スノーピークビジネスソリューションズ代表の坂田です。
このコラムでは、私たちの会社が大切にしている価値観や目指す未来について、みなさまにお伝えしていきたいと考えています。
読んでくださった方にとって、新たな「気づき」となり、日々の暮らしや働き方がよりイキイキとワクワクするものになれば幸いです。
スノーピークビジネスソリューションズ代表の坂田です。
このコラムでは、私たちの会社が大切にしている価値観や目指す未来について、みなさまにお伝えしていきたいと考えています。
読んでくださった方にとって、新たな「気づき」となり、日々の暮らしや働き方がよりイキイキとワクワクするものになれば幸いです。
組織を強く、大きくしていくうえで欠かせない考え方のひとつに「多様性」があると思います。
年齢、性別、キャリア、価値観など、異なる視点が集まること自体は、とても素晴らしいことです。
一方で、現場のリーダーの皆さんとお話ししていると、
「多様な人材を集めたけれど、なかなか化学反応が起きない」
「個性が強すぎて、マネジメントが難しい」
といった声を聞くことも少なくありません。
多様性が本当の意味で創造性という力に変わるためには、その土台が欠かせません。
一人ひとりが「自分の意見を伝えて良いんだ」と感じられる“安心な場”があり、チーム全体がそれを“受け入れる環境”を持っていること。
これが、絶対条件だと思います。
私たちは、心理的安全性はハード(空間)とソフト(対話の手順)の両面からアプローチすることが重要だと考えています。
まずハード面でいえば、私たちが提案しているアウトドア研修「Outdoor Synergy Design」やオフィス空間デザイン「Office Culture Design」がその一例です。
機能性ばかりを重視した無機質な会議室では、どうしても緊張感が生まれ、発言が「正解探し」になりがちです。
一方で、屋外にタープを張り、キャンプテーブルやチェアを設えた空間、あるいは屋内でもキャンプ用のローチェアや焚火台、柔らかなグリーンを置く。
それだけで、人の心は不思議と解きほぐされます。
視線が下がり、肩の力が抜ける。
「野遊び」のエッセンスを取り入れた空間を、会議前に自分たちでつくる。
そのプロセスだけで場が温まり、自然と笑顔が生まれます。
会議のチェックインも必要なく、心理的な距離が縮まることで意見が言いやすくなり、一見突飛なアイデアも出てきます。
私たちは、こうした「環境の力」が、心理的安全性を支える大きな要素になると感じています。
こうした空間づくりに加えて、ソフト面、つまり日々のコミュニケーションで大切にしているのは、「ちょっとした会話」です。
私たちは、毎朝の朝礼に「雑談タイム」を設けています。
仕事の話だけでなく、昨日あったちょっとした出来事や、今の気分をシェアする。
こうした小さな会話の積み重ねが、お互いの心理的な壁を少しずつ取り除き、「会話ができる人」という認識を育てていきます。
会話をしたことがない、あるいはほとんど話したことのない相手に対して、会議の場で意見や質問をするのは、圧倒的にハードルが高いものです。
とくに、少し言いにくいコメントであれば、そのハードルはさらに高くなります。
一方で、普段から会話をしている相手であれば、同じ内容でも自然と伝えやすくなります。
四半期に一度の報告会でも、数字の共有だけで終わらせず、対話型のワークを取り入れています。
これによってお互いを深く知り、応援し合えるような関係性へと発展していきます。
その結果、「この人のためなら共有しよう」といった、能動的でスピーディな情報共有が促進されていきます。
また、キャンピングオフィスのように屋外で過ごす時間も大切にしています。
不慣れな環境の中で協力してテントを立てたり、火を囲んだりする「協働体験」は、肩書きや年齢を超えた深い信頼関係を、驚くほどのスピードで育んでくれます。
特に、焚火を囲む時間は特別です。
ゆらぐ炎を見つめながら言葉を交わすと、自然と「聞くこと」に意識が向き、共感が生まれやすくなります。
その結果、普段よりも深い対話が生まれていきます。
こうした「非日常の力」を借りることで、組織の風土は少しずつ、しかし確実に変わっていくと感じています。
対話が増え、多様性を認めるほど、意見の違いは必ず生まれます。
そこで重要になるのが、私たちが全社で共有している「コミュニケーションフィロソフィ」です。(コラムVol.44参照)
対立を避けるのではなく、健全に扱う。
対立を恐れるのではなく、意見を安心して場に出し、未来にとって最も良い選択ができるようにする。
私たちは、次のような手順を大切にしています。
1.思いやりと感謝の気持ちで相手の背景を知る
初めに意見を言い合うのではなく、まずはお互いが抱えている問題や事情などの背景について聞き、相手の状況をしっかり理解します。
2.お互いの意見を“真ん中”=場に出す
相手に向かって意見をぶつけるのではなく、お互いの意見を”真ん中”=場に出します。(ホワイトボードや紙などに書き出すなど)
3.出し合った意見から、最適な物を選択
意見を場に出すことで、冷静かつ客観的な判断が行える下地が整います。その上で、お互いが幸せになる選択を一緒に行います。
4.同じ目的に向かって歩む
一時的に片方が損をすることもあるかもしれませんが、背景を理解した上での選択であるため、同じ方向に向かって進むことができます。
このプロセスが浸透していると、意見の相違は「対立」ではなく、「より良いものを作るための材料」に変わります。
この安心感があるからこそ、メンバーは安心して「違う意見」を場に出せるようになっていきます。
多様性が創造性に変わる過程は、パズルに似ています。
同じ形のピースだけでは、新しい絵は生まれません。
形の違うピースが組み合わさるからこそ、想像を超える絵が完成します。
自分との違いを「ノイズ」ではなく「可能性」と捉えられるチーム。
それが、「安心な場」に支えられた多様性のある組織です。
一人ひとりの個性が尊重され、安心して自分を出せる場所をつくること。
そこから生まれるエネルギーこそが、これからのビジネスを面白くしていく原動力になると、私たちは信じています。
皆さんのチームでも、まずは会議室の椅子を少しだけ動かしてみたり、朝の出勤時に最近の出来事を共有する小さな雑談から始めてみてはいかがでしょうか。
その一歩が、多様性を力に変える大きな転換点になると思います。