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【さぁ、そろそろ、焚火を囲んで話そう_Vol.44】
意見が違っても、同じ方向に進める組織のつくり方

【さぁ、そろそろ、焚火を囲んで話そう_Vol.44】
意見が違っても、同じ方向に進める組織のつくり方

スノーピークビジネスソリューションズ代表の坂田です。

このコラムでは、私たちの会社が大切にしている価値観や目指す未来について、みなさまにお伝えしていきたいと考えています。

読んでくださった方にとって、新たな「気づき」となり、日々の暮らしや働き方がよりイキイキとワクワクするものになれば幸いです。

コミュニケーションの質が、企業の推進力を決めている

企業の中で物事が思うように進まないとき、その原因を突き詰めていくと、「人間関係」が起因していることが多いと感じる方も多いのではないのでしょうか。
 

戦略が間違っている、計画が甘い、リソースが足りない。

そうした要因がまったくないとは言いませんが、それ以上に大きな影響を持っているのが、人と人との間で起きているコミュニケーションの質です。

 

「言いたいことが言えない」

「意見を出すと対立になりそうで避けてしまう」

「話し合っているはずなのに、決まらない、進まない」

 

こうした状態が続くと、組織は少しずつ動かなくなっていきます。
逆に言えば、コミュニケーションが健全に機能している組織は、多少の困難があっても前に進める

これは多くの企業を見てきて、強く感じていることです。

対立を避ける文化は、本当に健全なのか

多くの企業では「対立を起こさないこと」が良いコミュニケーションのあり方と捉えられがちです。


空気を読む、波風を立てない、和を乱さない。
 

もちろん、これらが大切な場面もあります。

 

ただ、価値観や立場、役割が異なる人たちが集まる組織において、対立が一切起きないという状態は、むしろ不自然だと思います。
 

対立がないのではなく、表に出ていないだけ

そして表に出ない対立は、水面下で不信感や諦めとして蓄積されていきます。

 

大切なのは、対立をなくすことではなく、対立が起きたときに、それを壊さずに扱える文化を持っているかどうかです。

対立を「扱う力」──対立的知性(CI)という考え方

対立を「扱う力」──対立的知性(CI)という考え方

近年、「対立的知性(Conflict Intelligence)」という概念が注目されています。
 

これは、コロンビア大学のピーター・T・コールマン教授らが提唱している考え方で、対立を単なる衝突ではなく、複雑な価値や前提が交差する現象として捉え、それを建設的に扱うための知性を指します。(参考文献【1】・【2】)

 

CIが示しているのは、「どちらが正しいか」を決める力ではありません。
 

むしろ、

 ・ 自分の感情や反応に気づくこと

 ・ 相手の背景や制約を理解しようとすること

 ・ 人ではなく、構造として対立を見ること

 ・ 結論を急がず、対話のプロセスを保つこと

 

といった、対立の場留まる力です。

 

対立は、扱い方次第で関係を壊すこともあれば、価値を生み出す源泉にもなります。
CIは、その分岐点に立つための知性だと言えると思います。

スノーピークビジネスソリューションズが大切にしている考え方

私たちスノーピークビジネスソリューションズでは、日々の議論や意思決定において、あるコミュニケーションの手順を「Communication Philosophy(コミュニケーション哲学)」として大切にしています。

 

1.思いやりと感謝の気持ちで相手の背景を把握

初めに意見を言い合うのではなく、まずはお互いが抱えている問題や事情などの背景について聞き、相手の状況をしっかり理解します。

 

2.お互いの意見を“真ん中”=場に出す

相手に対して意見を言うのではなく、お互いの意見を”真ん中”=場に出します。 (例えば、ホワイトボードや紙に書き出すなど)

 

3.出し合った意見から、最適な物を選択

意見を場に出すことで、冷静かつ客観的な判断が行える下地が整います。

その上で、お互いが幸せになる選択を一緒に行います。

 

4.同じ目的に向かって歩む

一時的に片方が損をすることもあるかもしれませんが、背景を理解した上での選択であるため、同じの方向に向かって進むことができます。

 

このやり方は、一見すると遠回りに見えるかもしれません。

ですが、結果として意思決定の納得度が高く、後戻りが少ない。

そして何より、人と人との関係が壊れにくいプロセスだと感じています。

 

振り返ってみると、これはCIで語られている要素と多くの共通点があります。

ただ私たちは、CIを「スキル」として教え込もうとしているわけではなく、対立が健全に扱われる“場の構造”を、最初から組み込むことを大切にしているのだと思います。

これからの企業に必要なのは「正しさ」より「扱い方」

これからの企業に必要なのは「正しさ」より「扱い方」

変化が激しく、不確実性が高い時代において、正解を持っている人は誰もいません。
だからこそ、意見が分かれるのは当たり前です。

 

そのため、これからの企業に求められるのは、対立を避ける文化でも、声の大きい人が決める文化でもなく、違いを違いのままテーブルに載せ、前に進める文化だと思います。

 

コミュニケーションの質は、組織の推進力そのものです。
 

人と人との関係性が整えば、戦略も施策も、自然と動き出します。

 

私たちはこれからも、自然や協働体験を通じて、人が人らしく関わり合いながら前に進める組織づくりに取り組んでいきたいと思います。

 

参考文献

【1】Coleman, P. T. (2011). The Five Percent: Finding Solutions to Seemingly Impossible Conflicts. New York: PublicAffairs.

【2】Coleman, P. T., Deutsch, M., & Marcus, E. C. (Eds.). (2014). The Handbook of Conflict Resolution: Theory and Practice (3rd ed.). San Francisco: Jossey-Bass.

坂田 真也(さかた・しんや)
Profile

坂田 真也(さかた・しんや)

代表取締役社長

2009年に入社し、システム営業部に配属され1,000社以上の製造現場を回り、システム提案及び導入支援を行う。​
2015年よりクラウドソリューション事業の責任者となり、コンサルティング業務を確立させ、顧客の様々な業務効率化や働き方改革を支援。
その後、ビジネスにアウトドアを取り入れたキャンピングオフィス事業の責任者や、スノーピークグループのDX支援を推進する責任者を歴任し、2024年に代表取締役社長に就任。

坂田 真也(さかた・しんや)
Profile 坂田 真也(さかた・しんや)

代表取締役社長

2009年に入社し、システム営業部に配属され1,000社以上の製造現場を回り、システム提案及び導入支援を行う。​
2015年よりクラウドソリューション事業の責任者となり、コンサルティング業務を確立させ、顧客の様々な業務効率化や働き方改革を支援。
その後、ビジネスにアウトドアを取り入れたキャンピングオフィス事業の責任者や、スノーピークグループのDX支援を推進する責任者を歴任し、2024年に代表取締役社長に就任。

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