に入社し、システム営業部に配属され1,000社以上の製造現場を回り、システム提案及び導入支援を行う。​
2015年よりクラウドソリューション事業の責任者となり、コンサルティング業務を確立させ、顧客の様々な業務効率化や働き方改革を支援。
その後、ビジネスにアウトドアを取り入れたキャンピングオフィス事業の責任者や、スノーピークグループのDX支援を推進する責任者を歴任し、2024年に代表取締役社長に就任。

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