スノーピークビジネスソリューションズ代表の坂田です。
このコラムでは、私たちの会社が大切にしている価値観や目指す未来について、みなさまにお伝えしていきたいと考えています。
読んでくださった方にとって、新たな「気づき」となり、日々の暮らしや働き方がよりイキイキとワクワクするものになれば幸いです。
スノーピークビジネスソリューションズ代表の坂田です。
このコラムでは、私たちの会社が大切にしている価値観や目指す未来について、みなさまにお伝えしていきたいと考えています。
読んでくださった方にとって、新たな「気づき」となり、日々の暮らしや働き方がよりイキイキとワクワクするものになれば幸いです。
「仕事は任されたことをきちんとやるもの」
それは社会人として大切な土台だと思います。
けれど、その捉え方のままでは、人はどうしても“受け身”になりやすい側面があります。
やるべきことはこなせる。
でも、次の一手が出てこない。
そんな状態に、心当たりがある方もいるかもしれません。
一方で、仕事を「与えられた役割」ではなく「自ら創っていくもの」と捉え始めた瞬間、人の動き方は変わります。
誰かに言われて動くのではなく、自分の目で課題を見つけ、周りを巻き込みながら解決していく。
そうした経験を積んだ人は、環境が変わっても折れにくい“主体性”を手に入れていきます。
今日は、私たちが大切にしている視点を、
「仕事を創る」
「会社を創る」
「自分を創る」
この3つの観点で整理してみたいと思います。
仕事を創る第一歩は、「課題を見つけること」だと思います。
それは社内の課題でも良いですし、お客さまの課題でも構いません。
大切なのは、「目の前の違和感」を見過ごさずに、「問い」として立ち上げることです。
たとえば、
・社内で業務が滞っている原因がどこにあるのか
・情報共有の流れが詰まっていないか
・手順が属人化していないか
・お客さまの現場で“当たり前になっている不便”が放置されていないか
こうした小さな違和感に気づき、仮説を立て、解決策を考え、提案し、実行する。
これが「仕事を創る」ということだと思います。
そして、経験を積んだ人ほど、ここで次のステップに進めます。
「指示された方法でやる」から、「自分で方法を考える」へ。
やり方を自分なりに設計し、改善し、価値につなげていく。
これは近年“ジョブ・クラフティング”と呼ばれる考え方にも通じています。
やり方を創れるようになると、自己効力感や自己有用感が育ちます。
「自分は前に進められる」
「自分は役に立てている」
その感覚が、次の挑戦を生む原動力になります。
仕事を創る経験を重ねると、ある時こう気づきます。
「あれ、これは会社を創っていることと同じだな」と。
社内の課題を解決すれば、仕組みが整います。
運用が回り、チームの生産性が上がり、誰かが困らなくなる。
気づけば“自分が整えた仕組み”が、会社の一部として動いている。
これは、とても実感のある体験です。
一方で、お客さまの課題を解決すれば、収益が生まれます。
その収益が利益になり、次の投資になり、仲間の給与の原資になります。
つまり、自分たちの提案と実行が、会社を回す力そのものになっているということです。
会社は、誰か一人が完成させたものではありません。
日々の現場で、創られ続けているものです。
小さな改善も、新しい提案も、目の前の一歩も。
すべてが会社の“筋肉”になっていきます。
その実感を持てるかどうかで、働くことの手触りは大きく変わると思います。
そしてもう一つ、時間をかけて見えてくることがあります。
仕事を創り、会社を創るプロセスを積み重ねた人は、結果として「自分が創られている」ということに気づきます。
キャリアという言葉は、語源をたどると馬車が道につけた“轍(わだち)”だと言われます。
誰かに与えられる肩書きや経歴ではなく、自分の日々の行動の跡が道になっていく感覚です。
課題を見つけ、考え、相談し、提案し、実行し、そして振り返る。
その繰り返しの中で、スキルが身につき、知識が増え、経験が重なっていく。
気づけばそれらは、「自分」の中に確かな手応えとして残っています。
仕事を創ることで会社に貢献しているつもりでも、同時に、自分自身も少しずつ創られている。
ここに気づいたとき、働くことは“こなすもの”ではなく、“育てるもの”へと変わっていきます。
会社を育てながら、自分も育っていく。
その循環こそが、キャリアという轍を深く、強く刻んでいき、また健全な組織の根っこにあるのだと思います。
では、なぜアウトドア研修がこの姿勢を育みやすいのでしょうか。
理由はシンプルです。
アウトドアには「課題の発見」と「工夫しながら解決する場面」が無数にあるからです。
タープの張り方ひとつとっても、「どう張るか」を考えなければなりません。
風の向き。
地面の状態。
日差し。
動線。
次のワークショップでは、机や椅子をどう配置するか。
話しやすさ。視線。距離感。集中のしやすさ。
焚火を囲むなら、煙が流れる方向を見て席を変えるのか、火の強さを調整するのか。
誰が次の薪を用意し、誰が薪をくべるのか。
正解は一つではありません。
状況を見て、考えて、試して、直す。
この小さなサイクルが、短い時間の中で何度も回ります。
だからこそ、「自分で場を動かす」感覚が育ちやすいのだと思います。
さらに、周りのメンバーが率先して動く姿を見ることも、大きな学びになります。
心理学では“代理経験”と呼ばれますが、他者の行動を観察することで、自分の行動の幅が広がるとされています。
アウトドアの場は、それが自然に起きやすい環境です。
「こういう時は、風や動線を先に見た方がいいんだな」
「場が詰まってきたら、声のかけ方を変えるといいんだな」
こういった学びが、頭ではなく身体に残っていく。
この体験は、職場に戻った後も確実に生きてきます。
そして主体的に仕事を創る姿勢へと、確実につながっていきます。
私たちが目指しているのは、一部の“優秀な人”に依存する会社ではありません。
一人ひとりが課題を見つけ、仕事を創り、会社を創り、その過程で自分を創っていく。
そんな人が増えていく組織は、変化に強く、しなやかで、温かい。
仕事は、与えられるものから創るものへ。
その転換は、能力の問題ではなく、姿勢の問題なのかもしれません。
そしてその姿勢は、経験によって育てることができます。
今日の話が、「自分たちの仕事をもう一度創り直してみよう」と考えるきっかけになれば嬉しいです。