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【スノーピークDX】ミッションは価値提供時間の創出
スノーピーク店舗へのRFIDを活用した棚卸システム導入

【スノーピークDX】ミッションは価値提供時間の創出 
スノーピーク店舗へのRFIDを活用した棚卸システム導入

スノーピークでは、電波で情報の読み書きができるRFIDタグを一部の製品の物流に導入し、製品管理の効率化、トレーサビリティの確保などに役立てています。一方で店舗側では、商品に取り付けたRFIDタグの有効な活用方法を模索していました。

 

そこで、以前コラムで紹介したRFIDによる入荷検品システムを店舗に導入しました。そして次に取り組んだのは、RFIDを活用した棚卸システムの開発です。これらの施策によって、RFIDを導入したメリットを物流のみならず店舗でも生かせるようになり、店舗の業務改善が進み、システム導入店舗ではお客様への価値提供時間をこれまで以上に創出できるようになりました。

物流拠点と店舗、双方で活用するRFID

物流拠点と店舗、双方で活用するRFID

物流+店舗で、RFID導入のコストメリットを積み上げる

スノーピークの物流拠点「スノーピーク オペレーション コア HQ2」から各店舗に配送されるアパレル商品には、RFIDタグが取り付けられおり、商品を識別・管理するためのさまざまなデータが紐付けされています。RFIDタグは電波の届く範囲にあれば、複数アイテムを一括で読み取りできるため、棚卸に活用すれば大幅な工数削減が期待できます。

 

年に2度行っている各店舗の棚卸作業は、RFIDを活用した棚卸システムを導入する以前は、店舗責任者や作業スタッフにとって大きな負担となっていました。その課題点を見てみましょう。

 

【店舗の棚卸作業における運用と課題】

運用:パソコンとスキャナで1点ずつタグのデータを読み取る

課題:スペースが限られたバックヤードや営業中の店内で作業を行うには負荷が高く、不便だった

 

運用:棚ごとに読み取った計数をExcelに落として合算する

課題:バックヤードや売り場の棚ごとにExcelシートを用意して計数を出し、最後はそれらを合算して本部に報告。集計の手間がかかり、人的ミスも生じてしまう

 

これらの課題は、スノーピークビジネスソリューションズ(以下、SPBS)がノウハウをもつRFIDの活用技術と棚卸システム「TanaOroshi STARTER」によって改善が可能だったため、システム開発にとりかかることになりました。

RFIDによる棚卸システムの導入

現地現物で改善を繰り返し、信頼性の高いシステムを構築

RFIDを活用した棚卸システムの導入は、入荷検品システム同様、アパレル製品の取り扱いが多い全国8つの直営店舗で実施することになりました。

 

システム開発時に最も重視したのは、現場の声を聞き、徹底的に現場に寄り添うこと。SPBSの担当者が導入予定の店舗に足を運んで現地現物でテストと改善を繰り返し、機能だけでなく操作性にも配慮しながらシステムを構築していきました。

 

システム導入の際は、8店舗それぞれにSPBSのスタッフがつき、店舗スタッフ全員が棚卸システムを問題なく使えるように説明やリハーサルを行うなどして事前準備を行いました。

 

棚卸は企業の資産を正確に把握して決算を行うための作業であり、スノーピーク本社ではガバナンスが厳しく決められています。棚卸システムにも高い信頼性が求められます。そのため、入念な事前準備でトラブルを避け、実際に棚卸を行うことで見えてきた改善点は、即座にSPBSで把握してシステムをアップデートさせたり、各現場に合った運用方法を構築するなどして解消し、安定した運用を行っています。

作業時間を削減し、価値提供時間を創出

丸2日かけていた棚卸の作業時間を約65%削減

非接触で、一括でデータを読み取ることができるRFIDは、棚卸でそのメリットを最大限に発揮することができます。棚卸は6月と12月の年2回行われ、それぞれ作業時間が丸2日ほどかかっていましたが、システムの導入によって1回あたりの棚卸の作業時間を約65%削減することができました。

 

【棚卸システム導入の効果】

(before)

製品を段ボールや袋から取り出し、1点ずつデータを読み取り、最後はExcelデータを手動で合算する

(after)

製品を段ボールや袋から取り出すことなく、複数アイテムを一括で読み取り、スキャナとパソコンを自動連携して集計する

削減した工数はお客様へ還元。数字では測れない効果も

RFIDを活用した棚卸システムの導入は、単に業務効率化が目的ではありませんでした。棚卸にかかる作業時間を短縮することで、店舗での接客等、お客様に価値提供する時間を増やし、顧客満足度を向上させることをプロジェクトの第一目的としました。その目的を達成できたことは、数字では測れない効果をもたらしてくれます。

実際に使用したスノーピーク社員の声

実際に使用したスノーピーク社員の声

棚卸の工数が半分以下になり、作業的にも楽になった

以前は商品タグを1点ずつ読み取る必要がありましたが、今はRFIDタグを一括で読み取ることができ、棚卸の工数が半分以下に減りました。狭い場所でパソコンを持ち歩かなくてもよくなったので作業も楽になりました。

RFIDタグのロケーション検索機能で商品を探せる

RFIDタグはロケーション検索機能があるため、棚卸の時はもちろんですが、普段の営業時に商品を捜索するのにも役立っています。

毎月行っているローリング棚卸にも活用できる

うちの店舗では、年2回の棚卸だけでなく循環棚卸にもRFIDタグを活用しています。アパレル製品とギア製品に分けて毎月交互に循環棚卸をしていて、棚卸頻度が高いため、アパレル製品の循環棚卸に活用できるのはありがたいです。

今回は、スノーピークの店舗にRFIDタグを活用した棚卸システムを導入したプロジェクトについてご紹介しました。RFIDは導入するメリットが高い一方で、導入コストがかかる、読み取りを正確に行うために作業環境を整える必要がある、金属に弱いといった側面があり、導入には向き、不向きがあります。それらを踏まえた上で、スノーピークの店舗では、棚卸の工数を削減することによる「お客様への価値提供時間の創出」を第一目的に据えて導入を決めました。このようにRFID導入には、導入目的を明確にする大局観と実際にシステムを運用する現場視点、双方に長けたコンサルティングが求められます。導入をご検討の方は是非お気軽に問い合わせください。

・TanaOrosi STARTER(棚卸システム)​ 

現場におけるさまざまなデータ管理パターンを、​用途や目的別の基本機能に絞ってiSTARTER®としてシリーズ化。​必要最低限の機能だけを備えたシステムで、​お客様の現場運用に合わせた機能を拡張可能。​「まずはシンプルに始める」を実現させるシステムです。​ 

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