在庫管理システムを短納期で導入できた要因として、SPBSの開発手法にもポイントがあります。まず一つは独自のベースシステム「iSTARTER®︎」をもっていること。そして、「iSTARTER®︎」をベースに、3ステップ方式で着実にシステムを構築したことです。
■独自のベースシステム
製造現場などに必要不可欠な基本機能を厳選した独自のベースシステム「iSTARTER®︎」を12種類ラインナップ。今回は、在庫管理に適した「ZaiKo STARTER」を活用しました。
■3ステップ方式
足飛びにシステム導入をするのではなく、ゴールから逆算してマイルストーンを設定します。完成度ごとに「会議室版」「評価版」「現場調整版」と称した3つのステップを踏み着実にゴールを目指します。
ステップ1. 会議室版(50%)
資料にシステムの画面イメージ、操作性、運用面などを落とし込み、ときにはプロトタイプを用意して、それをベースにイメージのすり合わせをします。
ステップ2. 評価版(60%)
会議室版でのすり合わせに基づいて開発を進め、60%ほど進捗した段階で評価版を用意。評価版を現場で一定期間トライアルしていただき、現場の声をその後の開発に反映します。
ステップ3. 現場調整版(100%)
出来上がったシステムを現場で調整します。現場と段階的にステップを共有しながらつくりあげることで、完成後のギャップを最小限に抑えることができます。
今回のプロジェクトは、タイトなスケジュールの中でも3つのステップを飛ばすことなく着実に行なったことで、現場調整版での手戻りはほとんどなく、結果的に短い納期でシステムを開発・導入することができました。