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【さぁ、そろそろ、焚火を囲んで話そう_Vol.21】
やりたいことは、つながりの中で見つかる

【さぁ、そろそろ、焚火を囲んで話そう_Vol.21】
やりたいことは、つながりの中で見つかる

スノーピークビジネスソリューションズ代表の坂田です。

このコラムでは、私たちの会社が大切にしている価値観や目指す未来について、みなさまにお伝えしていきたいと考えています。

読んでくださった方にとって、新たな「気づき」となり、日々の暮らしや働き方がよりイキイキとワクワクするものになれば幸いです。

「やりたいことが見つからない」という悩み

企業で働いていると、「やりたいことが見つからない」という声を耳にすることがあります。とくに一定の業務スキルを身につけた3~4年目やベテラン社員からは、「自分が本当にやりたい仕事がわからない」「仕事にやりがいを感じにくくなった」といった相談が寄せられると聞きます。

ある人事担当者は、このような状態を「キャリア迷子(キャリアの方向性を見失った状態)」と表現していました。

 

この悩みは、決して本人の努力不足や情熱の欠如だけではないと考えています。

おそらく多くの場合、環境や関係性の設計不足が本質的な原因ではないかと思います。私たちはつい、「やりたいこと」は自分の頭の中で考え抜けば見つかると思いがちです。しかし実際は、人との関わりや経験のなかで見つかることが多いのです。

内発的動機は「つながり」から生まれる

心理学や組織論の研究でも、やる気の源泉である「内発的動機」は、人とのつながりや共通体験の中で芽生えることが多いとされています。
ダニエル・キム教授の「成功循環モデル」では、「関係の質」が高まることで「思考の質」が向上し、その結果「行動の質」が変わり、成果につながると説明されています。(Vol.17を参照)

 

つまり、やりたいことやチャレンジ精神は、他者との関係性の中で醸成されるのだと思います。逆に関係が希薄なままでは、自分の意義や可能性を見出すことが難しくなります。

ある大手商社の管理職の方に組織の課題をうかがった際、「働いていても自分の存在意義がわからない」と悩む社員がいるとお話しされていました。

 

その社員にとって、この会社がどんな意味を持つのかを上司が対話したそうです。そうした対話をしてくれる上司がいることで関係性が生まれ、「自分のことを見てくれている」という感覚が芽生え、存在意義が見えてくるのだと感じました。

キャンプがもたらす関係性の深化

キャンプがもたらす関係性の深化

私たちが提供するアウトドア研修やキャンピングオフィスには、単なる非日常体験以上の効果があります。
たとえばキャンプの場で焚火を囲むと、不思議なことに肩書や立場といった職場での鎧を脱ぎ、普段は語らない話題を話すようになります。

 

こうした変化が起きるのは、炎のゆらぎや自然の音が心理的な緊張をほぐし、聞き手が相手を受け入れやすい雰囲気を作ってくれていると感じられるからではないかと思います。普段の職場では緊張感を保つことが日常になっている上司も、焚火を前にしては胸襟を開かざるを得ず、自然と受け入れる雰囲気が生まれます。

 

そうした中で、お互いの経験や価値観を共有することで、「自分もやってみたい」「これなら貢献できそうだ」という気持ちが自然と湧いてきますこれは日常のオフィス業務だけではなかなか生まれにくい感情です。

「やりたいこと探し」は個人課題ではなく経営課題

やりたいことを見つけられない状態は、社員一人の問題ではなく、組織全体の力を削ぐ大きな要因になります。
組織の活力や創造性を高めるためには、経営陣が「人がつながる場」を意図的に設計し、関係の質を高めることが欠かせないと考えています。

その方法は、必ずしも大掛かりなイベントである必要はありません。

日常業務の中でのちょっとした会話の機会をつくることや、プロジェクトを超えた交流の場、偶発的な出会いを生むオフィスデザインの工夫など、多様なアプローチがあります。

経営がつくる「つながりの場」の条件

経営がつくる「つながりの場」の条件

人が自然につながり、内発的動機が生まれる場には、いくつかの共通点があります。


1.    心理的安全性 ── 意見を出しても否定されない安心感
2.    共通の目的 ── 目指すゴールが共有されていること
3.    偶発的な交流 ── 部署や役職を超えた偶然の出会い
4.    身体性の伴う体験 ── 五感を使ったリアルな協働体験

 

とくに4つ目は、私たちが自然環境やキャンプを場づくりに取り入れている大きな理由です。机上の議論だけでは得られない感覚的な共鳴が、人と人とのつながりを深め、やりたいことの発見へとつながります。

未来をつくるのは「つながりから生まれた意欲」

社員一人ひとりが「やりたいこと」を持っている組織は、驚くほど変化に強い組織になります。なぜなら、その意欲は外から与えられる指示や報酬ではなく、内側からわきあがるエネルギーだからです。
そして、そのエネルギーは個人のなかだけではなく、人と人の関係のなかで生まれ、磨かれていきます。

 

経営サイドはミッションやビジョンを共有し、そのエネルギーを持った社員一人ひとりの意識を同じ方向に束ね、組織全体の力として発揮させていくことが大切です。

 

私たちは、これからも人がつながり、そのなかから新しい意欲がわきあがる場をつくり続けたいと考えています。

その積み重ねこそが、個人の幸福と組織の持続的成長を同時に実現する道だと信じています。

 

坂田 真也(さかた・しんや)
Profile

坂田 真也(さかた・しんや)

代表取締役社長

2009年に入社し、システム営業部に配属され1,000社以上の製造現場を回り、システム提案及び導入支援を行う。​
2015年よりクラウドソリューション事業の責任者となり、コンサルティング業務を確立させ、顧客の様々な業務効率化や働き方改革を支援。
その後、ビジネスにアウトドアを取り入れたキャンピングオフィス事業の責任者や、スノーピークグループのDX支援を推進する責任者を歴任し、2024年に代表取締役社長に就任。

坂田 真也(さかた・しんや)
Profile 坂田 真也(さかた・しんや)

代表取締役社長

2009年に入社し、システム営業部に配属され1,000社以上の製造現場を回り、システム提案及び導入支援を行う。​
2015年よりクラウドソリューション事業の責任者となり、コンサルティング業務を確立させ、顧客の様々な業務効率化や働き方改革を支援。
その後、ビジネスにアウトドアを取り入れたキャンピングオフィス事業の責任者や、スノーピークグループのDX支援を推進する責任者を歴任し、2024年に代表取締役社長に就任。

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