スノーピークビジネスソリューションズ代表の坂田です。
このコラムでは、私たちの会社が大切にしている価値観や目指す未来について、みなさまにお伝えしていきたいと考えています。
読んでくださった方にとって、新たな「気づき」となり、日々の暮らしや働き方がよりイキイキとワクワクするものになれば幸いです。
スノーピークビジネスソリューションズ代表の坂田です。
このコラムでは、私たちの会社が大切にしている価値観や目指す未来について、みなさまにお伝えしていきたいと考えています。
読んでくださった方にとって、新たな「気づき」となり、日々の暮らしや働き方がよりイキイキとワクワクするものになれば幸いです。
私たちが目指すのは、「人間らしく働く人」を増やすことです。
それは、誰かと比べて優劣を競うのではなく、自分自身の感覚を大切にし、価値観に正直に働ける社会をつくることです。
近年、企業に求められる力は変化しています。合理性や効率性はもちろん重要ですが、それだけでは組織は育ちません。今、企業に問われているのは「いかに人間らしさを活かした組織文化を育めるか」ということです。
私たちは、働くことを通じて“生きている感覚”を取り戻すことが、組織にも社会にも大きな活力を与えると信じています。
「この会社は、なぜ存在しているのか」
「自分は、どんな未来を仲間と創りたいのか」
こうした問いに真正面から向き合い、会社のミッションやビジョンに共感できたとき、人は仕事を“自分ごと”として捉えられるようになります。
この共感のプロセスは、組織を単なる仕事の場から「想いを共有する仲間が集う場」へと変えていきます。
そして、そのような集団は、やらされ仕事ではなく、心から実現したい未来に向かって自律的に動く、いわば“燃える集団”へと進化していきます。
私たちは、社員一人ひとりが持つ「やりたいこと」や「価値観」と、組織のミッションが接続される瞬間を大切にしています。
そうした接点を丁寧にすり合わせ、“接触面積を増やす”ことで、ますます社員は自らの強みや個性を活かしながら働くことができます。
このプロセスこそが、ジョブエンゲージメント(仕事への没頭)を高める鍵になります。
金銭的な報酬以上に、自分の仕事に「意味」や「意義」を見出せたとき、人は仕事にのめり込み、強い精神的報酬を得るようになります。
この精神的報酬は、モチベーションを高めるだけでなく、離職率の低下にも大きく寄与します。
ジョブエンゲージメントが高まると、仕事そのものが興味深いものに変わります。
指示を待つのではなく、自然と自分で調べ、自ら工夫し、より効果の高い提案を主体的に行うようになります。
この状態では、成果へのこだわりや効率性が飛躍的に高まり、記憶力も向上し、ネガティブなストレスも大きく減少していきます。
結果として、社員は「この仕事が自分に合っている」「これが自分の天職かもしれない」と実感しながら働くようになっていきます。
しばしば、職場の福利厚生や制度、人間関係の良さがあれば「エンゲージメントができている」と誤解されることがあります。
もちろん、働きやすさや環境の整備も大切ですし、人間関係の良さも重要です。しかし、本質的なエンゲージメントとは、“仕事そのもの”にのめり込んでいる状態にできるかどうかだと思います。
それはまさに、心理学者チクセントミハイ氏が提唱した フロー理論 における「フロー状態」になっていると思います。
自分の関心や強みを活かし、チャレンジングな課題に取り組み、時間を忘れて没頭する——。この究極の状態は“ゾーン”とも呼ばれているので、こちらの名前のほうが身近で分かりやすいかもしれません。
社員が自らの力で仕事のやり方を工夫して取り組む「ジョブクラフティング」は、まさにこのフロー状態を実現するためのアプローチです。
単に与えられた仕事をこなすのではなく、自分の工夫で意味や意義を深めることで、社員は仕事に強い愛着と達成感を持つようになります。
たとえば、ある社員が社内の業務改善に取り組んだとき、「この会社は私が良くしたんだ」と感じられるようになります。
このような感覚が生まれると、組織に対する愛着が深まり、結果として離職率の低下にもつながっていきます。
ただし、すべての社員が最初からジョブクラフティングに慣れているわけではありません。むしろジョブクラフティングを阻害する要因は社員自身が自分ではそんな発想で取り組んではいけないと感覚的に思ってしまっていることが多いのです。
重要なのは、ジョブクラフティングを推奨する風土を育むための「声かけ」や「きっかけづくり」です。
「こんな工夫をしてみたらどう?」「こういうやり方もあるかもしれない」
そうしたコミュニケーションが、メンバーを勇気づけ、自発的な行動を促す力になります。
上司や同僚が“行動を引き出す伴走者”として関わることが、組織文化の醸成には欠かせません。
人間らしく働くとは、甘やかすことでも、理想論でもありません。
それは、自らの感性と意志を活かして、ビジョンに向かって力強く進む働き方です。
社員一人ひとりが、自分の「やりたいこと」と組織の「あるべき姿」を接続し、自律的に行動していく。
そんな人間性が躍動する組織には、確かな未来を切り拓く力があります。
私たちは、これからも「働くことが生きることとつながる社会」を実現するために、多くの体験価値を提供していきたいと思います。