---エンゲージメント向上の施策として、アウトドア研修にはどんな意義がありますか?
吉田:SPBSさんのアウトドア研修は、エンゲージメントの観点において大事な要素が詰まっていると思います。エンゲージメントは、「この組織で頑張りたい」「この事業を成功させたい」といった気持ちの側面が大きいですが、目の前の仕事に追われていると気持ちを失いかけてしまうこともあると思います。
特に会社員として働いていると、鎧を着ている状態になりやすく、感情を表に出さないようにとか、自分本位ではいけないとか、立場上こうあるべきといったことを背負って、人間としての喜怒哀楽を出す機会がどんどん減っていく。それがエンゲージメントを下げる要因になってしまうのです。
アウトドア研修のような施策で、普段とはまったく違った、鎧を脱ぎやすい環境に身をおいて、人間同士としてお互い交流し、自分はどんな人間でどういうことに喜怒哀楽を感じるのかを開示し合い、共通体験をすることで関係性をつくるというのは組織にとって意味のあることだと思います。
坪内:ありがとうございます。アウトドア研修の本質的な部分に言及していただいたように思います。
SPBSのアウトドア研修は、なにかスキルを学んでもらうためのものではなく、本来私たちが持っている人間性を取り戻すためのものなのです。
例えば、「顔色が悪いけど大丈夫?」「仕事詰まってない?」といった声がけが日常的にあるだけでも仕事はやりやすくなります。でも、余裕がなかったり効率を最優先する職場では、他者への配慮は後回しになってしまいます。困っていそうな人に声をかけるという普通のことが人間関係の根本です。お互いの顔を見て相互に助け合えるような関係性というのが、エンゲージメント向上のためにも求められています。
吉田:アウトドア研修を管理者と社員が一緒にするとさらにいいことがあって、管理者側が楽になれるんです。共通体験を通してお互いの人となりを理解し、“今ここにいる意味”を確認し合うことができれば、管理者だけが重荷を背負わなくても、社員と分かちあって事業を進めていくことができるようになります。
坪内:部署を超えた関係性づくりもできるといいですね。同じ部署のメンバー同士は日頃から交流があると思いますが、部署を超えたつながりがあることによって、仕事がより円滑に進み、助け船を出してもらえたりすることは往々にあります。部署を超えたコミュニケーション構築のためにアウトドア研修を実施していただくことも多いです。